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Holger Hiller “s/t”
後にPalais Schaumburgの最初のVo/Gとなり、その後、ソロでサンプラーをメインに使った実験電子音楽の天才と言われるようになったHolger Hillerの最初のリリースが、この7㌅EPなんです。多分、Palais Schaumburg結成前に、自分達の溜まり場でジャムっていたり、セッションしたりしていたものを録音しており、そこからセレクトしたテイクをこの時期に発表しているのではないかと想像します。本EPでは、芸大時代の同級生Walter Thielsch(後にPalais Schaumburgの2代目Voとなります)の他にChris Lunchがサポートで参加しています。Christian Lunch、本名Christian Gregory Ingleで、米国人シンセ・パンク・アーティストで、1979年には、既に米国Fish Ranch Recordsより、Christian Lunch名義で7㌅シングル”Product”を出しています。実は、この人物、Jello Biafraとも関係があって、Dead Kennedysの初の欧州ツアーの時に、Eric BoucherことBiafraとRay PepperellことEast Bay Rayと英国The SoundのAdrian Borland及びMorgan Fisherと一緒にThe Witch Trialsとして、12-㌅Maxi-Single(内容はダーク・ウェーブです)をロンドンで録音しており、それが、1981年にZick ZackとAlternative TentaclesとNew Roseからリリースされているという所で、何となく繋がっているのではないかと想像させられますね。多分その時のZick Zackを通して、本作品にも参加しているのではないでしょうか。まあ、それは置いておいて、本作品をリリースしたレーベルWarning Recordsは後のATA TAKです。と言うことを踏まえて、本作品の各曲を紹介していきましょう。7㌅で45回転なのですが、A面3曲/B面2曲が収録されています。 ★A1 “Ich Kann Nicht Mehr Warten”は、DrsにBらしき音と不穏なシンセのメロディ及びGから成るインストの小曲です。 ★A2 “Ein Ganz Normaler Kuss”は、不明瞭な電子音リズムにHillerの語るようなVoが乗る曲で、途中でヘンテコな電子リズムになったりします。 ★A3 “Dingdonggefühl”は、直線的DrsのビートにフリーキーなGとシンセに合わせて、Hillerが呪文のように歌っています。そのバックでは叫び声なんかも。Voとかにはリバーブ処理も後からしてあるようです。 ★B1 “Herzmuskel”では、単調なリズムマシンと金物Percに合わせて、ピアノやHillerのVoや幽霊のようなシンセ音が聴こえてきます。なお、この曲はPalais Schaumburgの持ち歌にもなっています。 ★B2 “R In S/W”は、レジデンツっぽいシンセのメロディを持ったチープなテクノポップ風インスト曲で、Hillerのルーツの一端が窺い知れます。 短い時間に、Holger Hillerの若かりし頃の音楽性を見事に現している内容になっていると思います。特に、B2はモロThe Residentsで、思わずニヤリとさせられました。それにも増して、他の曲もルーズでありながらもアイデアに溢れていて、興味深かったです。今となっては、本EPは、歴史的価値としての要素の方が大きいかもしれませんが、これを聴いて、また新たな発見がある可能性もありますので、気になる方は是非、聴いてみて下さい!因みに、ジャケは2種類あるみたいです。 https://youtu.be/9t3oD09-DVI?si=pGYaorpGn6VNEeR- #HolgerHiller #Self-Title #WarningRecords #FirstEP #7-InchEP #1980年 #Electronic #SynthPop #Experimental #ChristianLunch #WalterThielsch #Pre-PalaisSchaumburg #ChristianGregoryIngle #USSynthPunkArtist #TheWitchTrials #ZickZack #AlternativeTentacles #TheResidents
Experimental / Synth Pop Warning Records €20.00Dr K2
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Gudrun Gut & Mabe Fratti “Let's Talk About The Weather“
今回は、独Mの系譜(Mania D., Malaria!, Matador, Monika Werkstatt)の1人Gudrun Gutとグアテマラ出身の前衛音楽家Mabe Frattiのコラボ作品”Let’s Talk About The Weather”をご紹介したいと思います。Gudrun Gutの方は、前回、ソロ作品”Moment”の時にも、その略歴は書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回は、コラボレーターのMabe Frattiのバイオグラフィーを少し書いてみたいと思います。Frattiは、そのエーテル的な声と音楽から、グアテマラの代表的な前衛チェリストとして知られていますが、現在は、メキシコに住んでいます。その振り幅は、ノイズ〜クラシック〜エレクトロニクス〜現代音楽のインディペンデントな領域にまで及んでいます。彼女は、グアテマラのペンテコステ派の家庭で育っており、小さい頃から、クラシック音楽しか聴かず、チェロのクラシック教育を受けていました。 また、父親がランダムに持ってきたGyorgy Ligeti(ジョルジ・リゲティ)のレコードや、レコード店で見つけたチェリストのJacqueline du Pré (ジャクリーヌ・デュ・プレ)のDVD等を見聴きして、より前衛的な音楽も体験することとなります。 彼女は10代の頃から自分の音楽を作り始め、教会から外に出た時には、レゲエ、ブルース、ファンクなどさまざまな演奏スタイルを演奏していたようです。因みに、現在使用しているチェロは学校からのプレゼントだそうです。その後、自分のPCで、ファイル共有サイト LimeWireを使いこなすようになって、更に色々な音楽を聴くようになり、その結果、本格的な前衛演奏家/作曲家として、活動を始めています。そうして、2015 年に、Goethe Institutの研修の一環とした、彼女は音楽制作のためにメキシコに行っており、その時に、彼女は著名なアーティストであるGudrun GutやJulian Bonequiなどの多くの音楽家達と共演し、Mexico Cityの即興音楽シーンに参加するようになります。また、その時に、彼女のパートナーとなるHector Tosta(その時はLa Vida Bohèmeに在籍していた)とも知り合い、その後、Amore Muereというグループを結成することになります。2019年に、Frattiは、作家W.G.Sebaldの作品「土星の輪」にインスピレーションを受けて、彼女のファースト・アルバム” Pies Sobre La Tierra”を制作しており、その翌年には、彼女のセカンド・アルバム”Será Que Ahora Podremos Entendernos”を、作曲家Claire Rousayと彼の実験音楽グループTajakの協力の元、作製しています。そうして、2023年には、彼女のパートナーである画家のHector Toscaとのコラボ・ユニットTitanic名義で、アルバム”Vidrio”を作製、「ジャスとチャンバー・ポップの間にある音楽」と評されています。また、同年には、Amor Muereとして、アルバム”A Time To Love, A Time To Die”を作製、リリースしています。このグループは、FrattiとConcepción Huerta, Gibrana Cervantes, Camille Mandokiから成り、またこのアルバムには数年間掛けて作製されているそうです。 以上が、Mabe Frattiの略歴となります。それで、本作品ですが、恐らく、2015年に、FrattiがMexico Cityを訪れた時に、Gudrun Gutと出会い、コラボの約束をしたものだと思います。クレジットを見ると、ヴァーチャル・コラボであり、FrattiはMexico cityの自宅スタジオで作業し、GutはBerlinの自宅スタジオで作業し、2020/2021年に、GutがBerlinのStern Studioでミックスを行っています。なお、レーベルはメキシコのUmor Rexからのリリースです。内容的には、A面4曲/B面5曲が収録されていますが、B2-B5は連作のようです。A1の歌詞はGut, A2の歌詞はFratti, B1-5の歌詞はGut & Frattiの共作となっています。B2-B4は大きな曲を4章に分けていますが、実際の曲間の境界は不明瞭ですので、全体を1曲と捉えても良いかもしれません。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Aufregend” (4:25)は、軽いリズムマシンに太めのSynth-Bによるミニマルな曲で、Gutの呟くような歌が微音で入っており、バックには辛うじて/はっきり聴こえるチェロが入っているのが不気味です。 ★A2 “El Cielo Responde” (3:47)は、ダブ的な打楽器と子守唄を囁くようなFrattiのVo、それにピアノやドラムマシンのキック音等から成る曲で、声のループや刻むハイハット、太く蠢くSynth-Bの低音等が挿入されています。 ★A3 “Walk” (6:03)は、ジャジーなハイハットとそれに不釣り合いなSynth-B、歪んでいくチェロや不明瞭なVoice等が複雑に絡み合う曲で、単に「ジャズ的」とは片付けられない程、破壊的音響になっていきます。 ★A4 “In D” (5:25)では、蠢く低音シンセと四つ打ちキックで始まり、段々とビート感が増して、ダイナミックになり、チェロや電子音も入ってきますが、キーはDからは外れません。Terry Rileyの”In C”の別ヴァージョン⁈ ★B1 “Air Condition” (5:21)は、浮遊感のあるFrattiのVoとハスキーなGutのVoの絡みが、バックのピアノや電子音の上で繰り広げられているような曲で、全てが曖昧模糊で、虚空に溶けていきそうです。 ★B2 “Let's Talk About The Weather I” (2:30)は、不明瞭なチェロの音に、電磁波音やナレーションが絡む曲で、段々とチェロの音が埋もれていきます。 ★B3 “Let's Talk About The Weather II” (2:16)は、B2との曲の境界がハッキリしませんが、ナレーション等の音と曖昧な電子音の蠢きから成る曲で、混線した通信を傍受しているようです。 ★B4 “Let's Talk About The Weather III” (3:50)も、B3に連続して始まり、バックでドラムが鳴っていますが、完全に前面のナレーションや不明瞭な電子音?に隠されています。 ★B5 “Let's Talk About The Weather IV” (4:01)も、B4に連続して始まりますが、段々とモコモコと蠢く電子パルスに形を変えていき、すこーしだけビート感が感じられますが、やはり具体音等に隠れてしまい、収束していきます。 Gudrun Gutのポップネスは完全に封印され、Mabe Frattiが自由に出来るように配慮されたものと想像します。しかも、明瞭な音は少なく、何処か曖昧模糊として不明瞭な音が鳴っているキャンバスに、2人が水彩画で抽象画を描いているかのような音楽となっています。しかしながら、ぼーっと聴いていても、聴き込んでみても、大丈夫なだけの完成度と強靭さも兼ね備えていますので、片意地張らなくても、充分楽しめます。しかし、意外なところで、接点があり、かつ今の通信環境であれば、ヴァーチャルでコラボも出来ると言う、現代のテクノロジーはこの2人のように異文化間の接続を可能にしているのだなぁと感心しました。多分、Gutのミックスも相当、気をつけてやっているのが分かりますね。そんな2人のイカした音楽も体験してみて下さい! A3 “Walk” (6:03) https://youtu.be/IrGtWduunS4?si=GKcPO32Rsw2RL3Hv [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_klJCx56gloYSTVn9sp8QxYwreDM0GefHE&si=ECtpsf1AT2YGGSfu #GudrunGut #MabeFratti #Let’sTalkAboutTheWeather #UmorRex #CollaborationAlbum #VirtualCollaboration #Berlin-MexicoCity #FinalMixByGudrunGut #GermanComposer #GermanElectronicsPlayer #GuatemalanCellist #GuatemalanComposer #Experimental #Electronics #Abstract #Cello #SoundArt
Experimental / Ethno / Electro Umor Rex 2450円Dr K2
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V. A. “Vidal Benjamin Presents: Uprooted #1 Vladimir Ivković“
