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Bangles “Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”
何で?Bangles? とまあまあ、落ち着いて。これでも多少の思い入れがあって買ったんですよ。でももう、35年位聴いてないですけどね。久々に聴き直してみました。それで、先ず、Banglesのバイオグラフィーについて簡単に書いておきます。Banglesは、1981年に米国CAのL.A.で結成されたガールズ・バンドで、1980年代にヒット曲を飛ばし、有名になりました。もう少し詳しく書きますね。結成時のメンバーは、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Michael Steele (B, Vo)です。元々、HoffsとVicki & Debbi姉妹は、1980年12月にL.A.でバンドを始めようとして、HoffsがThe Recycle紙にメンバー募集をかけ、Annette ZilinskasとPeterson姉妹のハウスメイトでThose GirlsをやっていたLynn Elkindが反応し、色々話しを聞いたりして、最終的に、Annette Zilinskas (B)が加入することになり、そのラインナップで、1981年にThe Coloursとしと言うバンドになります。その後直ぐに、バンド名をThe Bangsと替え、L.A.のペイズリー・アンダーグラウンド界で活動し、1981年に、自身のレーベルDownKiddie Recordsからシングル”Getting Out Of Hand" c/w "Call On Me"を出しています。その後、Faulty Productsと契約し、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Annette Zilinskas (B, Vo)で、1982年にEP"The Real World"をリリース、これがハリウッドのクラブで掛かり、大いに受けますが、同名のバンドがいたことから、バンド名をBanglesにします。それで、最初のEPをBangles名義にして、1983年にリリースし直し、更にリミックス12㌅EPも出しています。このレーベルは、I.R.S. Recordsが配給するようになりますが、Zilinskasは自身のバンドBlood On The Saddleに集中する為、バンドを脱退します。その代わりに、The Runawaysなどに在籍していたMichael Steele (B)が加入します。そうして、1984年に、Banglesのデビュー・アルバム”All Over The Place”がColumbia Recordsよりリリースされ、そのパワー・ポップな音楽が受けます。シングルカットされた"Hero Takes A Fall"や"Going Down To Liverpool"はThe Beatlesっぽくもあって売れます。その時、MVを作製している過程で、HoffsとLeonard Nimoy (スタートレックのスポック役の俳優)は意気投合しています。そして、Banglesはシンディー・ローパのFun Tourのオープニング・アクトも務めています。これを気に入ったプリンスが、元々自身のグループApollonia 6の為に書いた曲"Manic Monday"をBanglesに提供しており、この曲は米・英・独で第2位のヒットを記録しています。そうして、1986年に、彼女らは、本作品でもあるセカンド・アルバム”Different Light”リリースします。より洗練されたアルバムで、Liam Sternbergによって書かれた曲"Walk Like an Egyptian"はナンバー1のヒットとなり、ビルボード200でも2位となり、一気にメインストリームに躍り出ることになります。その後も、1987年には、Simon & Garfunkelの"A Hazy Shade Of Winter"のカバーを出したり、1988年にも、アルバム”Everything”を出したりして活躍しています。しかしながら、誰がメイン・ヴォーカルを取るか?誰が曲を書くか?で揉めてしまい、Banglesは、1989年に解散してしまいます。その後、1998年に、Banglesは、再結成し、映画”Austin Powers: The Spy Who Shagged Me”のサントラを手掛けていますが、これは、監督がHoffsの旦那だったと言うこともあるようです。2003年にはアルバム”Doll Revolution”を出し、現在も活動中のようです。 と言うのが、Banglesの流れになります。それでは、セカンド・アルバムである本作品を紹介していきます。内容は両面6曲ずつで、メンバーは先述の通りです。 