キース・へリングとは?

キース・へリング(Keith Haring・1958年5月4日-1990年2月16日)は、アメリカ出身の画家。1980年代アメリカの代表的芸術家として知られている。
1980年代初頭にニューヨークの地下鉄で使用されてない広告板に黒い紙を貼り、チョーク・アウトライン形式(犯罪現場で被害者の位置を書き記しするための線)でシンプルな絵画を描いた、通称「サブウェイドローイング(Subway Drawings)」というグラフィティ・アートを開始。よく描いたモチーフは「光輝く赤ん坊(Radiant Baby)」「円盤」「犬を象徴するもの」などがあった。ニューヨーク・タイムズスクエアのビルボードのアニメーションから、舞台デザインに至るまで幅広く手がけた。
また制作と平行して社会貢献活動を多く行ない、31歳でこの世を去るまでアート活動を通してHIV・エイズ予防啓発運動にも積極的に携わった。1989年にはAIDS団体と子どもの教育プログラムへの資金提供を目的とした「キース・ヘリング財団(The Keith Haring Foundation)」を創設した。

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実際の蜷川さんは、同志ともいえる同世代の作家との横のラインだけでなく、歴史という「縦のライン」も意識し、ギャラリストとしての役割を模索する。

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