これを見つけた時は震えた!何せ、CHBBの音源がオフィシャルで入っているからだ!しかも、ジャケの作り1980年代前半っぽいモノクロで、中々センスが良い。と言う訳で飛びついた訳ですが、一応、スプリット・シングルなので、それぞれのアーティストについて調べてみました。それから、これは、Vidal Benjamin Presents Uprootedと言うシリーズものらしいのですが、まだこの1作しか出ていません。 それで、A面のRex, Goran & Milanですが、 全員ルーツが東欧です。Rex Ilusiviiは、本名Mitar Subotić "Suba"で、セルビア生まれで、ベルグラード大学で電子音楽の研究を続けており、ユーゴスラビアでは、1980年代にはその国のニューウェーブ・バンドのミックスやプロデュースを沢山行っており、それ故に電子音楽の第一人者と称されています。彼は、Elik SatieやBrian Enoに興味を持っていたようです。1986年には、電子音楽とユーゴスラビアの民族音楽を融合したりして、UNESCOからの資金で、3カ月間、ブラジルのリズムの研究員としてブラジルに行きますが、そこでブラジルの音楽に惚れ込んで、サン・パウロに移住してしまいます。そこで、Milan MladenovićのプロジェクトAngel's Breathに参加、アルバム”São Paulo Confessions”の制作にも参加しています。それで、1999年11月2日に、彼の新しいパートナーBebel Gilbertoのアルバムのポストプロダクションを行っていたところ、煙草の火が原因で、スタジオから出火、彼はBebelと彼女の新作を何とか救い出そうとして、亡くなってしまいます。 一方、Milan Mladenovićは、1982年に結成された、ユーゴスラビアのアートロック・バンドEkatarina VelikaのVo/Gかつフロントマンで、最初はハードロックが好きだったようですが、その内、Elvis Costello, Paul Weller, Andy Partridge (XTC)に好みが移っていき、1981年末に、Mladenović (Vo, G)は Limunovo drvo Gagi Mihajlović (G)を誘い、更にMargita Stefanović (Kbd), Bojan Pečar (B), Ivan Vdović Vd (Drs)を加えてKatarina IIを結成し、セルフタイトルのアルバムを出しますが、その後、Gagi Mihajlovićが脱退します。それで、バンド名をEkatarina Velikaと改名し、1985年にまたもやセルフタイトルのアルバムを出します。その後もセカンドアルバムを出しており、ユーゴスラビアでは重要かつ人気のバンドになります。1992年に、Mladenovićは、戦争反対プロジェクトRimtutitukiを結成し、1枚のシングルを出していますが、1994年春に、古い友人のRex (Mitar Subotić)とブラジルで、アルバム”Angel’s Breath”を録音しています。しかしながら、1994年8月に、膵癌が見つかり、同年11月5日に亡くなっています。 Goran Vejvodaは、英国生まれのセルビア人作曲家/サウンド・ヴィジュアル・アーティスト/ パフォーマンス・アーティスト/ 写真家/作家/役者で、主に仏で活動しています。1980年代初頭に、Vejvoda (G)は、ガールフレンドのBebi Dol (Vo), Slobodan Trbojevic (B), Vd (Drs)でAnnika Rougeと言うバンドを組んでいましたが、何もリリースはしていませんでした。その後、彼は、Bebi Dolのソロ・シングル”Mustafa”や”Rudi”を出し、彼女のアルバム”Ruze i krv”も出しています。その後、Vejvodaは、ユーゴスラビアのニューウェーブ・バンドやシンセ・ポップバンドと一緒に仕事をしています。その途中で、Mladenovićが、電子音響音楽を学びに、1985年に、パリにやってきた時、Vejvodaは、彼とコラボ・アルバム”The Dreambird, in the Mooncage”を制作し、1986年〜1992年の間、ユーゴスラビア、イタリア、ブラジルの主要都市でラジオ放送されています。 そんな東欧にルーツを持つ3人が、1984年、ベルグラードで録音したトラックを一部が、本シングルに収録されています。その3人が組むことになった経緯は判然としませんが、多分、この時期に、ユーゴスラビアに3人共いて、偶々、録音されたものではではないでしょうか。 それから、B面のCHBBですが、このデュオは、元DAFのChrislo Haasと元Mania D.のBearte Bartelと言う男女で、名前の頭文字を取ってCHBBとしています。このデュオは、後に、あの超重要かつ超有名な独エレクトロ・バンドLiaisons Dangereusesの前身でもあり、50本限定の10分カセット作品4種類(赤、青、銀、黒)しか公式の音源は無く、過去にもブートレッグが出たりしており、マニア誕涎の貴重なアイテムです。内容の一部は、今はYouTubeでも聴くことができますが、Korg MS-20を中心に作ったハード・エレクトロニクスな作品です。恐らく、Haasのシンセ偏執狂的志向が反映されているものと考えられています。と言う訳で、今回の狙いは、B面のCHBBなのですが、調べてみると、A面も非常に興味深いですね。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 Rex, Vejvoda, Milan “Untitled”は、淡々と続くミドルテンポのDrsと単調なリフBに、恐らくシンセらしき音と過剰エコーを掛かった女性Voが被ってくる曲で、やがてGのカッティングが入ってきます。 ★B1 CHBB “NBKE”は、重く激しいキックとホワイトノイズのスネアのリズムを中心に、Bearteの呪文のようなVoや民族的歌うようなVoが被ってきて、そのバックには不明瞭な電子音が聴取できる曲で、次第に電子音は無くなって、リズムとVoだけになり、曲もフェイドアウトしていきます。 どちらかも抽象的な音楽なのですが、A面はロックの基本構成成分によって形成されているのに対して、B面のCHBBは、ほぼほぼ電子音と人声だけで形成されているところが違う点でしようか? 意外とどちらも面白かったです。それにしても、CHBBの音源が正規のルートで発表されたのは喜ばしいです。これを機に、4種類のカセット作品のリイシューとか未発表音源の蔵出しとかをやって欲しいですね。また、旧ユーゴスラビアの音源とかも珍しいので、また、規模を拡大して出して欲しいものです。このアイテムはある種コレクターズ・アイテムになるかもしれないので、買うなら今のうちですよ! A: Rex, Vejvoda, Milan “Untitled” https://youtu.be/8YkCSc5U9Ww?si=UmxGpdbYktgYmfGI CHBB “Go Go Go” [“NBKE”はYouTubeに無かったので代わりに] https://youtu.be/C4wC4LvA8T0?si=8N7prkrvZbLx6ca3 #RexIlusivii #MitarSubotićSuba #GoranVejvoda #MilanMladenović #Untitled #CHBB #ChrisloHaas #BeateBartel #NBKE #VersatileRecords #EastEurope #YugoslavianUnderground #1984年 #GermanUnderground #1981年 #VidalBenjaminPresentsUprooted #Experimental #PostPunk #JamSession #Electro #Synthesizers #KorgMS-20
Experimental / Post Punk Versatile Records 1144円Dr K2
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Andreas Dorau und Holger Hiller “Guten Morgen Hose”
来ました!師弟の共作です!そうです。ギターの先生Holger Hillerとその生徒Andreas Dorauの共作マキシ・シングル”Guten Morgen Hose (グーテン・モルゲン・ホーゼ; 「お早う、ズボン」の意)”です。この作品は訳が分からないのですが、バックの曲は、確かにDorauとHillerのコラボ曲なのです。しかしながら、この作品のコンセプトは、実に難解と言うか可笑しな程バカバカしいものみたいです。「クラウトロック大全」の小柳カヲル氏によると、「現代表現主義大全」なる権威のある書籍を適当に開いたところで、目に付いた記述を元に、2人が即興で演じた不条理音楽劇らしいのです。筋書きとしては、人妻Lucyを巡って、父親Johnny (Dorau)、絨毯、ズボン(Hiller)とが争うと言うことらしいのですが、全く持って意味が分からないです。因みに、脚本は、Catherine Lienertとなっています。それで、歌手をスカウトしに大学に行って、偶々、そこにいた守衛と女性清掃員が抜擢されたとか。と言う訳で、次のような役が振られています。 ◼️歌; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (ズボン合唱団; Catherine Lienert, Hagar Groeteke, Moritz Reichelt) Lucy (Erika Kochs) Die Hose (ズボン; Holger Hiller) Der Teppich (絨毯; Sol Rubio) ◼️喋り; Johnny (Andreas Dorau) Hosenchor (Jochen Liedisch) Lucy (Claudia Kaloff) Die Hose (Holger Hiller) と言うことを踏まえて、曲/音楽劇を紹介していきましよう。 ★A “Guten Morgen Hose”は、重厚なポリシンセで始まり、可愛らしい電子音や具体音のサンプリングに変わって行き、やがて男性Vo(Dorau)とバックの物音系音へ。そしてズボン合唱団を挟んで、はたまた男性Vo(Dorau)とバックの音へ。いつの間にか、女性Vo(Lucy)も出演して、シタール風のシンセやヴァイオリンの爪弾きをバックに男性Vo(Dorau)へ。そしてズボンVo(Hiller)も現れます。と言う風にコロコロと音とVoは変わっていきます。 ★B “Guten Morgen Hose”も、絨毯Vo(Rubio)が流れる中、バックの音はどんどん変わっていきますが、これはサンプラーによるのでしょう。ここら辺で男女のを挟んで、再びズボン合唱団のコーラスが。そしてまたもやサンプリング音と女性Vo(Lucy)をバックにズボンVo(Hiller)が。相変わらず、バックの音はシンセとサンプリング音で忙しないですが、男性Vo(Dorau)が絨毯を刺しで、自死します。最後にはズボン合唱団の独逸らしい歌が、バックのホーンのリズムに合わせて、ユニゾンで聴こえてきますが、雨音と爆発音とで終わります。 まあ、確かに音楽劇としたら、この2人ならこんな感じかなぁと納得はしますが、これを本当にレコードとして出すかぁ?と言われれば、ちょっと首を捻りますね。まあ、私は独逸語を聞き取れないので、この音楽劇の内容まではよく分かりませんが、音楽として聴くのであれば、かなりHiller色の強い音楽だとは思います。独逸語の分かる方は何を言っているのか?教えて下さい。でも音楽としても面白いので、特にHolger Hillerファンの方には受け入れられるのではないでしょうか!実は、蘭では、この音楽劇を映像化しているので、動画と一緒に聴いてみれば、何と無く言いたいことが分かるかも? https://youtu.be/auH4A9ZHzVw?si=r7ywa70KZ4eypIPl #AndreasDorau #HolgerHiller #GutenMorgenHose #ATATAK #12inchMaxi-Single #不条理劇 #音楽劇 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #CatherineLienert #HagarGroeteke #MoritzReichelt #ErikaKochs #SolRubio #JochenLiedisch #ClaudiaKaloff #DieHosen #DerTeppich #Hosenchor #Lucy #Johnny
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop ATA TAK 4800円Dr K2
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Die Tödliche Doris “Live SO36 Berlin 19.11.1982”
またまた、来ました!Die Tödliche Dorisの初期のライブ盤です。Die Tödliche Dorisのバイオグラフィーについては既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。元々は、バンドに無許可で録音したライブ音源をカセット作品として、(π+RQ-J6) Tape Productionが1982年に出していますが(要するにブートですね)、この作品に関しては、バンドが自身のレーベルから1986年にカセット作品として、正規でリリースしています。ライブは、西ベルリンの有名なクラブSO36で、1982年11月19日に行われたものであり、メンバー等の情報は何もありませんが、少なくとも、Wolfgang MüllerとNikolaus Utermöhlenは参加していると思われますが、残りの女性メンバーについては不明です(Käthe Kruseかな?)。と言う訳で、謎が多い音源ですが、まあ、正規のLPとして、独Vinyl On Demandが再発してくれていますので、彼等の貴重なライブ音源を聴いてみて、各曲についてご紹介していきます。あと、驚いたんですが、通常のアルバムとかに収められている曲をちゃんと曲として(つまり、全くのフリーな即興曲ではなく)演奏していると言う点が、即興的なノイズ・ミュージックではないのだなと感心してしまいました。 ★A1 “Stümmel” (3:30)では、無定形な塊状のノイズが放射されていますが、どうもGとかを使っているようで、やがてハウリング音やディレイを掛けたB、更にはDrsらしき音も入ってきます。 ★A2 “Der Tod Ist Ein Skandal (Kavaliere)” (6:35)は、A1に連続して、男性Voとそれらしきビート感を叩くDrsの演奏を中心に「曲」になっています。バックには、何かのノイズ(男性Voのテープ操作?)も鳴っており、段々エキサイトしていきます。最後にテープループも。そして拍手! ★A3 “Über-Mutti” (2:15)は、重いDrsとスライドGに素っ頓狂な男性Voの繰り返しで始まりますが、Voはやがて叫び声っぽくなります。そして拍手。 ★B1 “Rhythmus Im Blut” (6:12)は、筒を吹いているような持続音(テープ操作?)とビート感のあるDrsに、語るような男性Voから成る曲で、段々とバックの音は乱れ、ディレイも掛けられたり、Gノイズらしき音も聴取されます。最後は拍手もあり、盛り上がっています。 ★B2 “7 Tödliche Unfälle Im Haushalt” (4:23)は、男性の語りとキック音及び太いBから成る曲で、バックにシンセらしき音やモーター音(?)等が鳴らされています。最後はまた拍手で! エアーでのラジカセ録音なのか、音質はペラペラで全然低音が出ていない悪い音質ですが、Die Tödliche Dorisの生の音を聴くことが出来たのは、中々、貴重な体験でした。多分「観客を裏切るのがDorisで、それを期待して観に行ってしまう観客を更に裏切るのもDorisである」と言われていたことが、本作品を聴くと何と無く分かりますね。同じ曲(?)でも、そのパフォーマンスを含めた音が大きく変わって「演奏」されていたのでしょう。そう言う意味で、彼等は、単に即興演奏/ノイズ・グループでもカッチリ演奏するグループでもなく、演る度に、その「演奏仕方」を変えていた特異なグループだったのではないでしょうか?その事に気付けただけで、ここ一連のDie Tödliche Dorisの音源を聴いてきた意味があったと思います。本作品を真っ先に聴くことはお勧めしませんが、他のちゃんとした録音作品の後に聴けば、彼等の意図が分かると思いますよ❗️ https://youtu.be/AyLVrpvEpvk?si=S3z1yTcoOJ8rai_S #DieTödlicheDoris #LiveSO36Berlin19.11.1982 #VinylOnDemand #2004年 #Reissue #LimitedEditions #500部 #LP #(π+RQJ6)TapeProduction #1982年 #Unofficial #1986年 #OfficialRelease #Cassette #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Avant-Garde #Dadaism #Experimental #LiveRecording #WolfgangMüller #NikolausUtermöhlen #KätheKruse
