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Holger Hiller “Oben Im Eck”
とうとう来ました!Holger Hillerのセカンド・ソロアルバム”Oben Im Eck (オーベン・イム・エック; 「隅っこにある」)”を今回はご紹介します。Holger Hillerのバイオグラフィーは既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。それで、本作品についてですが、サンプラーをメインに使った、壮大で、ちょっとだけヘンテコな音楽が詰め込まれており、ここら辺からHillerの本領発揮と言うところでしようか。この頃、彼は既にロンドンに住んでいたと思います。それで、今回は、Holger Hiller (Vo, Sampler, Programming, Mandola)の他、後にHillerの妻になるIzumi Kobayashi (Sampler, Programming, Triangle), 前作に引き続きMoritz von Oswald (Drs, Drainpipes, Xylophone)も参加していますが、ゲストにThe AssociatesのBilly MacKenzie (Vo [A1, A3, A5, B5])とKaori Kano (Vo [A4])も参加しています。そして、Mimi Izumi Kobayashi (A2, A5, B1, B5)以外の作曲はHolger Hillerが行っており、作詞は、Die Tödliche DorisのWolfgang Müllerが全曲担当しています。ミックスダウンは、Gareth Jones, Holger Hiller, Mel Jeffersonによって行われ、プロデュースはHolger Hiller自身が行っています。それと、本作品の日本盤が”Hyperprism”と言うタイトルでWaveから出ているのですが、別テイクが収録されており、内容はかなり違う印象とのことです(私は未聴なので、良くは分かりません)。入手して聴き比べてみたいですね。それで、本作品の内容としては、両面とも5曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “We Don't Write Anything On Paper Or So” (2:51)は、壮大なスケールで描いた映画音楽のような曲で、恐らく交響楽のようなオーケストラの音をサンプリングして同期させていると思いますが、所々でレジデンツ風のパートや女性Voが流れるように浮かぶ部分もあり、伊福部昭の曲を想起しました。 ★A2 “Tiny Little Cloud” (3:15)は、サンプリングされたダブルBの軽快なリズムと生楽器によるコロコロした室内楽的演奏から成る曲で、フェイクなのに本物っぽいところが凄いです! ★A3 “Whippets” (3:20)も、フェイクなオーケストラによる演奏で、そこに中近東風の女性らしきVo(これがMacKenzieの声?)が声を張り上げて歌っている曲です。 ★A4 “Waltz” (4:11)は、表題通りワルツのリズムで、少しだけオリエンタルな雰囲気のある曲で、透き通るような女性Vo(Kaori Kano)とホーン類の音及び中近東民族音楽の打楽器や笛の音をサンプリングして作られたと思いますが、最早、生楽器との差異が分からないです。 ★A5 “Oben Im Eck” (2:31)は、男女の囁くようなVoから成る、非常にゆったりした曲で、リズムはタンバリン風の簡素なもので、男性Vo(と女性コーラス)が、細々と呟くように歌っています。シャンソン風? ★B1 “Warm Glass” (3:57)は、細やかなチェンバロ風とメロディと強力でヘビーなキックに、逆回転する音やE. Neubautenの曲や低音Bやピアノ等のサンプリングの緻密な組合せから成る曲ですが、ビート感は余りありません。 ★B2 “Die Blätter, Die Blätter...” (3:19)は、ブクブ した水音のイントロから始まり、マーチングドラムに、Hillerの呟くような多重録音されたVoと重いキックから成る曲で、印象は1960-1970年代のTV番組、そう!例えば「ジャングル大帝」とかのイメージです。 ★B3 “Sirtaki” (3:10)は、現代音楽風のイントロから始まり、マリンバの旋律/メロディが主たる曲で、しかもその音も左右にパンされています。時にDrsやVlnも入ってきます。Drsはマーチングドラムのパターンです。 ★B4 “48 (Achtundvierzig) Kissen” (3:13)では、マリンバとホーンと民族音楽風の打楽器と弦楽器に声のようなサンプリング音の組合せの中に、レジデンツ風の男性Voが怪しく呟くように歌っています。 ★B5 “Oben Im Eck (Version)” (2:32)では、最初はドローンで始まり、ゆったりとしたリズムで、サンプリングされたタンバリンやアコギらしき音を伴奏に、男女のVoが呟くように歌っており、そのバックのドローンやチェロ等の伴奏を伴っています。 いゃ〜正直、唸ってしまいました。所謂、ポップミュージックではないのですが、本作品に収められているトラックの曲調は、ちょっと昔の映画音楽のようであり、その壮大さに圧倒されます。ちょっとHolger Hillerのことを舐めてました。彼が何故、このような曲調にしたのか?その真相はよく分かりませんが、それまでの実験テクノポップでも無ければ、骨折ファンクでもなく、非常に上手くサンプラーを使いこなしてします。恐らく、Izumi Kobayshiも影響も大きかったと想像します。サンプラーと言うとコラージュ感が強いかもしれませんが、このアルバムでは、サンプリングされた音は自然に澱みなく流れるように結合されており、そのテクは素晴らしいと一言です。また、映画音楽的な壮大さも特筆すべきですね。もし、映画音楽とかオーケストレーションな曲が好きであれば、是非聴いて観て下さい!マスト・アイテム! https://youtu.be/jYkDFdFNr3s?si=Lrc5kHVF-jOZtKCk #HolgerHiller #ObenImEck #MuteRecords #1986年 #SecondSoloAlbum #NeuDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #Sampler #Sampling #Guests #IzumiKobayashi #MoritzVonOswald #BillyMacKenzie #KaoriKano #Lyrics #WolfgangMüller #Wave #Hyperprism #JapanOnly #DifferentVersion
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Mute Records £16.49Dr K2
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No More “Suicide Commando”
ちょっと前のSynth WaveやMinimal Waveの発掘・再発・再評価で、意外な程、注目を浴びていたバンドの一つが、このNo Moreです。元々は、1979年に、独Kielで、Andy A. Schwartz (Vo, G, B), Tina Sanudakura (Organ, Synth, Sequencer, Drum Machine), Christian BlödornことChristian Darc(Drs, Drum Machine, Perc, Vo), Thomas "Ugly" Welz (B)の4人組として結成されたポストパンク/No Wave志向のバンドだったのですが、1980年にデビュー7㌅EP “Too Late”をリリースしています。この時には、TEACの4トラックMTRを使って、小さな洗濯部屋で録音されており、”Brutal”と形容される位にかなり音が悪かったみたいです。その後 1980年終わり頃にThomas Welzが脱退し、1983年末までは、トリオで活動しています。1981年にリリースされたシングル”Suicide Commando”がバンドとしての最大のヒットとなり、英国NME誌では「正しく独逸的な電子音楽形態」と評され、次の年からじわじわと、ジャンルやシーンとは関係なしに、国際的にこの歌は広がっていきます。また、この曲のシングルは数回リリースされ、それらはまた最近になっても、再発されたりしています。今回、ご紹介するのも、オリジナルのシングルの再発盤で、リマスタリングしてあります。それで、1990年代では、この歌は、テクノやエレクトロのシーンにも浸透していき、DJ HellやEchopark (Moguai & Torsten Stenzel)によってリミックス盤が出たりしています。その後、1982年に、No Moreは、ミニアルバム”A Rose Is A Rose”をリリースしますが、英国NMEの記者は、「Lou Reedのアルバム”Berlin”から生まれた独の若者3人によって作られた」アルバムと評しています。このミニアルバムをリリースした後に、No Moreは、よりダークで、よりオリエンタルな要素を取り入れていきます。1984年に、Thorsten Hartung (B)が加入し、勢いに乗って、独と蘭でのツアーを開始しますが、直ぐにこの曲の演奏禁止となり、結果、1986年末にバンドは解散してしまいます。解散直前に、アルバム”Hysteria”をリリースしています。SchwartzとSanudakuraは、新たなバンドNijinsky Styleを結成します。