A1 “Manic Monday”は、キッチュなHoffsのVoとキャッチーなメロディで、コーラス・ワークも完璧な曲です。 A2 “In A Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”は、やや激しい曲で、これぞパワーポップと言う感じで、メインVoはVickiが担当しています。 A3 “Walking Down Your Street”は、美しいコーラスで始まり、舌足らずなHoffsのVoが可愛らしいです。途中ブレイクのギターがカッコ良い! A4 “Walk Like An Egyptian (エジプシャン)”もヒット曲で、軽妙なリズムとメロディが心地良いです。Voは、Vicki, Steele, Hoffsがとってます。 A5 “Standing In The Hallway (ホールウェイに立ちすくみ)”は、飛び跳ねるようなリズムがファンキーな曲で、オルガンが効いてます。VoはDebbiですが、コーラスワークが素晴らしいです。 A6 “Return Post”の出だしは、スパイ映画っぽいですが、その後のVickiのVoは可愛らしくて、如何にもアメリカンな曲調です。 B1 “If She Knew What She Wants”は、軽妙なVoが掛け合いが心地良い軽い曲で、メインVoはHoffsです。この曲はシンディー・ローバとの共作も行っているJules Shearによるものです。 B2 “Let It Go”は、アコギも弾きまくりで、素晴らしいコーラスワークを楽しめるテンポがやや早い曲です。 B3 “September Gurls (9月の少女)”は、Alex Chiltonのカバー曲ですが、すっかりBangles風にアレンジされています。VoはSteele。 B4 “Angels Don't Fall In Love (恋に堕ちた天使)”も、ハイテンポの曲で、VickiがVoですが、何処となくカントリー調ですね。最後の木琴が良い! B5 “Following”はアコギをメインにしたカントリー調の弾き語りで、VoはSteele。でも、染みるなぁ。 B6 “Not Like You”では、一転、跳ねるように明るい曲調となり、VoはDebbiが担当していますが、コーラスが素晴らしい! と言う訳で、聴き直しましたが、何だか、青臭い感じがして、ちょっと気恥ずかしいですね。しかしながら、如何にも「アメリカン」な曲やアレンジは流石にセンスを感じますね❗️こう言う「表」のアメリカンから「裏」に行くと、めちゃくちゃ、個人的には好きなポイントなんですが、偶には、「表」のアメリカン・ポップも良いですね! A4 “Walk Like An Egyptian”[live version] https://youtu.be/JA0VfqtIK_A?si=vFH5Ws7nZl73fWju [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lmP1iUgE5IC8hyq-M3vNP4TlEwJ9JakWU&si=WFyHbP1wOGDotSXA #Bangles #DifferentLights #シルバー・スクリーンの妖精 #CBS/Sony #US #AllFemaleBand #PowerPop #Rock #SecondAlbum #Hit #Prince #ManicMonday #WalkLikeAnEgyptian #SusannaHoffs #VickiPeterson #DebbiPeterson #MichaelSteele #AnnetteZilinskas
Rock / Power Pop CBS/Sony 2800円Dr K2
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The Fall “Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”
またまた出ました、The Fallの5枚目のアルバム”Totale’s Turns (It’s Now Or Never)”を紹介します。落書きのようなジャケですが、如何にもThe Fallらしいと言えばらしいですよね。The Fallのバイオグラフィーについては、ここら辺までは書いてあると思いますので、以前の紹介をご参照下さい。この作品も何度も再発されているようですが、私の購入したSuperior Viaductの版が、一番新しい再発盤ということになります。初期のThe Fallはライブ録音をそのままレコードにすると言う荒技に繰り出していましたので、ご多分に漏れず、本作品もライブ録音或いはスタジオでのカセット録音で、音質もブートレッグ並にペナペナですが、そんなことすらも、The Fallらしいです。しっかりと初期の名曲A2 ”Rowche Rumble”も収められています。