両切敷島(22本入)

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専売史上最も短期間で終売した銘柄―
大正時代は、より近代社会化への道を歩むとともに、大きな社会的不安を経験した時代でもありました。第一次世界対戦・米騒動・インフルエンザ(スペイン風邪)の流行です。中でも、インフルエンザの流行はタバコ生産に大きな痛手を与え、各製造工場では職員の欠勤が相次ぎました。
追い打ちをかけるように大正9年2月には、一日800万本の製造高を誇る当時の淀橋工場が火災で全焼し、このことが人気銘柄であった「敷島」の供給に大きな打撃を与えました。そこで専売局は、口付に代わる「両切敷島」を発売することで状況打開を試みましたが、口付の「敷島」にはるかに及ばず不人気で、わずか2週間でその販売を取り止めました。

1920年3月15日~ 22本入15銭で発売開始【画像1】
1920年3月31日 製造中止

[1981 大渓]

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