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Avantgarde Vinyl On Demand ((π+RQ-J6) Tape Production) $53.00Dr K2
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V.A. “Die Große Unterganhsshow: Festival Genialer Dilletanten”
このボックスセットは、1981年9月4日に西独のTempodrom (テンポドローム)と呼ばれたベルリンの壁近くのテントで行われた歴史的イベントFestival Genialer Dillentatenの記録的アイテムであり、ここから、NDWの多くの、そして重要なバンドが輩出されていったと言う意味で、大変貴重なものです。先ず、その内容に驚かされます。LPアルバム2枚組と1枚のCD、それにDVD1枚で、加えてLPサイズの豪華ブックレットも付いています。その前に、1981年、ベルリンで行われたFestival Genialer Dilletanten(フェスティファル・ゲニアラー・ディレタンテン「天才的アマチュア展」)とは何であったかを紹介したいと思います。元々のこのイベントのタイトルDilettanten (ディレタンテン)のタイプミスをそのままフライヤー等に使っていた事から分かるように、意味性を剥奪するところから、このイベントのコンセプトは始まっています。そして、このイベントでは、新しい音楽、アート、映像、その他表現を一つの場に集まって、皆んなが共有し、刺激し合い、発展されていくDIYでの試みであると言える訳で、それが可能だったのが、1981年の西ベルリンであったのだと思います。このイベントを企画したのは、Die Tödliche DorisのWolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とEinstrützende NeubautenのBlixa Bargeld (ブリクサ・バルゲルト)で、その後、同様の25周年記念イベントが、今度は、オーストリアのViennaで、Wolfgang MüllerとFrieder Butzmann (フリーダー・ブッツマン)によって行われています。それで、話しを少し戻しますと、このフェスでは、パンクやポスト・パンクから派生してきたノイズやエクスペリメンタル・バンドやアーティストを初めて観ることも出来ましたし、それまでの不毛な音楽シーンからの脱却も出来ました。また、当時のリアリズムの支配から違う何かをしたいヴィジュアル・アーティストも多く、それには、東西に分断されていたそれぞれのベルリンのリアリズムからの脱却も含みます。その為に、コンセプチュアル・アートやパフォーマンス・アート等の地下芸術を広めたかったのです。当然、出演者は、色々な形態で参加・披露し、変容可能で、国境を越えたオープンな形で音楽とアートが行われています。因みに、翌年、Wolfgang Müllerは、出版社であるMerve(メルヴェ)社から”Genialer Dilletanten”と言う本を出版し、これが初めて、仏のポスト・モダニズムを独逸に紹介した書籍とされています。そこでもミススペルのまま、タイトルが使われていますが、彼によると、それは「プロ」とは対照的に、「天才的アマチュア」が自らの「間違い」を傍観するだけでなく、それを、実際に存在する現実と受け入れていることの証拠であるらしいです。このフェスで、Die Tödliche DorisやEinstrützende Neubautenなどのバンドがより多くの観客に知られるようになりました。 しかし、あまり知られていないのは、後の独テクノの重鎮たちの何人かがここで初めてステージに登場し、先述のMüllerの本にも寄稿していることです。1980年代、このフェスの後継として、既存のポップ・ミュージック・シーンに対抗したベルリンの音楽家達は、自らを”Geniale Dilletanten”と呼んでいたそうです。それから、このフェスでは、 ベルリン映画祭で長年”Panorama”の監督を務めたWieland Speck(ヴィーラント・スペック)が、場違いな程の正装で、いちいち司会・進行を務めているのも面白いですね。それで、出演者を列挙しておきます。Alex Kögler (アレックス・ケグラー)のバンドWir Und Das Menschliche E.V.(ヴィア・ウント・ダス・メンシュリッヒェ・E. V.), Frieder Butzmann, Sprung Aus Den Wolken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン), Mark Eins (マーク・アインズ)のバンドDin A Testbild, Dagmar Dimitroff (ダグマー・ディミトロフ)とWolfgang Müller及びNikolaus Utermöhlen (ニコラウス・ウーテンメーレン)から成るDie Tödliche Doris, Blixa BargeldとF.M. Einheit, Mark Chung及びN.U. Unruhから成るEinstrützende Neubauten, Kriegsschauplatz Tempodrom (クリークスシャウプラッツ・テンポドローム; そのメンバーにはWestBamがいました), Christine Fとその恋人Alexander von BorsigのデュオのSentimentale Jugend(ゼンチメンターレ・ユーゲント)や他にもGudrun Gut (グドルン・グート), Max Müller (マックス・ミューラー), Padeluun (パデルーン), Mark Reeder (マーク・レーダー), それにDr. Motteは、本名Matthias Roeingh[マチアス・レインフ]で、DPA (Deutsch-Polnische Aggression[ドイッチュ・ポルニッシェ・アグレション])と言うバンドで出演しています。そうして、千秋楽は、Klaus Mabel Aschenneller (クラウス・マーベル・アッシェンネラー)とBlixa BargeldがオーガナイズしたBILD + TON im TEMPODROMが務めています。それでは、本作品に収録されたバンドと各曲を紹介していきましょう(主にレコードについて紹介していますが、CDやDVDとは同じ内容ですので、後者2つについてのご紹介は省略させて頂きます。また司会のWieland Speckについてのコメントも省略させて頂き、単に(司会)と表記します)。 ◼️LP1 ★A1 司会 (2:19) ★A2 Kriegsschauplatz Tempodrom “Ich War Tot” (5:01)は、始め、スローなBのリフとリズムマシンのキックが流れていましたが、突然アップテンポして、Gや投げやりなVoも加わってきて、パンキッシュな演奏になります。メンバーは、Frank Xerox (G), Andreas Bleckmann (B), Markus Linde (Vo, RhythmBox), Markus Ernst (Sax) ★A3 Kriegsschauplatz Tempodrom “Wer O Sag Muss Auch B Sagen” (2:39)は、リズムマシンのチープな音に、直線的なBとG、それにフリーなSaxとVoで始まります。 ★A4 司会 (0:23) ★A5 Nekropolis (Die Unbekannten) “Kiss Me I Am Cold” (2:00)は、単調なリズムマシンとBのビートにSax?らしき音が乗るインスト曲です。メンバーは、Mark Reeder (G, B, RhythmBox), Alistair Grey (B, Vo) ★A6 Nekropolis (Die Unbekannten) “Poseidon” (5:12)も、リズムマシンとBの単調なビートに、掻きむしるようなフランジャーGと語るようなVoから成る曲です。 ★A7 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” (2:37)は、ディスコティックなリズムマシンと直線的なBと一定のリフを弾くGと怠く語るようなVoから成る曲です。 ★A8 Nekropolis (Die Unbekannten) “Alone” (4:47)は、全体的にダルな雰囲気で、のっそり歩く怪獣のようなリズムマシンのビートにBとGが乗っており、Voもダレている感があります。 ★B1 司会 (0:29) ★B2 Leben Und Arbeiten “Hundebesitzer” (3:07)は、ノリの良いBラインから始まり、DrsやGもテンポ良くノッてきます。Voと犬の鳴き声ようのコーラスもパンキッシュで良いです。メンバーは、Fromm (G), Rumme Beck (B), Matraze (Drs), Frisch (G, Vo) ★B3 Leben Und Arbeiten “Gefühl Nix Gut” (2:29)も、焦燥感溢れるポストパンク的演奏で、好感が持て、また程良く荒くて、カッコ良いです。Bラインはミニマルです。 ★B4 司会 (1:26) ★B5 Die Tödliche Doris “Die Schuldstruktur” (4:41)では、MüllerがVlnを弾きながら、引き攣るように叫んでおり、それに合わせるかのようにDrsやBが自由に演奏されています。メンバーは、Wolfgang Müller (Vo, Vln), Dagmar Dimitroff (Drs), Nikolaus Utermöhlen (B) ★B6 Die Tödliche Doris “Kavaliere” (1:04)は、ひたすら弾きまくるBを中心にMüllerの叫び声とDrsの断片が聴こえてきたら、終わってしまいます。 ★B7 Die Tödliche Doris “Der Tod Ist Ein Skandal” (3:19)は、最初、男性2人のコーラスから始まり、その後、DrsとBがビート?と取り始め、Müllerはひたすら叫んでいます。スライド奏法のGらしき音も聞こえますね。 ★B8 Die Tödliche Doris “Stümmel Mir Die Sprache” (1:26)は、グダグダのDrsとBに、Müllerの瀕死のVoとBと絡むVlnも聴取できます。 ★B9 司会 (1:13) ★B10 Gut Und Bargeld “Marokkoblut” (1:56)は、マーチングDrsで始まり、フィードバック奏法を駆使したGとBlixaの咆哮から成る小曲です。メンバーは、Gudrun Gut (Drs), Blixa Bargeld (G, Vo) ★B11 Gut Und Bargeld “Blutarmut” (0:53)は、初期のBlixaにみられた叫び声から成る小曲で、知らない間に終わっています。 ★B12 Gut Und Bargeld “Blutjung” (2:32)は、Blixaの叫び声から、割とノリの良いDrsとGも入り、シャーマンのようにBlixaは歌詞を反復して叫んでいます。 ◼️LP2 ★C1 司会 (0:25) ★C2 Drei Mädels Und Das Meer “Nimm Mich Mit Kapitän” (1:46)では、3拍子のアコーディオンに乗せて、可愛らしいコーラスが聴くことができます。大受けですね。メンバーは、Beatrice (Vo), Ulla (Vo), Gudrun Gut (Accordion) ★C3 司会 (0:39) ★C4 Sprung Aus Den Wolken “Leidenschaftlich” (2:38)は、ディレイの効いたVoiceと金属音に何か低音ノイズから成る曲で、時にシンバルなんかも聴こえてきます。メンバーはKiddy Citny (Tape Recorder, Echo, G)で、彼のソロユニットです。 ★C5 Sprung Aus Den Wolken “Lust Last Liebe” (2:45)では、オルガンらしき音にディレイ処理された怒号のようなVoと微かにバックにDrsのビートも聴こえます。 ★C6 Sprung Aus Den Wolken “Bis Zur Erschöpfung Gegen Den Strom / Stampfen Tanzen Laufen” (4:26)でも、Gを弾いているような音とリズムマシンらしき音をバックに、Citnyがひたすら叫んでいます。ハウリングも回っており、1人で阿鼻叫喚な場を作り上げています。打撃音やSaxの音なんかも聴取できます。 ★C7 司会 (0:46) ★C8 Sentimentale Jugend “Intro” (1:12)は、ハウリング音から始まり、シンセ音が一部入ったかな?と思っていたら、次の曲が始まっています。メンバーは、Alexander von Borsig (Tapes, Synth, Vo), Christine X (Echo, G, Vo)。 ★C9 Sentimentale Jugend “Ghetto” (2:14)では、シンセのパルス音をリズムに、ハウリング音とエフェクト処理されたVo等がアマルガムのように鳴っています。 ★C10 Sentimentale Jugend “Der 10.5.” (3:12)は、リズムマシン音をバックにぐちゃぐちゃに変調させられたVoやGの音が渦巻いています。最後のリズムマシン音はカッコ良かった! ★C11 Sentimentale Jugend “Hiroshima” (2:22)は、3拍子のワルツのリズムマシンとオルガンに合わせて、Borsigが歌い、ChristineのGがエフェクトをかけまくって変調しまくっています。 ★C12 Sentimentale Jugend “Weglaufen” (1:35)は、エグゾースト・ノイズです。時々、メタルジャンクの音も聴こえてきますが、多分、テープ操作ですね。 ★D1 司会 (0:22) ★D2 Einstürzende Neubauten “Kollaps” (9:37)は、Unruhの重いリズムで始まり、やがて、ChungのBとBlixaのGと叫ぶようなVoと重なっていき、Einheitのメタパーやカシオも被ってきて、危険極まり無い雰囲気になっていきます。ディレイをかけ過ぎているせいか、もう音はグチャグチャになっていますが、逆にそれがカッコ良いですね。