なお、この時のメンバーは、Mark E. Smith (Vo), Craig Scanlon (G), Marc Riley (G), Mike Leigh (Drs), Steve Hanley (B)と言う初期最強の布陣です。The Fallの一つの特徴として、A2 “Rowche Rumble”やA3 “Muzorewi's Daughter”のように、テンポ・チェンジが目立つ曲が多いとも言えるでしょう。なので、それで良くメンバーが合わせて演奏しているなぁと感心してしまいます。また、B1 “Spectre Vs. RectorでのマシンガンのようなSmithのヴォーカルも堪能できますし、B4 “New Puritan”の下手くそなギターとSmithの音程の無いヴォーカルの掛け合い(?)も聴けますよ(DD. Recordsの月本正くんようです)❗️まだ、この頃はガチャガチャした曲が多くて、B5 “No Xmas For J. Quay”やA5 “Choc-Stock”にその萌芽を嗅ぎ取ることが出来ますが、中期のようなタイトな「反復」は余り聴くことができません。それでも、The Fallにしか出来ない超B級のポスト・パンクを聴くことが出来ます。折角、再発されたのですから、この機会にThe Fallのイカした「駄目さ加減」を堪能してみては如何しようか‼️ハマるかもよー! A1 “Intro / Fiery Jack” A2 “Rowche Rumble” A3 “Muzorewi's Daughter” A4 “In My Area” A5 “Choc-Stock” B1 “Spectre Vs. Rector” B2 “Cary Grant's Wedding” B3 “That Man” B4 “New Puritan” B5 “No Xmas For J. Quay” B5 “No Xmas For John Quay” https://youtu.be/cRpbj-MPjSU?si=HGYHGPy7IG14WdmR [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_kdXvuOkI-Unc9mEG53p98p-yxhjmLSj0w&si=9RVBusNyVI1nmkx9 #TheFall #Totale’sTurns(It’sNowOrNever) #SuperiorViaduct #RoughTrade #Reissue #PostPunk #LiveRecordings #Lo-Fi #CraigScanlon #MarcRiley #MarkE.Smith #MikeLeigh #SteveHanley #TempoChange
Post Punk Superior Viaduct (Rough Trade) 2800円Dr K2
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Blaine L. Reininger “Book Of Hours”
前回、紹介しましたTuxedomoonの創設者でもあるBlaine L. Reiningerのソロ・アルバム”Book of Hours”を、今回は紹介します。Tuxedomoon時代に関しては前回書いた通りですので、ソロアーティストとしてのReiningerのバイオグラフィーについて書いてみます。彼は、Tuxedomoonのメンバーとして3枚のアルバムを出した後、1983年に完全にソロアーティストとして、1988年にバンドが再結成するまで活動に専念していますが、実は、その後も、ソロ活動も続けています。バンド在籍時には、John CageとAllen Ginsbergにインスパイアされており、それは、1982年にリリースされた彼のファースト・ソロ・アルバム”Broken Fingers”でも継承されています。1983年にバンドを脱退した時に、以前よりもっと電子音楽的な方向性の持ったアルバム”Night Air”を、Michael Belferと共に作製しています。なお、プロデュースはGareth Jonesが行っています。また、彼のソロは、ベルギーのレーベルLes Disques Du Crepusculeからリリースされています。その後、着実にEPやアルバムを出していきます。その後も、コラボ作品等も作製し、Durutti Columnとは”Short Stories For Pauline”と”Without Mercy”の2枚のコラボ・アルバムを出しており、この時期にはネオ・クラシックな音楽を作製しています。また、盟友Steven Brownとも”Colorado Suite”とライブ録音アルバム”Live In Lisbon”をリリース、ミニマルでクラシックな音楽をやっています。1989年には、William Lee SelfのバンドMontanablueにも曲を提供したりしていますが、Reininger自身もその曲を彼のソロアルバム"Songs From The Rain Palace"に再録音しています。