そうして、2006年に、SchwartzとSanudakuraは、デュオの形態で、No Moreを再始動し、新録アルバム”Remake/Remodel”をリリースし、2008年末に、ツアーを再開、2010年1月には、シングル”Sunday Mitternacht / A Rose Is A Rose”をリリースしています。2010年3月には、アルバム”Midnight People & Lo-Life Stars"をリリースし、2012年にも、アルバム”Sisyphus”をリリースしています。2015年になると、よりポップな作風となって、シングル” Stardust Youth"とアルバム"Silence & Revolt"をリリースしています。 以上が、No Moreの略歴となります。このバンドがラッキーであり、不運でもあったのは、一重に”Suicide Commando”が大ヒットしたことだと思います。なので、曲は知っている人は沢山いらっしゃるとは思いますが、もう一度、聴き直してみましょう。 ★A “Suicide Commando” (3:23)は、ドラムマシンと生Drsを同期しているのかな?ミニマル・シンセ・ウェーブの典型とも言える名曲です。徹底したミニマルなSynth-Bとオルガンのリフに、男性Voの歌詞とメロディを少し変えるだけ成り立っている奇跡のアレンジです。多分、この手の音楽が好きな方は聴いたことがあると思います! ★B “In A White Room” (3:34)は、激しいドラムマシンのビートと太いSynth-Bに、無表情な男性Voが乗る曲で、間奏ではSynth-Bは1オクターブ上がって、SE的シンセが聴くことが挿入されます。こちらもミニマル・ウェーブな曲です(Creamの曲ではないです)。 今回、このシングルを聴き直してみて、改めて思ったのは、このシングルのヴァージョン(初期ヴァージョン)では、シーケンサーも使っていなんいんですね。ちょっと意外でした。多分、鍵盤楽器は、全てTina Sanudakuraの手弾きですね。後、ここでは、Andy A. SchwartzもVoに専念しており、GもBも弾いていませんし、Christian Darcに至っては、ドラムマシンのスウィッチをオン/オフしていだけでは?と思ってましたが、実際にはスネアの音を担当したいるようです。それから、私自身の昔の経験でも、コード進行さえしっかり決めていれば、意外とメロディとかにヴァリエーションが作れると言うことがあります。しかしながら、ここまで無駄をそぎ落としだからこそ、後にリミックス盤とか何度も再発が出る名曲になったと思います!ミニマル・ウェーブ好きの方はマスト・アイテムですよ❗️ A “Suicide Commando” (3:23) https://youtu.be/vrgsL4NYa-k?si=Fc5OsJNizwuiDexy B “In A White Room” (3:34) https://youtu.be/1gu9CDzHG4Y?si=BwsZ2PIgnKjP69yz #NoMore #SuicideCommando #InAWhiteRoom #ElCaballoSentimental #2022年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #600部 #GreyMarbledVinyl #TooLateRecords #1981年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #SynthWave #MinimalWave #Synthesizers #DrumMachine #AndyA.Schwartz #TinaSanudakura #ChristianDarc
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop El Canallo Sentimental (Too Late Records) 2830円Dr K2
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Robert Görl “Night Full Of Tension”
Robert Görl, 彼はDAF(Deutsch-Amerikanische Freundschaft)のドラマーです。しかしながら、解散・再結成を繰り返していたDAFの合間に、彼はソロ作品を作っています。本作品もその一つです。彼自身のバイオグラフィーは書いていませんでしたので、復習がてらちょっと紹介していきます。 Robert Görlは、12歳の時、ジャスドラマーFreddie Brocksieperにドラムのレッスンを受けており、1974年には、ハプスブルクのLeopold-Mozart音楽院で、クラシック音楽のトレーニングも受けており、1976年からグラーツ大学で音楽を専攻しています。その頃、大学の授業と並行して、ジャズにものめり込んでいます。1978年には、一端休学してロンドンに渡り、そこてパンクの洗礼を浴びています。