メンバーは、Blixa Bargeld (G, Vo), Endrew Unruh (Metal), F.M. Einheit (Metal, Casio), Mark Chung (B) ★D3 司会 (1:07) ★D4 Din A Testbild “Satisfactory” (6:54)は、リズムマシンのノリに合わせて、シーケンスと呟くようなVoとちょっとしSE風のシンセも乗ってきますが、割としっくりした感じの曲です。メンバーは、Mark Eins (Synth)で、彼のソロユニットです。 ★D5 Sentimentale Jugend “Pour Mon Bibi” (3:41)は、音質の良いシンセウェーブなインスト曲で 今までのメチャクチャさを落ち着かせようと彼等が考えてくれたフィナーレですね。メンバー I’mは、Alexander von Borsig & Christine X ◼️CD 1 Wieland Speck 司会(2:13) 2 Kriegsschauplatz Tempodrom “Wer O Sagt Muss Auch B Sagen” (2:15) 3 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:18) 4 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” (2:19) 5 Wieland Speck 司会 (0:31) 6 Wir Und Das Menschliche E.V. “Baum Der Versuchung / Schatten Der Freude” (6:33) 7 Wieland Speck 司会 (0:29) 8 Leben Und Arbeiten “Hundebesitzer” (3:07) 9 Leben Und Arbeiten “Gefühl Nix Gut” (2:29) 10 Wieland Speck 司会 (1:45) 11 Die Tödliche Doris “Schuldstruktur” (3:32) 12 Die Tödliche Doris “Kavaliere” (0:51) 13 Die Tödliche Doris “Der Tod Ist Ein Skandal” (3:08) 14 Wieland Speck 司会 (1:05) 15 Gut Und Bargeld “Marokkoblut” (1:45) 16 Gut Und Bargeld “Blutarmut” (0:52 17 Gut Und Bargeld “Blutjung” (2:25) 18 Wieland Speck 司会 (0:25) 19 Vroammm! “Punks & Bullen United” (2:25) 20 Wieland Speck 司会 (0:14) 21 Drei Mädels Und Das Meer “Nimm Mich Mit Kapitän” (3:35) 22 Wieland Speck 司会 (0:22) 23 Sprung Aus Den Wolken “Leidenschaftlic” (1:32) 24 Sprung Aus Den Wolken “Lust Last Liebe” (1:06) 25 Wieland Speck 司会 (0:17) 26 Sentimentale Jugend “Ghetto” (1:47) 27 Sentimentale Jugend “Der 10.5.” (2:35) 28 Sentimentale Jugend “Hiroshima” (1:18) 29 Wieland Speck 司会 (0:15) 30 Einstürzende Neubauten “Kollaps” (6:38) 31 Wieland Speck 司会 (0:27) 32 Din A Testbild “Satisfactory” (6:54) 33 Sentimentale Jugend “Pour Mon Bibi” (3:41) ◼️DVD 1 Wieland Speck “Moderation (司会)” (2:13) 2 Kriegsschauplatz Tempodrom “Wer O Sagt Muss Auch B Sagen” (2:15) 3 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:18) 4 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” (2:19) 5 Wieland Speck “Moderation (司会)“ (0:31) 6 Wir Und Das Menschliche E.V. “Baum Der Versuchung / Schatten Der Freude” (6:33) 7 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:29) 8 Leben Und Arbeiten “Hundebesitzer” (3:07) 9 Leben Und Arbeiten “Gefühl Nix Gut” (2:29) 10 Wieland Speck “Moderation (司会)” (1:45) 11 Die Tödliche Doris “Schuldstruktur” (3:32) 12 Die Tödliche Doris “Kavaliere” (0:51) 13 Die Tödliche Doris “Der Tod Ist Ein Skandal” (3:08) 14 Wieland Speck “Moderation (司会)” (1:05) 15 Gut Und Bargeld “Marokkoblut” (1:45) 16 Gut Und Bargeld “Blutarmut” (0:52) 17 Gut Und Bargeld “Blutjung” (2:25) 18 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:25) 19 Vroammm! “Punks & Bullen United” (2:25) 20 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:14) 21 Drei Mädels Und Das Meer “Nimm Mich Mit Kapitän” (3:35) 22 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:22) 23 Sprung Aus Den Wolken “Leidenschaftlich” (1:32) 24 Sprung Aus Den Wolken “Lust Last Liebe” (1:06) 25 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:17) 26 Sentimentale Jugend “Ghetto” (1:47) 27 Sentimentale Jugend “Der 10.5.” (2:35) 28 Sentimentale Jugend “Hiroshima” (1:18) 29 Wieland Speck “Moderation (司会)” (0:15) 30 Einstürzende Neubauten “Kollaps” (6:38) 31 Sentimentale Jugend “Pour Mon Bibi” (3:41) と言う訳で、音も映像と当時の様子を楽しめますが、何と言っても、出演者や観客を含めて、とにかく、何かを作り出そう!それを目撃しよう!と言う熱意が凄いですね。知っているバンドの知っている曲ですら、特別バージョンのように全く違うように聴こえたりするので、充分に楽しめました。ライブ録音なので音がペラペラでは?と心配していましたが、そんなことを吹き飛ばす程の熱量でした!ここから、ベルリンのNDWは始まったようなものなので、やはり押さえておいた方が良い記録作品だと思います。日本でも、こう言う質の高い記録作品があれば良かったかな?とちょっと羨ましいです。 *全音源はYouTubeに上がっていなかったので、拾えるだけ拾って、貼ってあります。 [trailer] https://youtu.be/-MSN2P5VIs4?si=C_yriqv_TgKMkpKA DVD 4 Nekropolis (Die Unbekannten) “Casualties” https://youtu.be/rcXAJQQma1c?si=wpp5xM8d0DpwE8Jt DVD 7-9 Leben Und Arbeiten https://youtu.be/JdEEdzOGnO0?si=M8apM-qtYLWJs3Ur DVD 10-13 Die Tödliche Doris https://youtu.be/9mktoRLcv84?si=f0c_xBWXhAFJQCPS CD15-17 Gut Und Bargeld https://youtu.be/bNLe11Tto8A?si=Ehsits-gPojLBqq5 DVD 23-24 Sprung Aus Den Wolken https://youtu.be/YBuUyQgVV-w?si=zwoUSRIusLoBtEEE DVD 25-28 Sentimentale Jugend https://youtu.be/2Exp63Lo4QQ?si=p8GsWMa5mszw0jK9 DVD 30 Einstürzende Neubauten “Kollaps” https://youtu.be/Hkrv0Q11tWM?si=LvByEHqjCDo_skvz #VariousArtists #DieGroßeUnterganhsshow #FestivalGenialerDilletenten #Berlin #Tempodrom #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Event #Avant-Garde #Experimental #PopMusic #Multimedia #ConceptualArt #PerformingArt #VisualArtists #KriegsschauplatzTempodrom #Nekropolis #DieUnbekannten #WirUndDasMenschlicheE.V. #LebenUndArbeiten #DieTödlicheDoris #GutUndBargeld #Vroammm! #DreiMädelsUndDasMeer #SprungAusDenWolken #SentimentaleJugend #EinstürzendeNeubauten #DinATestbild
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Vinyl on Demand 12800円Dr K2
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Mittagspause “s/t”
やっと手に入れました。独逸で2番目に早かったパンクバンドMittagspause (ミッタークスパウゼ)のファースト・アルバムです!元々のフォーマットは、7㌅2枚組でしたが、私が購入した再発盤では、12㌅LP盤になっており、かつリマスタリング/ミックスし直しもされています。また、ジャケも変わっています。 それで、先ず最初に、Mittagspauseのバイオグラフィーについて書いてみます。元々、1977年にDüsseldorfで結成されていた前身バンドCharley’s Girlに在籍していたPeter Hein (Vo; ピーター・ハイン), Franz Bielmeier (G; フランツ・ビールマイアー), Markus Oehlen (Drs; マルクス・オェーレン)から、1978年7月にMittagspauseは結成されており、その時点で、セカンド・ヴォーカルとして、後にDAFのVoとなるGabi Delgado-Lopez(ガビ・デルガド-ロペス)も加入しています。それで、Mittagspauseは、1978 年 8 月 12 日に開催された ベルリンの有名なクラブSO36のオープニング・フェスに初めてライブ演奏を披露しています。 1978年12月26日、Düsseldorf でのクリスマス・コンサートの後、Gabiがバンドを脱退したので、このオリジナル・ラインナップでの唯一のライブ音源は同名のコンピレーション・アルバムで聴くことが出来ます。それで、1979 年初頭に、Thomas Schwebel (G; トーマス・シュヴェーベル )がバンドに加入しています。バンドはベースレスで、独自のサウンドを作り出します。Bielmeierがリズムやコードを担当し、Schwebelが高音のメロディを担当する形になり、他のバンドよりやや遅いビートをOehlenがキープするようになります。1979年夏に、彼等はデビュー・シングル2枚組をリリースしており、これが、今回紹介するアルバムのオリジナルに相当します。この作品に収録されている2曲”Militürk” と”Ernstfall”は、その後も Fehlfarbenでも演奏されています。1979年末にリリースされたシングル”Herrenreiter”/“Paff”のB面”Paff”は、独の有名な女優/歌手Marlene Dietrich (マレーネ・デートリッヒ)の古いシャンソンのカバー曲です。Mittagspauseの最後のライブは、Bielmeierが企画した大晦日Rondoレーベルのコンサートで、1979年12月31日にNeussのクラブOkie Dokieで、1980年には、バンドは解散しています。ちゃんとしたLPを企画していましたが、その時はリリースされず、後に、この為のデモ音源が、1992年にWhat’s So Funny AboutからCDでリリースされた”Herrenreiter"に収録されています。解散前から、HeinとSchwebelは、サイドプロジェクトとしてFehlfarben (フェルファーベン)を始めており、解散後は、このプロジェクトをメインにやっていき、NDW以降も影響力の強いバンドになります。Bielmeierは、自身のレーベルRondoの運営に集中するようになり、また、Oehlenは、ビジュアル・アーティストとして活躍し、時々、Red KrayolaやFlying Klassenfeind等の色々なバンドにサポートとして参加したりしています。しかしながら、MittagspauseのアルバムLP”Punk Makes A Big Ass”は、グループ解散後の1981年にリリースされています。 以上が、Mittagspauseの略歴となります。それで、本作品(LP再発盤)の時のメンバーは、Peter Hein (Vo), Franz Bielmeier (G), Thomas Schwebel (G), Markus Oehlen (Drs)で、プロデュースはBernd SchmidtとMittagspauseによる共同作業で、再発に当たってのミックスし直しは、Peter HeinとPyrolatorで行なっています。内容的には、A面6曲/B面5曲が収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Testbild” (2:41)では、シグナル音のようなGノイズとリズムを刻むDrs&Gがじわじわと盛り上がって、最後にVoが入ってきますが、Voがちょっと歌った後、”Testbild!”