この辺りで、本作品も録音されています。1990年代に、彼は、メジャーレーベルからソロのサントラ・アルバム”Radio Moscow”をPolygramから、”Kingdom Of Dreams”をSony Musicから出しており、後者はアンビエント・ハウスな曲だそうです。また、1994年には、UVO IIとコラボしたアンビエント・アルバム”Sound Of Heaven”を独自主レーベルからも出しています。1990年代後半には、ギリシャに移住し、まだ18歳だったJJ La Rueと結婚しますが、その直後に、彼女は心疾患で亡くなっています。この頃は、主に映像作品のサントラを主に作製しており、また彼自身も俳優業を始めています。また、2009年〜2011年に、再びWilliam Lee Selfとのコラボを行うことになり、Lee SelfのHamburgの自宅スタジオにて録音作業を行っています。2013年には、7人のダンサーと3人のミュージシャンの劇版もやっており、そのサントラはCrammed Discsよりリリースされています。Reiningerは2019年までは独自のペースで活動を続けています。 それで、本作品”Book Of Hours”は、Reiningerの活動が最も油の乗っていた頃の作品で、参加したメンツは、Blaine L, Reininger (Vo, Vln, G, Mandlin, Kbd, Drs [Octapad])の他に、Steven Brown (Sax, Kbd), Ivan Georgiev (B, Kbd), Luc Van Lieshout (Trumpet, Flugel Horn), Jo Moens (Drs), Paul Zahl (Octapad, Drs[B1]), Eric Sleichem (Sax [A1]), Ian Devine (G [A2]), Iben Larssen & Niki Mono (Back-Vo [B4])が参加しています。それで内容に関しては、一言で言えば、「ゴージャス」ですね。参加者の皆さん、結構、マルチ奏者の方が多いので、音にも厚みがありますし、アレンジも凝っています。A1 “Zombie Bop”やB4 “Come The Spring”なんかも、イカした曲ですし、A2 “Sainte Thérèse”やB3 “Salad Day”は色っぽいバラード調です。またA3 “Letter From Home”やB1 “El Paso”では、Reiningerがしっとりと歌い上げています。A4 “Software Pancake House”では歌詞に「寿司」とか「味の素」とか出てきて、意味不明です。B2 “To The Green Door”は中東風のアレンジに、朗々としたVoが響く曲で驚きます。また、A5 “Pavane”やB5 “Marchand De Feraille”なんかは、ピアノや弦楽器等を使ったインスト曲です。このように、色んなベクトルを持った曲で、我々を楽しませてくれます。正しく、映画のようなゴージャスさです❗️一度は聴いてみても良いのではないでしょうか。 https://youtu.be/q_EiP_HQ6vo #BlaineL.Reininger #BookOfHours #LesDisquesDuCrepuscule #SoloAlbum #Tuxedomoon #PopMusic #Theatrical #Gorgeous #Instrumental #VocalSong #StevenBrown #IvanGeorgiev #LucVanLieshout #JoMoens #PaulZahl #EricSleichem #IanDevine #IbenLarssen #NikiMono
Pop Rock Les Disques Du Crepuscule 2800円Dr K2
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Diseño Corbusier “El Alma De La Estrella”
これまたスペイン産のエレ・ポップ・デュオDiseño Corbusier(発音はよくわかりませんが、「ディセーノ・コルブッシャー」でしようか?)のセカンド・アルバムの再発盤です。それで、何でこれに気付いたかと言うと、Neo Zelandaの再発アルバムを聴いている時に、 Neo ZelandaことAni Zincが、このバンドのメンバーであり、またAuxilio De Cientosと言うレーベルも共同運営していたのを知ったことがキッカケで探し出した次第です。Discogsによるとトリオとのことてすが、クレジットではJavier G. MarínとAni Zincのデュオとしか記載されていません。結成は1981年、スペインのグラナダでです。