サーティーズブームとは?

1982年に日本で公開された映画『炎のランナー』がメンズクラブ誌などで注目され、日本のエーボンハウス(Avon House)が積極的に仕掛けたこともあり、ブリティッシュスタイルのブームが起こった。
ニューヨークのアラン・フラッサー(Alan Flusser)やラルフ・ローレン(Ralph Lauren)といったデザイナーもイギリスを意識したスタイルが多く、ロンドンのハケット(Hackett London)が日本に上陸するなど、ブリティッシュスタイルが日本で広まっていった。さらに1930年代(サーティーズ)に特化した日本のブランドも出るなど、DCブランドやアメリカントラッドとはまったく異なるトレンドを確立した。誇張された太いトラウザーズやコンビの靴、ブレイシーズ(サスペンダー)などが注目された。

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神戸の整形靴技術者養成校(以下、養成校と記載)を卒業後、より専門性を高める修行を積まれ、現在は京都で、整形靴の技術を駆使したビスポークシューズのお店をされています。

整形靴とは、医学的根拠に基づき、個人の足の形や症状に合わせて作られる靴のことです。医療機関での治療にも取り入れられていて、治療や補助としての意味合いが強いのが、ビスポークシューズとの違いと言えます。オーソぺディックシューズという英語名も定着しているので、一度は耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。

私が初めて八巻さんの靴を拝見したのは、インスタグラムだったのですが、フォルムに惹かれて興味を持った靴が、整形靴の製法で作られたものだと後から知り、正直なところ、とても驚きました。それまで、整形靴にはファッション性を期待できないという偏見があったので、自らの勉強不足を思い知らされました。

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インタビュー第4弾は、Laboratrio(ラボラトリオ)代表、お直し職人の羽賀友一郎氏を訪ねました。
羽賀さんがお店を構える船場ビルディングは、私の店の所在地でもあるので、氏とは普段から顔を合わせています。何度スーツを直してもらったかわかりませんが、私が羽賀さんにお願いするのは、決して近しい間柄だからではありません。
羽賀さんが、国内有数のスーツブランドであるリングヂャケットのファクトリーで、今や世界的なテーラーとなった同志たちと切磋琢磨された後、洋服のお直しの老舗店、心斎橋リフォームに9年間勤め、重要なポジションを任されたという、文句なしの実力者だからです。
今回は、そんな経歴を持っていながら、彼が表立って語らない「職人、羽賀友一郎」の個人史にフォーカスしたいと思います。