と叫んで終わります。 ★A2 “3x Nordpol” (0:31)は、ドカドカしたリズムを中心としたバンキッシュな小曲ですが、針飛びしているかと思ったら、テープ操作みたいです(びっくりしました!)。 ★A3 “Intelnet” (2:37)は、大歓声のテープ音で始まる小気味良いビートの曲で、ひたすら呪文のように反復するVoも面白い。途中で如何にもUSっぽいロッケンローなフレーズも出てきますが、何処か小馬鹿にしていそうです。 ★A4 “X-9200” (0:57)は、コーラスワークの冴えている、如何にも独逸っぽいパンクソング(Oiっぽい?)で、あっと言う間に終わります。 ★A5 “Militürk” (3:55)は、セミアコとG、それとミドルテンポのDrsから成る曲で、哀愁一杯なメロディが泣かせます。と思ったら、これはDAFの”Kebab-Träume”じゃないですか!その後の反復するコーラスワークも独逸っぽいですね。 ★A6 “InnenStadtFront” (1:08)は、バタバタした演奏から成るロッケンローな小曲で、早口Voも思い切りが良い。 ★B1 “Deutschland” (1:58)は、ジャカジャカしたGで始まり、硬い感じのリズムを演奏するGとDrsに、投げやりなVoから成る曲ですが、サビのコーラスが何ともイカしてます。 ★B2 “Derendorf” (1:25)は、Bのような低音Gで始まり、テンポがコロコロ変わる小曲で、かなり変なアレンジです。 ★B3 “Überblick” (1:06)も、2本のGの絡みが面白いバンキッシュな曲で、1本のGがB代わりに刻んでいるビートも、投げやりなVoもグーです。 ★B4 “In Der Tat” (1:50)も、バタバタしたDrsにGが絡む曲ですが、叫び声のようなVoがパンクっぽいです。途中にフリーキーなGが挿入されるのも秀逸です。この曲だけ録音が違っているようです。 ★B5 “Ernstfall” (3:51)は、段々と速くなるフレーズの後に、やや疾走感のあるDrsとGに合わせて、吐き捨てるようなVoが絡んでくる、中々緊張感のある曲ですが、途中のコーラスがヘナヘナで、かつ演奏も止まってしまいますが、直ぐに復活して、あっという間に終わります。 正直言って、「これがパンクか?」と言われれば、パンクよりも寧ろポストパンクではないかと思ってしまいます。ベースレスなのも一因かも知れませんが、とにかく、一筋縄では行かない曲が目白押しで、単に曲が短きて下手位しか、パンクロックの要素は見出せないです。しかしながら、視点を変えれば、これこそが「独逸のパンク」なのかもしれませんが、個人的には、S.Y.P.H.が一番近いようにも思えます。少なくとも、こう言うサウンドをUKやUSではパンクとは言わないでしょう。一番近いのは、NYCのNo Wave一派かもしれません。既存のルールから外れていくと言う意味で、正にパンクなんでしょう。まぁ、とにかく聴いてみて、判断してみて下さい❗️ [オリジナル・ミックス] https://youtu.be/uqcfVg0f6j0?si=t-FFP-qRimsmWIgg #Mittagspause #SelfTitled #PureFreude #FirstAlbum #Reissue #Remastering #Remix #SecondGermanPunkBand #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PunkRock #Punk #GermanPunk #BasslessBand #NoWave #PeterHein #FranzBielmeier #ThomasSchwebel #MarkusOehlen #Co-produce #BerndSchmidt
Punk / German Punk Pure Freude $33.00Dr K2
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Die Tödliche Doris “…”
漸く、たどり着きました。独逸が誇るアヴァンギャルド・グループ、Die Tödliche Doris (ディー・テードリッヒェ・ドーリス)のファースト・アルバムです。特にタイトルとかは付いておらず、”….”なんて表記されていたりします。それで、Die Tödliche Dorisの命名については皆さんも知っているとは思いますが、英語に直訳すると”The lethal Doris”で、lethal dose(致死量)とDoris(女の子の名前)を引っ掛けた造語のグループ名で、そこら辺にも彼等が只者では無いのが分かると思います。そして、その結成には、1981年に西ベルリンで行われたイベントGeniale Dilletanten運動(ゲニアーレ・ディレタンテン; タイプミスをそのまま使っていますが、意味としては「天才的アマチュア」)が大きく関わってきます。このフェスでは、音楽、絵画、映像等を問わず、何か面白くて、新しいことをやろうとするのが、コンセプトだったようで、音楽方面からは、Die Tödliche Dorisの他に、Frieder Butzmann, Einstürzende Neubautenなんかのメンバーが集まっています。また、Die Tödliche Dorisのリーダーであり、作家兼音楽家でもあるWolfgang Müllerが出版社メルヴェ社に”Geniale Dilletanten”という本を書いており、これは、仏のポストモダン哲学者を独で最初に出版したこととして知られています。Die Tödliche Dorisは、ポップミュージック・グループに通常不可欠である一貫したアイデンティティを構築するのではなく、「慣習」や「固定観念」の概念に挑戦しています。 その代わりに、彼らはそれぞれの楽曲やプロダクションにおいて、「スタイル」とか「イメージ」に従わないようにしています。 ボードリヤール、フーコー、ガタリ、リオタールのポスト構造主義に触発されたDie Tödliche Dorisは、音によって作られた彫刻を解体したいと考えており、この音楽的、娯楽的、或いは非音楽的な目に見えない彫刻は、Die Tödliche Dorisそのものの身体となるはずだと言うことです。とまぁ、その頃のDie Tödliche Dorisは、ポストモダンのコンセプトで理論武装した頭脳派演奏下手バンドだった訳です。 それで、Die Tödliche Dorisの最初の12インチのアルバムにはタイトルがありませんが、通称”7 tödliche Unfälle im Haushalt (「家庭内の 7 つの死亡事故」の意味)” と呼ばれており、それは前回ご紹介しました。 その後、彼らは、1982年に”….”(通称”Die Tödliche Doris”と呼ばれています)をリリースしています。このアルバムには 13曲が収録されていますが、共通点は無いように思えます。つまり、「面白い」曲、「シリアス」な曲、その次が「平凡」な曲、「残酷な」曲、「ソフト」な曲、 どれも一緒に収録されるようには思えず、すべてのスタイルやテーマが互いに厳密に分離されて、バラバラになっている訳です。 なので、Die Tödliche Dorisは人間と同じように、多くの異なる矛盾した特性で構成されており、それらは 1 つの身体の中に存在しますが、同時に存在する訳ではないと言うことを表していると言えましょう。それで、彼等は、このコンセプトを更にレコードで再現することはできないとの考えに至り、「レコード」と言うメディア自体も解体することにしました。それが、あの有名な1983年作の”Chöre & Soli”で、要するに、音質の悪い小さなソノシート8枚とそれ専用のバッテリー付き再生機及びブックレットをボックスに入れたと言う作品です。この作品は、世界中のコレクターズ・アイテムとなっています。 と言うように、かなりコンセプチュアルな作品を作り続けているDie Tödliche Dorisですが、今回は、先述の”….” (通称”Die Tödliche Doris”)をご紹介します。何せ常に観客を裏切るのが、Die Tödliche Dorisであり、それを期待している観客を更に裏切ってくるとまで言われた頭脳集団の音ですから。先ずは、タイトル”….”のファースト・アルバムから聴いてみます。因みに、参加メンバーは、Wolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とNikolaus Utermöhlen (ニコラウス・ウーターメーレン)及び(多分)Käthe Kruse(ケェーテ・クルーゼ)の3人ですね。内容的には、A面7曲/B面6曲が収録されています。それでは、各曲の紹介をしていきましょう。 ★A1 “Stümmel Mir Die Sprache” (3:37)では、単調なDrsに、男性の叫び声と女性のうめき声の阿鼻叫喚と歪んだBらしき音から成り、一部でコードを弾くオルガンやフリーキーなGも聴取されます。 ★A2 “Posaunen Der Liebe” (1:40)では、壊れたラジオのようなノイズが段々と分厚くなってきます。大声援のテープ音も最後に放たれます。 ★A3 “Der Tod Ist Ein Skandal” (4:29)では、何とも頼りな気ないDrsと存在感あり過ぎなBに、弱々しい男性Voが呪文のように流れ出してきます。 ★A4 “Panzerabwehrfaust” (0:13)は、叫び声とDrsから成る一瞬の曲で、直ぐに過ぎ去ります。 ★A5 “Wie Still Es Im Wald Ist” (2:21)は、チェロとおもちゃ楽器(?)をバックに、引き攣るような語り男性Voから成る曲で、不安感が部屋中に充満します。 ★A6 “Sie Werden Nicht Beobachtet” (1:50)は、ドカドカしたDrsに合わせた男性の叫び声と、そのバックでGが鳴っている曲で、その構造自体がヘンテコ。 ★A7 “Haare Im Mund” (3:35)は、単調なスネアの打撃音に、男性の叫び声Voと女性の叫び声の合いの手が乗る曲で、多層化されたクラリネットが挿入されたり、一瞬の大音量ノイズやBのループ音も加わります。 ★B1 “M. Röck: Rhythmus Im Blut” (2:27)は、言葉遊びのようなリズミックな合いの手に、スライド奏法のGとB及び男性Voが乗る曲で、その内、バックに伸びやかな男性コーラスが挿入されてきます。 ★B2 “Kavaliere” (3:42)では、多層化したリズムを刻むDrsに、フリーなクラリネットとGノイズ及び多重録音された男女Voが被ってきて、せめぎ合います。 ★B3 “Fliegt Schnell Laut Summend” (2:48)は、反復するアコーディオンの上に、語るような女性Voが乗る曲で、それぞれの音や声は多層化して再生されます。 ★B4 “Robert” (3:09)は、ホワイトノイズのリズムの上にナレーションが乗っていたと思ったら、いきなり、リムショットにフリーキーなBやG、或いはそれらの逆回転再生音が押し寄せますが、ナレーションは続いています。 ★B5 “Über-Mutti” (2:21)では、単調なDrsにBとGの不協和音と段々エキサイトしてくる女性Voが乗る曲で、まるで出来損ないのMarsのようです。それが数回繰り返されます。 ★B6 “In Der Pause” (4:25)は、リズムマシンとSynth-Bから成る曲で、ラジオ調のナレーションが重なってきます。しかし、リズムレスになってきて、音数は減少していき、そのまま終わります。 いやー、凄かった!と言うのが、このアルバムを聴いた時の第一印象です。とにかく、男女問わずにVoはただただ叫んでいるだけで、「歌う」ことはしてないです。Drsとかも多分、Kruseだと思いますが、とても叩いていると言える程のテクはないと思われます。メインVo(男性)のMüllerもただ喚いているだけのように聴こえますが、独逸語が分かれば、もっと楽しめるのでしょう。彼の歌の調子っ外れ振りが魅力的ですね。しかし、それらの外れた音をUtermöhlenがしっかり補完している感じで、ちゃんと「曲」として成り立たせ、ギリギリのところで一線を保っているのも凄いです。そう言う意味で、Die Tödliche Dorisは「天才的アマチュア」なのかもしれませんね。必聴の一枚です! https://youtu.be/iVMGLohJV1Q?si=efxh7yz5ZsMdO9q0 #DieTödlicheDoris #… #ZickZack #FirstAlbum #7TödlicheUnfälleImHaushalt #1982年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Berlin #Avant-Garde #Dadaism #Fluxus #Noise #GenialeDilletantenFestival #WolfgangMüller #NikolausUtermöhlen #KätheKruse
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Avantgarde Zick Zack 不明Dr K2
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Die Tödliche Doris “Ohne Titel”