当初は、William Burroughsのカットアップ手法を取り入れて、テープ・ループを使った実験的ポップなファースト・アルバム”Stadia”を1983年にリリースします(このアルバムは後に米国の再発専門レーベルDark Entriesからリイシューされています)。その後は、自身のレーベルからカセット作品を出していましたが、Marinが「踊れないリズムは売れない」と言われたことから、Cabaret VoltaireやDAFを聴き、(プリミティブな)Electronic Body Musicへとシフトします。なお、結成当時、Zincは心理学を学ぶ学生で、全くのアマチュアでしだ。そんな彼女はある日、ラジオから流れてきたYoko Onoの”Remember Love”を聴いて、ショックを受け、音楽に目覚め、テープの切り貼りをするようになります(これはNeo Zelandaの所に書くべきでしたね)。そんな訳で、本作セカンド・アルバム”El Alma De La Estrella”を1986年に自身のレーベルからリリースします。MartinはKorgのシンセとRoland SH-101シンセに加えて、Dr-55と言う小さなリズムボックスにリアルなパーカッション・サウンドを鳴らせる独逸製リズムマシンMFB-512とを使ってバックトラックを作っています。それに対して、ZincはVoとその変調操作を担当しています。しかしながら、このアルバムは1000枚も売れず、その為、配給を手伝っていたNuevos Mediosは国外の方が売れるのではと考えましたが、当時はその国外への流通ルートが確保できなかったとのことで、手を引いたとのことです。そうして、Zincは心理療法士の職に就き、Marinも音楽に興味を失い、このデュオは自然消滅してしまいます。 それで、内容なのですが、確かにシーケンサーを使い、マシンビートが前面に出たエレ・ポップな音楽であり、それと同時に、浮遊するようなフィーメル・ヴォイスや不明瞭な変調ヴォイスみたいな音も聴取されます。と思ったら、シンセのホワイトノイズをパーカッシヴに鳴らしたりする曲や、テープループを上手く取り入れた曲或いはダブ的な曲もあったりと、単なるポップミュージックではなく、一癖も二癖もある独自のポップ路線を貫いています。個人的には、A面の曲に中期Cabsの影響を感じ、インダストリアルな要素も強く感じました。そんな彼等の実験的エレ・ポップな音楽を今からでも良いので、聴いてみましょう❗️ https://youtu.be/mMDDpzCyGYQ #DiseñoCorbusier #ElAlmaDeLaEstrella #MunsterRecords #AuxilioDeCientos #Reissue #1986 #Spain #ElectronicMusic #ExperimentalPop #Industrial #JavierG.Marín #AniZinc #Granada #CabaretVoltaire #Synthesizers #Sequencer #DrumMachine #EffectedVoice
Experimental Pop / Electronic Munster Records (Auxilio De Cientos) 2800円Dr K2
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Malaria ! “Beat The Distance”
またもや出ました。Neue Deutsche Welle関係のバンドとしては比較的、集めやすいMalaria!の変則EP”Beat The Distance”です。A面が45回転、B面が33 1/3回転となっています。バイオグラフィーは以前に書きましたので、そちらを参照して下さい。メンバーだけを書いておきます。メンバーは、Gudrun Gut, Bettina Köster, Beate Bartel, Christine Hahn, Susanne Kuhnkeで、一部ではManon P. Duursmaも参加してます。この作品では、A1 “You You”はNYヴァージョン、B1 “You You”はオリジナル・ヴァージョンで収められています。結構、これがアレンジとかが違っていて聞き比べると面白い。どちらが良いかはここでは言及しませんが。またA2 “Jealous”はWashington D.Cでのライブテイク、B4 “Lone Some”とB5 “Tod”はBerlinでのライブテイクとちょっと変わった指向になっていますので、その意味では、ちょっとコアなコレクター向けかな? ライブは当時の熱気が伝わってきて、如何に彼女らが人気があったのかが伺い知れます。また”Geld/Money”, “Your Turn to Run”と”You You”はAnne Carlisle監督のビデオに、”Trash Me”(B3で聴けます)は”Super 80”と言う独逸のドキュメンタリーに音楽として使われています。