原美術館とは?

原美術館は、1938年に東京ガス会長、日本航空会長、帝都高速度交通営団(現在の東京メトロ)総裁などを歴任した実業家であり、美術品収集家でもあった原邦造(はら くにぞう)の私邸として建てられたもの。その孫にあたる原俊夫(はら としお)により1979年に東京・品川に現代美術を中心とした私立美術館として設立した。設計は「東京国立博物館本館」や「服部時計店」などを手がけた渡辺仁(わたなべ じん)が行った。その後、磯崎新(いそざき あらた)の監修でカフェとホールが増築された他は、外観にはほとんど手を加えていない。
国内外の多数のアーティストたちを紹介し、日本のアートシーンに絶大な影響を与えてきた。また、今でこそ一般的になってきたミュージアムカフェの先駆け的存在。
建物の老朽化に伴い、2021年1月11日に閉館。2021年春から、群馬・渋川市の別館で磯崎新が設計した「ハラ ミュージアム アーク」を「原美術館ARC」に改称し、活動を一本化した。

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アート業界を盛り上げたい!アート・コレクター夫妻の行動と実践_image

アート業界を盛り上げたい!アート・コレクター夫妻の行動と実践

アート好きを10人集め、「ヴェネチア・ビエンナーレの次の日本代表作家は?」と聞いたとしたら、いったい何人が答えられるだろう。

ヴェネチア・ビエンナーレは、現代美術の国際美術展覧会のひとつであり、その代表作家に選出されることは、世界のアートシーンにおいても名誉なことだ。しかし日本国内では、その扱いがあまりにも小さい。

この状況に課題意識をもちアクションを起こしたのが、現代アートコレクターの長谷川一英さん・惠美子さんご夫妻だ。

E&K Associatesという法人を立ち上げ、作家やギャラリーを独自の方法でサポート。現在は、「ある事情」によりその活動を休眠しているが、聞けばその事情もまた興味深い。

夫婦でどのようにコレクションを楽しんでいるのか。どんな活動で、どんな景色をみたいのか。お話を伺った。

スター作家を生むギャラリスト。小山登美夫さんの世界の見方、ローカルでの振る舞い方_image

スター作家を生むギャラリスト。小山登美夫さんの世界の見方、ローカルでの振る舞い方

アートに関心のない方でも、一度はその作品をみたことがあるに違いない。そんなスター作家を世に送り出してきた、小山登美夫ギャラリー代表の小山登美夫さん。プライベートでは、頭で理解できないような主題のアートが好きだという。

「言葉で説明できるものなら、絵にしなくていい。言葉で言ってくれればいいと思ってしまうんです」

しかしアート・マーケットの話題になると、マクロとミクロの視点を切り替えながら、世界の動向を明解に言語化して聞かせてくれる。

欧米が主導権を握り、中国が活気づくアート市場で、日本がすべきこととは?ギャラリーが果たすべき役割とは?現代アート・コレクターの笹川直子さんが、話を聞いた。

アート大好き!現代美術!コレクターのお宅訪問! 棟田響×ローゼン美沙子 |  CADAN Art Channel Report_image

アート大好き!現代美術!コレクターのお宅訪問! 棟田響×ローゼン美沙子 | CADAN Art Channel Report

CADAN Art Channelの新シリーズ「アート大好き!現代美術!コレクターのお宅訪問」。初回は2020年11月12日に、アート・コレクターの棟田響さんのご自宅から、棟田さんとMISAKO & ROSENディレクターのローゼン美沙子さんのトークを配信しました。

棟田さんは2016年から現代アート・コレクションをはじめ、現在40点を所有しています。コレクションのうち8割はペインティング。のこりは彫刻中心で、映像と写真は1点ずつコレクションしています。

棟田さんは過去のインタビューで「部屋に飾るための絵を探しにギャラリーを訪れ、コレクションを作るという意識もなくスタートしたんです」とお話していました。そんな棟田さんの背後には、国立国際美術館で開催された展覧会「抽象世界」に出品されたリチャード・オードリッチの作品が展示されています。