独の最大の「不思議」である致死量ドリスことDie Tödliche Dorisを紹介します。前回も書きましたが、正直言って、私は割とこう言う感じの音楽は避けてきました。あのWaveが出した2枚組は持っていますが、当時は、何故かピーンとはきませんでした。Die Tödliche Dorisのバイオグラフィーについては、前回もちょっと書きましたが、少しだけ復習を。グループは、1980年の西ベルリンの壁に設置されたTempodromで開催されていた、新しい表現を組合せたり、試みたりするイベントGeniale Dilletanten 運動 (ゲニアーレ・ディレタンテン[天才的好事家]; 本来の綴りはGeniale Dilettantenですが、意図的にスペルミスを入れて、そのままイベント名にしています)に参加していたWolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とNikolaus Utermöhle (ニコラウス・ウーターメーレ)が中心となって、後に、Käthe Kruse (ケーテ・クルーゼ)、Dagmar Dimitroff (ダグマー・ディミトロフ)やTabea Blumenschein (タベヤ・ブルーメンシァイン)も加わり、Die Tödliche Dorisが結成されています。この時期には、コアメンバーの男性2人にDagmar Dimitroffの3人で活動していたようです。そのイベントには、他に、Einstrützende Neubauten, Frieder Butzmann (フリーダー・プッツマン)や Sprung Aus Den Worken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン)なんかも参加しています。また、このイベントについてはドキュメント作品がありますので、そこで詳細を紹介することにします。 今回、取り上げたのは、Die Tödliche Dorisの1981年作の12㌅EP”Ohne Titel (オーネ・ティテール)”で、Die Tödliche Dorisにとっては初のヴァイナルです。これは、どう見ても”7 Tödliche Unfälle Im Haushalt(実際、A-1に収められている)”がタイトルになりそうなんですが、グループ側は、この作品のタイトルは”Ohne Titel (無題)”であると主張していますので、それに従うことにします。また、ジャケが素っ気ない感じなんですが、そこがまた彼等らしくもあり、好感が持てますね。内容的には、A面4曲/B面2曲が収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “7 Tödliche Unfälle Im Haushalt” (3:45)は、不安な響きのDrsとクラリネットに、男性Voが語り口調で乗る曲で、バックには怪し気なドローン音も聴取できます。多分、「家庭内における7つの死亡事故」について語っているものと思われます。 ★A2 “Tanz Im” (3:38)では、リズムマシンのビートに、男性の叫び声と何らかの空気音も聴こえ、途中からアコーディオンや囁き声も入ってきたりします。こう言う曲には「パンク」を感じますね。 ★A3 “Avon-Gard” (1:10)は、リズムマシンとDrsと木琴とアコーディオンに、男女語りVoが絡み合う、何とも忙しない小曲ですが、Voはダルダルになります。 ★A4 “Stop Der Information” (1:53)は、バシバシしたDrsにフリーキーなGと切羽詰まった男性Voから成る曲で、途中、短波ラジオノイズも聴取され、その成分は増えていきます。 ★B1 “Der Krieg Der Basen” (4:58)では、歪んだGカッティングと何かのノイズに、切羽詰まったように男性煽るVoが乗るのですが、時に別の女性?Voも挿入されてきて、それが更に不安を煽ります。そして最後には物音系な音も。 ★B2 “Der Astronaut Und Der Kosmos” (4:13)では、6/8拍子のリズムマシンと生Drsの単調なリズムに、リズムを刻むオルガン?と深いリバーブを掛けた語り口Voとコーラスが挿入されます。途中で音が変わって、クラリネットのフリーな演奏が不穏に鳴り渡り、再び男女のコーラスも復活します。 やはり、Die Tödliche Dorisは、LP位の長さでガッツリ聴いた方が良いですね。それにしても、彼等のぶっ飛び方は凄いです。それは、まるで「アート・パンク」のようです。何者にも縛られない発想と実践を、この最初の時点で既にやっていることに驚かされますね。12インチ45回転なので、音質も良好で、そこら辺も拘ったのか知りたいところです。それにしても、Die Tödliche Dorisの初期の魅力の詰まった、このミニ・アルバムは基本の基なので、是非とも聴いて欲しいです!「表現とは何か?」の発想の芽が感じられると思いますよ。 https://youtu.be/Prl3MzmqPS8?si=7GNPmuE6DyStYxiv #DieTödlicheDoris #OhneTitel #ZickZackPlatten #12inchEP #LimitedEditions #2000部 #FirstVinyl #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Avant-Grade #Experimental #FreeMusic #7TödlicheUnfälleImHaushalt #WolfgangMüller #NikolausUtermöhlen #KätheKruse #ChrisDreier #DagmarDimitroff #TabeaBlumenschein
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Avantgarde Zick Zack 8949円Dr K2
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V.A. “Sammlung - Elektronische Kassettenmusik, Düsseldorf 1982 - 1989”
1980年代は、カセット・カルチャーが爆発した年代であると思います。それは、単価が安いこと、世界中どこでも再生可能なフォーマットであること、それに送料などもそれ程高くないこと等の要因に加えて、当時、安価な録音機器やシンセ等の電子楽器が庶民の手に届くようになったことも、カセット・カルチャーを底上げしていたと思います。なので、多重録音も可能になり、宅録アーティストが多く出現したのだと思います。今回は、そんな時代(1982-1989年)に、独、特にDüsseldorfに活動の中心を置いていた宅録電子音楽アーティストのカセット作品からセレクトした曲を集めたコンピレーション・アルバム”Sammlung (ザムルング)- Elektronische Kassettenmusik, Düsseldorf 1982 - 1989”を紹介したいと思います。いわゆる、匿名性でのコンピでもある、この偉業を成し遂げたのは、いつもお世話になっている独レーベルBureau Bです。感謝! そのような時代背景を思い浮かべて聴いてもらえると幸いです。また、NDWに詳しい方は、Düsseldorfが1980年代初頭、様々なバンドを排出した都市としても重要であることが容易に予想出来ると思います。内容的には、A面6曲/B面7曲となっていますが、良く分からないグループ名が多いです。しかしながら、そう言う未知の音を聴くと言う楽しみを存分に味わいましょう。それでは、各グループと各曲の紹介をしていきたいと思います。 ★A1 Konrad Kraft(コンラッド・クラフト) “F” (5:08)は、クリック音から、複雑な民族音楽調のドラムマシンとピコるシーケンスの打ち込みから成る曲で、明確なメロディはハッキリしませんが、リズム重視なので、そこら辺が面白いですね。 ◉Konrad KraftはDetlef Funder(デトレフ・フンダー)のソロユニットで、この曲は1985年作ですが、1987年以来、SDV TonträgerやAuf Abwegenから最近までリリースを続けています。以前にも彼のアルバムを紹介しています。 ★A2 Deux Baleines Blanches (デュー・バライネス・ブランチェス)“Draht 8” (2:30)は、バンブードラムのようなドラムマシンとギターループから成るミニマルな曲で、音の質感がそれ程、電子的では無く、そのギャップがまた面白いです。 ◉DBBはStefan Schneider (G-Loop; シュテファン・シュナイダー)とHeinz-Adolf Tack (Synth; ハインツ・アドルフ・タック)のデュオで、本曲は1986年11月に録音されています。 ★A3 Ettlinger(エッティンガー) “bzw” (2:10)は、ホントにカシオトーンのリズムと簡単なシーケンスに、カシオトーンによるメロディが乗っかった曲で、プリミティブかつプリティーな曲になっています。 ◉Ettingerは、Stefan Ettingerのソロ名義で、Casio VL-Toneを使って、Fostex録音機器Model 250で多重録音した曲で、1982年作です。 ★A4 Mentocome(メントコメ) “b6” (4:28)では、民族打楽器らしきドラムマシンが、スカスカにプログラムされていますが、後半は硬質なリズムと微かなメロディに突然変化して、浮遊感から土俗性すら感じます。 ◉Mentocomeは、Axel Grube(アクセル・グルーべ)とRainer Robowski (ライナー・ロボヴスキー)のデュオで、本曲は1986年作です。 ★A5 Frigorex (フリゴレックス) “The Beginning” (2:51)では、ポップ調のドラムマシンとシーケンスなのですが、バックにはシンセの持続音が流れており、ピコった音も聴取でき、中々ファニーな曲になっています。 ◉Frigorexは、Dino Oon(ディノ・オーン)とKonrad Kraftのデュオで、本曲は1982年作です。 ★A6 Dino Oon “Nr. 6” (3:52)は、不協和音的で唸るオルガンのドローンから成る異色な曲で、時々、シンセやドラムマシンの短いシグナル音が入ってきます。 ◉A5のDino Oonのソロで、1989年作です。 ★B1 Pfad Der Tugend (ファド・デル・ツゲント) “Einklang” (2:26)は、バンド演奏で、テンポチェンジも含めて、始終、バックの演奏が主導権を握っており、その上をシンセが飛び回ります。 ◉PDTは、Martin Kobele (B; マルティン・コベレ), Jochem Simons (G; ヨヘム・ジモンズ), Heinz-Adolf Tack (Synth), Stefan Krausen (Drs;シュテファン・クラウゼン)から成るバンドで、1987年2月録音です。 ★B2 Kurzschluss (クルツシュルス)“L'Inconnu” (1:58)は、ポリシンセとシンセBから成るミニマルな展開の曲で、単音シンセがその上で踊っているように不明確なメロディを奏でています。 ◉Kurzschlussは、Catherine Ledit(キャサリン・レディット)のソロユニットで、本曲は1986年作です。 ★B3 Wooden Barrows “Zyklus VI” (2:29)は、ちょっとだけYMOを想起させるオリエンタルな雰囲気の打ち込みから成る曲で、そう言う意味では異色ですね。 ◉WBは、Andreas Bongartz (アンドレアス・ボンガルツ)とAndrea Bearch (アンドレア・ベアルチ)のデュオで、本曲は1986年にGood Boy Studioで録音されています。 ★B4 Le Petit Mort (ラ・プチ・モール) “Geheimes Wissen” (3:04)は、不気味雰囲気のドラムマシンとシーケンス成りますが、やはりバンブードラムのような音質が目立ち、民族音楽調、かつミニマルな曲です。 ◉LPMは、Catherine LeditとDirk Grutzmann (ディルク・グルッツマン)のデュオで、本曲は1988年に録音されています。 ★B5 Strafe Für Rebellion (シュトラーフェ・フュール・レベリオン)“Boston” (3:26)は、時計の音とディレイを掛けたキックに、チェロのようなシンセ音から成る不定形の曲で、時に野卑なヴォイスやテープループや色々なノイズ要素が挿入されます。 ◉SFRは、Bernd Kastner (ベルンド・カストナー)とSiegfried M. Syniuga (ジークフリード・M・ジニュガ)のデュオで、2人が全てのノイズと楽器を担当して、1988年に自身のスタジオで録音した曲です。 ★B6 Maria Zerfall (マリア・ツェルファール)“Wohin” (2:32)は、反復するシンセ音に、女性Voやテープ音も入るパワー・エレクトロニクスです。中々、様になっています。 ◉1986年作の彼女のソロ曲です。 ★B7 ADD “Dörper's Dream” (3:56)では、機械仕掛けの内部音に、オルガンとテープ音が被ってきて、更に不穏なメロディでダークな音像を醸し出しています。DörperってDie Kruppsの? ◉ADDは、Bernd Zimmermann (ベルンド・ツィマーマン)のソロユニットで、1983年作です。 He 「流石、Düsseldorf !」と言った幅の広い曲がコンパイルされていますね。それこそ、エレ・ポップ調〜ドローン〜パワ・エレ〜ノイズまで押さえてあり、Bureau Bの底力が発揮されています。数年前に、日本でもカセットブームがありましたが、最近のブームというのは、カセットはフィジカルとして、音はDLして聴くという感じが多かったのですが、ここに収められているのは、いずれもカセットのみで配給・交換が為されていた訳で、そこに大きな違いがあるようにも思います。そんな独のアングラ音楽シーンを支えていたカセット作品群の中でも、電子音楽に特化した点が興味深いです。そして、その音楽の振り幅も広く、興味深く聴けました。今でも通用する音楽もありますので、一度は聴いてみてはどうでしようか?面白い世界ですよー! B3 Wooden Barrows “Zyklus VI” (2:29) https://youtu.be/ZEOuYIAP174?si=Z0QXCoOQc8NGqCTO [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_meALp9YzQZvcovRewwvwg3nF63GNxsF6E&si=bfs5ZteUbdvsR1zi #VariousArtists #Sammlung #ElektronischeKassettenmusikDüsseldorf1982-1989 #BureauB #CompilationAlbum #CassetteCulture #Düsseldorf #1980年代 #Electro #SynthWave #Experimental #Industrial #Drone #Noise #KonradKraft #DeuxBaleinesBlanches #Ettlinger #Mentocome #Frigorex #DinoOon #PfadDerTugend #Kurzschluss #WoodenBarrows #LePetitMort #StrafeFürRebellion #MariaZerfall #ADD
Experimental / Electro-Pop / Industrial Bureau B €20.00Dr K2
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Lost Gringos “Nippon Samba”