それで、ドコドコしたリズムと新鮮なシンセ、ちょっと演劇がかったちょいハスキーな低音ヴォーカルなどが上手く化学反応しているのが彼女達の持ち味だと思います。ここら辺の12㌅EPやアルバム”New York Paasge”は比較的入手しやすいので、興味がある方は是非❗️ A1 “You You” (NY version) A2 “Jealousy” B1 “You You” (original version) B2 “Meeting Place” B3 “Thrash Me” B4 “Lone Some” B5 “Tod” A1 “You You” (NY version) https://youtu.be/q4nIJlr1Jnw?si=rb_VCH5Ys0TkvM_m A2 “Jealousy” https://youtu.be/VUTuyvZLbgQ?si=KvaYt_1s0jnmklqf B1 “You You” (original version) https://youtu.be/RF_nRc-liig?si=I5L0i4wwFXTO4gMW B2 “Meeting Place” https://youtu.be/UWgZfcb_hq4?si=58ne5zJDijp4VBwp B3 “Thrash Me” https://youtu.be/NcI4aLjaArw?si=P0MsTO7pXsmKa0bl B4 “Lone Some” https://youtu.be/htkaFfuuWyY?si=IEYiP4nmdD1xQPlZ B5 “Tod” https://youtu.be/HgkRhC-N6j8?si=R1wzuj5Ti0vWGfmE #Malaria! #BeatTheDistance #RebelRec #1984年 #12inchEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #GudrunGut #BeateBartel #BettinaKöster #ChristineHahn #SusanneKuhnke #ManonP.Duursma #Electronic #YouYou(NYversion) #Jealousy #YouYou(originalversion) #MeetingPlace #ThrashMe #LoneSome #Tod
Neue Deutche Welle (German New Wave) my Rebel Rec. 2800円Dr K2
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Richard Pinhas “Chronolyse”
フランスの電気仕掛けのプログレを代表するHeldon (「エルドン」と発音)の首謀者Richard Pinhas (「リシャール・ピナス」と発音する)のソロアルバム”Chronolyse”です。タイトルは「時間化」或いは「時間融解」と言う意味でしようか?Richard Pinhasの経歴はHeldonの項目で書きましたが、彼の音楽は、一言で言うならば、ジル・ドゥルーズの生徒であった若者が哲学じみた態度でもって、SFとスキゾ分析の間から作った電子音楽と言うところでしようか。分かりにくいですね。もっと卑近に言うならば、哲学者崩れがやってるプログレです。Pinhas は、Heldonをやりながらも、ソロ活動も平行してやっており、本作はソロアルバムの2枚目に当たります。本作A面では、ドラムもベースもいないので、リズムは主にシーケンサーによって作り出された小曲が並んでいます。また、バンドと違い、ギターは殆ど使われず、主にアナログ・シンセ(Moogですね)をメインに使っています。それに対して、B面全体を占める”Paul Atreïdes”では、シンセを中心にギターやベース、ドラムも加わった電子音楽のジャムセッションを繰り広げています。まだ、この頃にはドラムとシーケンサーの同期演奏は行われていません。後半にはシンセによる多重層ドローンも聴取できます。B面では、ベースはDidier Batard、ドラムはFrancois Augerが演奏しています。また、Pinhas はギター、メロトロン、ARP シンセを演奏しているとクレジットにありましたが、この音はMoogだと思います。近年では、来日して、吉田達也氏やMerzbowこと秋田昌美氏とのコラボ・ライブも記憶に新しいかと思いますが、Pinhas自体がもう70歳なので、体力的にこれ以上の来日は無理っぽいです。このアルバムはMoogシンセが多量に使われていますので、シンセ好きならば、是非、その太い音を聴いてみて下さい。 A1 “Variation I ~ Sur Le Theme De Bene Gesserit” https://youtu.be/xVHlJdbY9Qw [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lF_qPT9m979jvt-XlHsy6fKdaDDoby7wo #RichardPinhas #Chronolyse #Cobra #SoloAlbum #Synthesizer #Sequencer #Moog #Guitar #ProgressiveRock #Electronic