現代アートをはじめて購入してから約5年。どのようにコレクションを形づくっていったのでしょうか。

【書き起こし】「日本のアートディーラー史:80年代/90年代東京アートシーン」スカイザバスハウス:白石 正美_image

【書き起こし】「日本のアートディーラー史:80年代/90年代東京アートシーン」スカイザバスハウス:白石 正美

CADAN Art Channelで配信された「日本のアートディーラー史: 80年代/90年代東京アートシーン」。スカイザバスハウス代表の白石正美さんにフジテレビギャラリーの活動、初期のNICAFの展示の様子などを紹介していただきました。本記事では配信の冒頭15分間の書き起こしをお届けします。

草間彌生さんや宮島達男さん、村上隆さんらをサポートしてきた白石さんは「作家や美術館が海外に出ていく際に資金的なサポートをすること」がギャラリーの仕事の一つだと解説します。

※記事は動画と一部異なる箇所があります。

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父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから_image

父から娘へ。タグチアートコレクションのこれまでとこれから

タグチアートコレクションの名で知られる、ミスミグループ創業者の田口弘さんの現代アート・コレクション。

現在、蒐集や管理は長女の田口美和さんに引き継がれ、さらなる広がりをみせている。2018年11月時点で、作品数は約470点。

これほどのビッグ・コレクターならば、「いつかはプライベート・ミュージアムを」という思いがあってもおかしくない。

しかし弘さんも、美和さんも、特定の箱(スペース)をもつことは考えていないという。

かといって、コレクションを自分たちだけの楽しみにすることもない。コレクションの質の高さから、美術館などから出品依頼の声がかかることも多く、むしろ積極的に公開をしている。

過去には、タグチコレクションの名を冠した展覧会もたびたび開催され、来年も北海道内の美術館を巡回する予定だ。

父から娘に引き継がれるコレクション。インタビューで、弘さんは、しばしば実業家としての顔をみせながらアート購入時のアドバイスや、現代アートが持つ力を語った。美和さんからは、ギャラリー巡りを始めたころの意外なエピソードが明かされた。

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現代アートコレクション400点、すべてが宝物。宮津大輔さんのコレクターとしての矜持

世の中には、さまざまなモノのコレクターがいる。しかし美術品、特に現代アートをコレクションするとなると、どことなく敷居の高さを感じてしまう人も多いようだ。それはひとえに「現代アートってよくわからない」からではないだろうか。

そもそも現代アートとは何だろうか。絵画や彫刻ならただの「アート」でよいのに、そこに敢えて「現代」と付くのは何故か。

そこで当連載企画では『What Is 現代アート!?』と題して、現代アートを取り巻くプレイヤーたちにお話を伺い、現代アートとは何か、それをコレクションするというのはどういうことか、について解き明かしていきたい。(モデレーター 深野一朗)

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羊文学・塩塚モエカと観る近代日本の前衛写真(前編)

東京都写真美術館では、8月21日(日)まで「アヴァンガルド勃興 近代日本の前衛写真」が開催されています。

近代日本写真史における前衛写真は、海外から伝わってきたシュルレアリスムや抽象美術の影響を受け、1930年代から1940年代までの間に全国各地のアマチュア団体を中心に勃興した写真の潮流です。活動期間が短く、またピクトリアリズム写真やリアリズム写真といった潮流の間に位置することでこれまではあまり顧みられていませんでした。しかし、ここ数年福岡や名古屋をはじめとする各地の美術館により研究が進み、海外の展覧会でも展示される機会も増えています。

今回はオルタナティブ・ロックバンド「羊文学」ボーカル・ギターの塩塚モエカさんをお招きし、東京都写真美術館学芸員の藤村里美さんと展示を観ながら言葉を交わしました。新しい表現を模索した作家の足跡を、前衛写真を塩塚さんはどのように観たのでしょうか。

※こちらはTOPMuseum Podcast「#01ゲスト・トーク|塩塚モエカ(ミュージシャン)×藤村里美(学芸員)【アヴァンガルド勃興】(前編)」のトークを編集した記事です。

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スター作家を生むギャラリスト。小山登美夫さんの世界の見方、ローカルでの振る舞い方

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「言葉で説明できるものなら、絵にしなくていい。言葉で言ってくれればいいと思ってしまうんです」

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欧米が主導権を握り、中国が活気づくアート市場で、日本がすべきこととは?ギャラリーが果たすべき役割とは?現代アート・コレクターの笹川直子さんが、話を聞いた。