久しぶりに入手しました。そうです、独ATA TAKのLost Gringosの12㌅EP “Nippon Samba”です。発売当時、私はこのEPは認識してはいたのですが、ジャケの余りにもやり過ぎ感が強くて、どうにも触手が伸びませんでした。しかしながら、NDWを極めようとする中で、どうしても聴いておかなきゃと思い立ち、海外購入した次第です。Lost Gringosについては、前回のEP “Troca Troca”の時に書いてありますので、そちらをご参照して下さい。それで、Lost Gringosは、Eberhardt Steinkrüger (Piano, Vo, Tapes; エバーハルト・シュタインクリューガー)とPete Jekyll (G, Sax; Programming [A1, B1]; ピート・ジェキル)のデュオで、今回は、Keiko Miller (Vo), Zins Zinsius (B, Wood-B), Karl-Heinz Tango (Drs, Perc, Vibraphone, Marimba), Hideto Sasaki (Back-Vo), Laurie Lovecraft (Back-Vo), Rudi Glaser (Back-Vo)が、ゲスト参加しており、A面2曲については、Pyrolatorがマスタリングを担当しています。ただ、Pete Jekyllは、ATA TAKのスタジオ・ミュージシャンのようで、このLost Gringosが本当の意味での「デュオ/グループ」だったのか?それともレーベルが仕掛けた洒落みたいな存在(ゲストも含めて)だったのか?は、今持って不明です。と言うことを念頭に置いて、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Nippon Samba (Receitap'ra Sambar)” (5:30)は、打ち込みから始まるサンバ調の曲で、「歌え、踊れ、叫べ、行け、行け、日本サンバ!」を始めとして日本語の歌詞をKeiko Millerが歌っており、思わず脱力しますが、時に挿入される牛の鳴き声や自動車のクラッシュ音等が中々味わい深く、コラージュのセンスの良さを感じますね。 ★A2 “Ohne Dich (Sinti)” (2:25)は、一転、スパニッシュ調で、男性Vo(Steinkrüger?)が、フラメンコGとリムショットとWood-Bに合わせて朗々と歌っており、これはこれで脱力してしまいます。 ★B1 “Tambo Machay” (4:32)は、ドラムマシンとシーケンスに、シタール様の弦楽器が何となく中近東風で、囁くような男性Voがしっとり歌っています。細かいGやKbdも中々捨て難いポイントになっていますし、コーラスによる盛り上がりや民族楽器調のSaxもグー! ★B2 “Vida De Inés” (2:20)は、鶏の声で始まり、女性による語りと微かなアコーディオンらしきバックで始終さる曲で、正直、意味不明です。 この作品も、無国籍風というか、日本&ブラジル〜スペイン〜中近東〜スペインと言うように何の脈絡も無く、しかも沙汰なくこなしており、このレコードの存在意義自体が既に意味不明です。ですが、A1での歌詞もさることながら、サウンド・コラージュのカットインとかの手法は、当時としては画期的であり、そこに実験性を見出すことはできます。しかしながら、全体としては、ジャケのゴチャゴチャ感が彼等の本質なんだろうなと想像しますが、どうなんでしょう?それとも、単なる語呂合わせ的なおふざけなんでしょうか? Pete Jykeyll氏に直接問いたくなっちゃいますね。そんな珍盤です!好事家の方にもお勧めです。 https://youtu.be/kDF-9hyIOzA?si=T5Y7t9YS0kKzgpMJ #LostGringos #NipponSamba #AtaTak #1982年 #12inchEP #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #MondoMusic #NewWave #KeikoMiller #EberhardtSteinkrüger #PeteJekyll #ZinsZinsius #Karl-HeinzTango #HidetoSasaki #LaurieLovecraft #RudiGlaser #Mastering #Pyrolator
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop ATA TAK €20.00Dr K2
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Ideal “Der Ernst Des Lebens”
ずっと前にご紹介しました独のバンドIdealのセカンド・アルバムをやっと入手しましたので、今回は、セカンド・アルバム” Der Ernst Des Lebens (デァ・エルンスト・デス・レーベンス)”をご紹介します。NDWの中で、最も成功したバンドであり、インディーズながらも、前作ファースト・アルバムが独のゴールドディスクに輝いているバンド、それがIdealです。Idealのバイオグラフィーは前回書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回もメンバーは、Annette Humpe (Vo, Kbd; アネット・フンペ), Ernst Deuker(B, Vo; エルンスト・ドイカー), Frank-Jürgen “Eff Jott” Krüger (G, Vo; フランク-ユルゲン ”エフ・ジョット” クリューガー), Hans Behrendt (Drs; ハンス・ベーレント)の4人ですが、共同プロデューサーとして、Conny Plankも参加しているのも、注目すべきところでしよう(因みに、VoのHumpeは、Ideal解散後、実妹のInga Humpeと共にHumpe Humpeとしてアルバムをリリースしていますので、そちらについては、別のバイオグラフィーをご参照下さい)。本作品は、A面6曲/B面5曲を収録しています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Eiszeit” (2:53)は、Gとオルガンの効いたアップテンポのカッコ良い曲で、女性Voもイカしています。 ★A2 “Schwein” (3:00)は、堅固なリズムにオルガンと男性Voから成る曲で、独逸語の語感なのか、ややハスキーに呟くVoが良く合っています。 ★A3 “Sex In Der Wüste” (3:38)は、似非民族音楽的リズムとG(?)のメロディに、男性Voが乗るスローな曲で、コーラスやコントラバスも秀逸です。Kbdがまたポップ! ★A4 “Herrscher” (3:41)は、性急なビートとニューウェーブ的なオルガンに、男性Voが乗る曲で、シンセBを使っているようです。最後のシュプレヒコールもグー! ★A5 “Feuerzeug” (4:19)では、スローなビートにオルガンと女性Voがしっとり絡み合い、間奏のGソロも雰囲気抜群です。最後の仕掛けがまた絶品。 ★A6 “Immer Frei” (2:27)も、性急なビートを繰り出すリズム隊に、複数の男性Voや女性Voが絡み合う曲で、間奏のフリーキーなGソロもカッコ良い。 ★B1 “Erschießen” (3:40)は、跳ねるようなノリの良いにオルガンとGに、女性Voが歌うポップ曲で、元気一杯で、最後のGソロもカッコ良い。 ★B2 “Monotonie” (4:44)は、女性Voから始まる落ち着いたカリプソ風の曲で、蠢くBのリフと間奏のKbdが秀逸です。勿論、男性コーラスやGソロも! ★B3 “Ich Kann Nicht Schlafen” (3:32)は、スパイ映画のサントラのような曲で、男性VoとGやオルガンとの掛け合いがカッコ良く、焦燥感溢れるサビも絶品です。 ★B4 “Spannung” (3:00)では、Gのカッティングと優しいKbdに、女性Voが良くマッチしており、雰囲気抜群です。途中のブレイクもグー! ★B5 “Spion” (5:00)は、雑踏音のSEから、5拍子のリズム隊と女性Voに、歪んだGや怪しげなオルガンが絡んでくる、ちょっと異質な曲です。 セカンド・アルバムは、バンドも乗りに乗っていた時期なので、曲もアレンジも格段に良く、正直、捨て曲無しとさえ思えます。アップテンポからしっとり系や変拍子曲まで幅広く収録されており、これは傑作ですね。また、VoもHumpeだけではなく、男性も担当しているので、多分、思っていた以上に多様性/柔軟性のある曲作りをしていると思えました。ジャケはファーストの続きのような首無しの絵で、パッとはしませんが、内容は彼等のポップネスが詰まっていますので、これは是非とも聴いて欲しい一枚です❗️ [live Rockpop In Concert 1982] https://youtu.be/lifx7x_E5hU?si=EBr2Tl4gtPsLRwy_ [full Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nl87GgRz_uuOXDa5YK99tV2PYvubluFio&si=qh0Ohch6AzFAFRJD #Ideal #DerErnstDesLebens #EitelImperial #WEA #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #AnnetteHumpe #Frank-JürgenEffJottKrüger #ErnstDeuker #HansBehrendt #Co-Producer #ConnyPlank
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S.Y.P.H. “Der Bauer Im Parkdeck”
ちょっと変則ですが、S.Y.P.H.の2枚組7㌅EP “Der Bauer Im Parkdeck (デア・バウアー・イム・パルクデック)”を紹介しましよう。この頃は、リズム隊の2人がメンバー・チェンジしており、オリジナル・メンバーはHarry Ragだけですが、7㌅EPに13曲入りとパンパンに詰め込まれています(しかも45回転!)。また、タイトル曲には、同名の映像作品があります。ただし、この2枚組の曲は、これの後にリリースされたアルバム”Harbeitslose”がCD再発された時に、ボーナストラックとして含まれたそうです。それで、この時のメンバーは、Harry Rag (Vo, G), Thomas Oberhoff (B), Gilbert Hetzel (Drs)の3人で、かつオリジナル・メンバーのUwe Jahnke (G)もゲスト参加していますがJahnkeは、Fehlfarben (フェルファーベン)での活動が忙しくなったので、ゲストとして参加しています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。 ◼️EP1 ★A1 “Der Bauer Im Parkdeck”は、タラタラと反復する演奏に、駄々漏れのような語り調のVoが被さる曲で、Gもヘロヘロです。 ★A2 “Falsche Freunde”は、わりと陽性の明るい曲で、S.Y.P.H.にしては珍しい曲調です。間奏のスライドGもカッコ良い! ★B1 “Alte Freundin”では、アコギの弾き語り(ハイハットとBもあり)にヘロヘロのコーラスが乗ります。如何にもS.Y.P.H.らしいです。 ★B2 “Knudelblues”では、バックに微かなGや物音が鳴る中、オフマイクでVoの語りが呟かれます。数10秒の曲です。 ★B3 “Traumraum”は、B2に連続して、掻き鳴らすGと重めのBとDrsのキックが入ってくる曲ですが、Voは語り調と叫び声と2人が担当しているようです。 ◼️EP2 ★C1 “Bekenntnisse Eines Knüppelträgers”は、掛け声一発で、アップテンポなツービートにコーラス(?)とGと言うハードコアも真っ青な曲です。 ★C2 “Masolinchen”は、フリーで歪んだG/Bとスネアをバックに、ひり出すような語り口Voが歌う小曲です。 ★C3 “Herrlich Anonym”も、アップテンポなツービートの曲で、早口なVoに捲し立てられていると、後半にはフリーキーなGも入ってきます。 ★C4 “Clean City”は、米アニメのような訳わからん声だけからなる数10秒のアカペラ曲です。 ★C5 “Hugo Hugh”は、掻き鳴らすGと早口独逸語Voを中心としたアップテンポの曲で、焦燥感も持って疾走する間に終わってしまいます。 ★D1 “Mit Das Leben Klar”は、ギクシャクしたDrsに微かなGと呟くような呪文的Vo流れ出す曲です。 ★D2 “Wo Ist Der Ausgang”では、各々が勝手に叫んだり、呟いたりしていますが、Gのアルペジオ(?)か中心になっているインスト(?)曲です。 ★D3 “Maschine Von Beruf”は、トイ楽器とGとつまずくようなDrsに、また各々勝手なVoを入ってくる曲です。この適当さがまた彼等には良く合います。最後はロックド・グルーヴになっています。 いやー、この短い尺の間に、S.Y.P.H.の魅力がたっぷり詰まっていますねぇ。どうも、ファンの間では、この2枚組シングルは、評価も高いようで、その気持ちも良く分かります。とにかく、ヘロヘロで、出鱈目で、それでいて独逸人らしいユーモアも待ち合わせいる実験的とも言い難い独特の試みが全編為されており、聴き応え充分です。また、この内容を敢えてシングル2枚組でリリースと言うのも、彼等らしいですね。それと、オリジナルメンバーがHarry Ragだけなのに、このS.Y.P.H.らしさを維持出来ているのも凄いです。脱力と先進性が共存していますので、このシングルは見つけたら、即買いですよ! [この時期のS.Y.P.H.の音源は余りYouTubeに上がっていませんので、見つけた分だけ貼っておきます] A1 “Der Bauer Im Parkdeck” https://youtu.be/F7AxW-ktWvM?si=JnJiScHsVX6P5pPr A2 “Falsche Freunde” (live 1985) https://youtu.be/GDv5GiFwmco?si=WBDV-Qx44Xv7mx74 B3 “Traumraum” https://youtu.be/thbArMBP4BY?si=L5OJck1nXWyj3jQU #S.Y.P.H. #DerBauerImParkdeck #PureFreude #7inchSingle2枚組 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #PostPunk #脱力 #Progressiveness #Harbeitslose #CD #BonusTracks #GilbertHetzel #HarryRag #ThomasOberhoff #Guest #UweJahnke
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pure Freude ¥3800Dr K2
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S.Y.P.H. “Pst”