Progressive Rock COBRA 2800円Dr K2
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Yellow Magic Orchestra “BGM”
2022年の初っ端はこれです❗️漸くYMO (Yellow Magic Orchestra)の登場です。私は基本的にはテクノポップは好きなのですが、何故か、YMOを聴くのは避けてきました。そんな中で、唯一気になって購入したのが、このアルバム”BGM”です。YMOのことは私が書くよりもよく知っている方がいらっしゃると思いますので、ここでは極々簡単に書きます。YMOのメンバーは細野晴臣(B, Kbd, Vo), 坂本龍一 (Kbd, Synth, Vo)と高橋幸宏 (Vo, Dr)の3人ですが、4番目のメンバーとして松武秀樹 (Programming)がいます。彼等はそれぞれが音楽界で既にある程度の知名度を得ていましたが、細野氏の「コンピューターを用いたエキゾチックな音楽」を実現する為に、1978年に結成されました。その後、彼等は国内及び海外でも大人気を博し、一躍、「テクノポップの怪物」と言われる程の成功を収め、時代の寵児となりましたが、1984年に散開しています。その後,単発的に再結成はされますが、現段階でも完全には解散はしていません。このバイオグラフィーからも分かる通り、彼等は、その時代時代で、最新のテクノロジー(ARPなどのシンセ、Roland MC-8やTR-808, 「箪笥」と買われるMoogシンセ、Sampler LMD-649など)を用いて、常に新しい電子音楽を実践してきました。それが、怪物と言われる所以でしょう。ザックリと言うとこんな経歴の持ち主です。 それで、本作品”BGM”です。これは彼等の4枚目のスタジオアルバムになりますが、それまでの作風と違い、メンバーそれぞれの個性や好みに基づいた、より個人的と言うか実験的側面を持ったアルバムになっています。勿論、その「実験性」と言うのは、あくまでもポップ・ミュージックの範疇での話しです。また、このアルバムでは、各メンバーの作曲した曲とYMOとして作曲された曲があり、それぞれの曲の特徴が全面に出ており、興味深いんですが、その中でも、細野氏の曲2曲がずば抜けて凄いです。特に”Mass”の帝国主義的な軍歌的曲調で、私がTechno Mensesを演ろうとしたキッカケになりました。また、坂本氏の曲 “Happy End”やYMO名義の曲”Loom”は松武氏の全面的アレンジを押し出したアンビエントな曲で、画期的であったと思います。当時、それに匹敵できるのはThe Human Leagueの”Toyota City”位しか思い当たりません。また、YMO名義の曲”U.T.”のミニマリズムも凄いですね。それともう一つ面白いところは、A面とB面で、曲の並び順に曲の長さが同じになっている点です。そのような内容ですので、当然、それまでのファンは着いて来れず、売り上げ的にはイマイチだったようです。しかし、私が彼等を評価出来ない理由として、フュージョン臭いところと英語の歌詞なんですよね。本作ではフュージョン臭い所はあんまり無いのですが、どうも英語の歌詞が気になりますねぇ。んてな訳で、世間的にはヒットはしなかったアルバムですが、YMOのバックボーンを見るのには面白いアルバムですので、皆さんも是非聴いてみて下さい。 A1 “Ballet (バレエ)” A2 “Music Plans (音楽の計画)” A3 “Rap Phenomena (ラップ現象)” A4 “Happy End (ハッピーエンド)” A5 “1000 Knives (千のナイフ)” B1 “Cue (キュー)” B2 “U・T (ユーティー)” B3 “Camouflage (カムフラージュ) B4 “Mass (マス)” B5 “Loom (来たるべきもの)” B4 “Mass (マス)” https://youtu.be/Tn3IwwjowjQ?si=w8vRVW9aTOGdSprt [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLmMmr1jpPlKPX6LLcb2EGaROgZeP3I6hj&si=0j7hN1h4UZSH5Fz_ #YMO #BGM #AlfaRecords #TechnoPop #Experimental #YellowMagicOrchestra #HaruomiHosono #RyuichiSakamoto #YukihiroTakahashi
Techno pop Alfa records 2800円Dr K2