久々に引っ張り出してきました。独のS.Y.P.H.(いつも読み方が分からないのだが、「ジフ」で良いらしい)のセカンド・アルバム”Pst (プストと読む?)”です。当時、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の中で、そのユニークな音楽性から、「Canの再来」とまで言われたグループが、S.Y.P.H.でした。ファースト・アルバムは同年2月で、本作品は8月にリリースされており、溢れるアイデアを即座にパックしているのが伺い知れます。しかも、今回は、元CanのHolger Czukayも参加していると言う豪華さです。S.Y.P.H.のバイオグラフィーは既に書いてあると思いますので、詳細はそちらをご参照して下さい。それで、本作品についてですが、バンドメンバーは、Harry Rag (Vo, G; ハリー・ラグ), Uwe Jahnke (G; ウーヴェ・ヤーンケ), Jürgen Wolter (B; ユルゲン・ヴォルター), Uli Putsch (Drs; ウリ・プッチュ)で、ゲストとしてHolger Czukay (Horn, Perc, B, Harmonica [A3, A5, A7, B1, B3])も参加しており、また、本作品は、S.Y.P.H.とHolger Czukayが共同プロデュースしており、録音もInner Space Studioを借りきって、10日間セッションをやり続け、その膨大な録音音源から、ロック色の強いテイクを厳選して作製されています (小柳カヲル氏「クラウトロック大全」による)。内容は、A面7曲/B面3曲となっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Euroton” (0:52)は、ひたすら掻きむしられるGと一本調子のリズム隊に、笑い声すら使うVoが乗る小曲です。メタパーも使ってる? ★A2 “Einsam In Wien (Lustlos)” (5:32)は、単調で催眠的なビートを刻むリズム隊と自由に弾かれるGと呪文のようなVoが乗る曲で、バックの反復が気持ち良いです。Voとかは喚きそうになります。 ★A3 “Moderne Romantik” (3:01)は、16ビートのアップテンポの曲ですが、バックはひたすら反復しており、そこにGのカッティングや自在なVo(喚き声を含む)が絡んできます。何とも催眠的な曲です。 ★A4 “Lametta” (3:50)は、一転、静かな音数の少ないイントロで始まりますが、やがてキックとBのリフが延々と続き、フリーなVoも入ってくる曲で、背景にはGのスライド奏法や鋭いカッティングも聴取出来ます。 ★A5 “Modell” (1:47)は、単調なアップテンポな曲で、ひたすら反復するリズム隊に自在なGや喚き声のような多彩なVoが被ってきます。 ★A6 “Alpha & Vieta” (1:35)も、アップテンポな曲で、規則的なGのカッティングと単調なリズム隊に、機関銃のようなVoが逆に心地良いです。 ★A7 “Nachbar” (3:15)は、何ともゆったりとした土俗的リズム隊の静かな反復演奏に、呟くようなVoが乗る曲で、やがてGが弾きまくられます。小鳥の囀りも流されています。 ★B1 “Regentanz” (8:43)は、執拗に反復するリズム隊に、ホーンの音やGのカッティングやオルガン或いはファズG、叫び声なんかが無作為にカットイン/カットアウトしたりする、ミックスに凝ったフリーな曲で、Voも偶にはありますが、ほぼインスト扱いですね。 ★B2 “Stress” (6:45)は、静かで不穏なリズムレスなイントロから、民族楽器のような打楽器が立ち現れ、変調VoやGなどの音や物音音が人為的にミックスされている曲です。勿論、呪文のようなVoも微かに聴こえますが、テープの速度もイジっています。 ★B3 “Do The Fleischwurst” (4:26)は、B2に連続して、反復するリズム隊の上を、フリーフォームなGや他の音等が自在に跳ね回っている印象で、開放感が半端ないです。 以前、初めて聴いた時とは違う印象で、一聴すると有り勝ちな曲構造のようにも思えるのですが、本当に良く出来たフリーフォームな演奏で、特にB&Drsの禁欲的で催眠的な反復と、GやVoなんかの自由度のコンビネーションは神がかっていますね。それと、B面、特にB1のミックスが凄過ぎます!「流石、Holger Czukay!正しくCanだ!」と言うところでしようか。こう言う風に聴けるようになったのは、Canの良さが分かったからでは?と個人的に思っています。単にNDWのバンドとかパンクとかの先入観を捨てて聴いてみて下さい!完成度は非常に高いので、フリーなロックに関心のある方は、S.Y.P.H.のセカンド、是非とも聴いてみて欲しいです❗️正に、瞑想(迷走)する音楽ですね!名作! https://youtu.be/PeY2JzEu-S0?si=vpPPMPnlq1iPi9hN #S.Y.P.H. #Pst #PureFreude #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Can #Repetition #HarryRag #UweJahnke #JürgenWolter #UliPutsch #Guest #Co-Producer #HolgerCzukay
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Pure Freude 不明Dr K2
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Male “Zensur & Zensur”
Maleと聞いて、ハッとするリスナーさんは、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)に詳しいか、Die Kruppsのファンの方ではないでしょうか!そうなんです。Male (メイル)は、Die Kruppsを結成する前に、Jürgen EnglerとBernward Malakaがやっていたパンクバンドなんですよ。そして、「独のThe Clash」であり、独逸で最初のパンクバンドです。 それで、ちょっとMaleのバイオグラフィーを書いておきます。Maleの結成は、1976年12月のDüsseldorfで、彼等はまだ高校生でした。初代ドラマーはFritjof Aurinでしたが、やがてClaus Ritterに代わります。それで、1977年3月にはライブ・デビューしており、1978年には、ベルリンの有名なクラブSO36でのパンク・フェスのオープニング・アクトをこなしています。それで翌年1979年には、本アルバムのオリジナルでもあるファースト・アルバム”Zensur & Zensur (ツェンズール・ウント・ツェンズール)”をリリースしています。これは、歌詞が独逸語のパンクとしては結構早い方でした。その後、1980年5月には、シングル”Clever & Smart”をRondoより出しており、また、その頃、Clashの独逸ツアーのサポートも務めています。1980年8月末には、バンド名をVorsprung (フォルスプルンク)と替えて、一度だけ、Belehrung Und Unterhaltungフェスでライブをやりますが、その後1981年初頭に、2つに分裂し、前述のようにEnglerとMalalaはDie Kruppsとして、残りのSchwaabとRitterは、Freunde Der Nacht (フロインデ・デァ・ナハト)として活動していくことになります(因みに、後者は10㌅Mini-LPを出して終わったようです)。また、Maleは1990年から幾度となく再結成をしており、2005年には”Deutschland Im Herbst"と言う新録アルバムも制作していますが、今のところ、発売はされていません。 以上が、Maleの略歴となりますが、本作品の内容として、LP1は、1979年にModell Musikからリリースされた限定ファーストLP”Zensur & Zensur”を丸っと全曲を、LP2のC1とC2は、1979年にRondoからリリースされた7㌅シングル”Clever & Smart”の2曲を、LP2のC3は、1995年にTeenage Rebel Recordsからリリースされたセルフ・コンピCD”Male”から1曲を、 LP2のC4は、1991年にTeenage Rebel Recordsからリリースされた7㌅シングル”Die Toten Hosen Ihre Party”から1曲を、LP2のD5, D6, D9は、1980年にKonnekschenからリリースされたコンピLP”In Die Zukunft”から3曲を、LP2のD7は、1990年にTeenage Rebel Recordsよりリリースされた7㌅コンピ・シングル”Ein Tausendstel Düsseldorf”から1曲をセレクトして収録されています。しかしながら、LP2自体は、1979年6月29日、Markthalle Hamburgでのライブ音源からなりますので、上記の曲以外は未発表音源かもしれません(特にクレジットに記載は無いです)。そして、本作品に参加しているメンバーは、Jürgen Engler (Lead-Vo [A1-A3, A5-B3, B5-D7, D9-D11], G, Back-Vo [A4, B4, D8]), Stefan Schwaab (Lead-Vo [A4, B4, D8], G, Back-Vo [A1-A3, A5-B3, B5-D7, D9-D11]), Bernward Malaka (B), Claus Ritter (Drs)の4人です。それでは、各曲について紹介していきましょう。LP2D面は、ライブ音源で曲もダブっていますので、まとめて紹介しますね。 ◼️LP1: Album “Zensur & Zensur” ★A1 “Bilk 80” (2:02)は、ドラムロールから始まるノリの良いパンキッシュな曲で、EnglerのVoが若々しくて微笑ましい。ちょっとだけラテンっぽい? ★A2 “Risikofaktor 1:X” (1:29)は、キレの良いGで始まるUKパンクな曲ですね。掠れ気味のコーラスが初々しいです。 ★A3 “Kontrollabschnitt” (2:13)は、コーラスから始まるパンク曲で、ちょっとだけポストパンク臭がします。 ★A4 “Zensur & Zensur” (2:35)では、掻きむしるGが何ともパンクな演奏を想像させる良曲です。途中のインスト・パートが何とも良いです。 ★A5 “1 Tag Düsseldorf” (4:08)は、Gの単音弾きからBが入ってくるスローテンポな曲ですが、4人のアンサンブルは段々と加速していき、ミニマルな展開で終始します。 ★A6 “Haftbefehl” (1:33)は、2流UKパンクの様な曲ですが、歌詞は独逸語です。 ★A7 “Vaterland” (2:31)は、ドコドコしたDrsで始まるパンキッシュな曲で、コーラスワークも微笑ましい。 ★B1 “Polizei” (1:59)は、Gのリフで始まるノリは良いが、やや重めのBが効いたパンクソングで、結構カッコ良いです。コーラスパートも絶品です。 ★B2 “Ampelstadt” (1:31)は、アルペジオGから始まり、ブレイクの後、疾走するパンクソングで、何となく、The Clashの1stに入っていそうな曲です。 ★B3 “Grosseinsatz” (2:40)も、The Clashの1stを想起させるような曲調のパンクソングです。荒い音は録音の性かな? ★B4 “Zensur-Dub” (3:13)は、サイレンと共に、レゲエ調&過剰なエコーの掛かったダブな処理が為されたゆったりした曲です。 ★B5 “KH 3” (1:21)は、分厚い音の壁から成るパンクソングです。疾走感も抜群です。 ★B6 “Erinnerungen” (2:38)は、Bのリフから始まるラテン調のインスト曲で、2本のGの絡みが秀逸です。 ★B7 “Planspiel” (2:49)は、爆発するエナジーをビシバシ感じるパンクソングで、EnglerはやっぱりJoe Strummerを意識していたのかな? ◼️LP2: Singles & Live Tracks ★C1 “Clever & Smart” (2:33)は、The Clashの3rdに入ってそうな、ソフイストケートされたパンクソングですが、最後でダブっぽいミックスになります。 ★C2 “Casablanca” (3:59)は、指パッチンのリズムに合わせたスパイ映画のサントラみたいな曲で、Voも抑制的に歌っており、エコーも効いて、雰囲気抜群! ★C3 “Sirenen” (1:59)では、サイレンと共に疾走感のあるパンキッシュな演奏が繰り広げられています。カッコ良いです! ★C4 “Shit Family” (0:35)は、掛け声一発、ハードコア並みの速さで、弾丸のように演奏され、あっと言う間に終わります。 ★D1 “Bilk 80 (live)” (2:02) ★D2 “Grosseinsatz (live)” (2:40) ★D3 “KH 3 (live)” (2:18) ★D4 “Ampelstadt (live)” (1:48) ★D5 “Vaterland (live)” (2:28) ★D6 “Sirenen (live)” (2:08) ★D7 “Polizei (live)” (2:05) ★D8 “Zensur Zensur (live)” (2:43) ★D9 “Risikofaktor 1:X (live)” (1:40) ★D10 “Kontrollabschnitt (live)” (2:19) ★D11 “1 Tag Düsseldorf (live)” (3:58) ラジカセでエア録音なのかな?音の分離がそれ程良くはないですが、寧ろ、1979年のライブ音源を今現在、聴く事が出来ると言うこと自体が凄く貴重だと思いますので、そこは差し引かなきゃと思います。ライブは本当に熱いですね!アレンジもスタジオ録音と大幅には変わっていません。結構、どストレートにぶっ飛ばしているところに好感が持てます。 ここまで聴いてきて、Maleは、UKパンクの影響を強く受けたパンクバンドではなかったのかなと思います。特に、The Clashのファースト・アルバムに影響されているようです。シングル曲は、The Clashの”London Calling”に入っていても違和感の無いような曲もあり、Engler達のルーツを垣間見る事が出来て、興味深かったです(実際、The Clashの独ツアーにはサポート・アクトとして帯同しています)。あと、録音に関しては予算の関係もあったとは思いますが、ちょっとプアで、2流UKパンクバンドのシングル或いはアルバムを聴いているような錯覚もあり、そこはちょっと残念でしたね。しかしながら、Englerが、1976年にして既に英国のパンク・ムーブメントに反応しているところに、彼の嗅覚の良さを感じますね。また、このようなパンクバンドから、Malakaと共にDie Kruppsを作り、更には、EBM〜インダストリアル・メタルと言われる新ジャンルまで進化をするとは、まさか、彼等も思ってはいなかったでしょう(しかしながら、思い返すと、Die Kruppsの”Stahlwerksynfonie”のミニマルさは、A5 “1 Tag Düsseldorf”のミニマルさから来ているのではとも思えます)。兎に角、ジャーマン・パンクに興味のある方はマストですね❗️ [live in Düsseldorf 2018] https://youtu.be/Gm9h_ECqQ_U?si=e0ZMQfJkJhpwnmb0 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ni4rNZLvaFEB694vPPiBjMsqjJ9c9kh38&si=Pz2fnB5mDDDEnhmB #Male #Zensur&Zensur #TapeteRecords #2020年 #Reissue #Remastering #ModellMusik #1979年 #Rondo #TeenageRebelRecords #Studio&LiveTracks #2LPs #FirstAlbum #Singles #CompilationTracks #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #GermanPunk #Vorsprung #DieKrupps #JürgenEngler #StefanSchwaab #BernwardMalaka #ClausRitter
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Punk Rock Tapete Records (Modell Musik) €37.49Dr K2