同年、Düsseldorfで、Gabi Delgado-Lopezと出会い、DAFを結成します。1979年〜2003年に、合計7枚のDAFのスタジオ・アルバムを作製し、リリースしています。1982年に、DAFは、アルバム”Alles Ist Gut”で、独レコード賞を受賞しますが、1983年には2人は袂を分かちます。Görlは1981年には、英Eurythmicsのアルバム”In The Garden”でドラムを叩いており、1984年のGörlのソロアルバム”Night Full Of Tension”には、EurhythmicsのAnnie Lennoxが参加して、”Darling Don’t Leave Me”でデュエットしています。1986 年に再結成した DAF は、初の英語アルバム”1st Step to Heaven”をリリースします。しかし、1989年に、Görlは重大な自動車事故に見舞われ、その後、彼は仏教徒となり、3年間アジアを旅して修行していました。 帰国後、1990年代にPeter Wachaのミュンヘンのテクノ・レーベルDisko Bから様々なソロ・アルバムやシングルをリリースしています。2000年〜2002年に、Görlは、DAFの再復活のことで、Gabiと話し合い、2003年初頭にアルバム”15 Neue DAF Lieder”が作製され、同年、DAFは初来日しています。しかし、2005年11月に、再びDAFは解散します。しかし2008年には、復活し、アニヴァーサリー・ツアー”30 Years Of DAF”を開催、2010年9月に、限定販売でシングル”Du Bist DAF”をリリースしています。しかしながら、Gabiは、DAFの新録アルバムを計画中の2020年に61歳の若さで他界してしまいます。Görlは、プロデューサーのSylvie Marksの協力を得て、Grönland Recordsから1980年代の未発表DAFサウンドシーケンスを使用して、”Nur Noch Eine”というタイトルでDAFのラスト・アルバムを2021年にリリースしています。 以上が、Robert Görlの略歴となります。本作品も、先述のように、EurythmicsのAnnie Lennoxが参加している曲A1 “Playtime”やA3 “Charlie Cat”及びB3 ”Darling Don't Leave Me”も収録されており、両面4曲づつ入っています。それでは、各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Playtime” (3:54)では、DAF風のシーケンスと生Drsのビートに、GörlとLennoxが輪唱のように歌い上げており、特にGörlのVoは優男風のセクシーさを感じさせますね。音数はやはり少な目です。 ★A2 “I Love Me” (5:31)では、直線的なシーケンスと生Drsが生み出すビートに、投げつけるようなGörlのVoが意外に良く合っています。バックのマリンバが良い隠し味になっています。 ★A3 “Charlie Cat” (3:40)は、キラキラしたシンセのリフとDAF風のシーケンスをバックに、LennoxがメインVoを取る曲で、普段は余り使われないシンセのリフ(音数)が多めに聴かれます。 ★A4 “Gewinnen Wir Die Beste Der Frauen”(4:49)は、フェイドイン/フェイドアウトするスローでダークな曲ですが、DrsはやはりGörlのドラミングだなあと感心しました。また、GörlのVoはシリアスかつシアトリカルに歌っています。 ★B1 “Queen King”(4:54)は、陽性のシーケンスと強靭な生Drsに、Görlが切々と歌い上げている曲です。シンセのリフも多めになっていますので、余り「DAFっぽくない」印象を受けますね。寧ろ「1980年代UKのエレ・ポップ調」です。 ★B2 “Love In Mind”(4:45)でも、確かにシーケンスはDAF風なんですが、Görlが朗々と歌い上げており、寧ろDAFの呪縛から離れた「新境地」と言うところでしようか?にしてもGörlの声質は甘くてセクシーですね。 ★B3 “Darling Don't Leave Me”(3:39)は、シングルカットされた曲で、2人、特にLennoxの多層化したVoがメインの部分を聴いていると、「これはひょっとしてEurhytmics?」と勘違いしてしまいそうです。 ★B4 “Wind In Hair”(4:19)は、ある意味、DAF風の「可愛らしい」シーケンスと生Drsのビートに、またもやGörlが切々と歌っている曲なんですが、当たり前ですが、Gabiとは違う声質とか歌い方なんだなぁと感心してしまいます。 元DAFと言うだけで、どうしても、Virgin3部作の「汗、筋肉、ゲイ・カルチャー、機械」と言った音楽と比べてしまい勝ちですのが、そう言うと、本作品は、確かにソフィストケートされた印象を受けるかもしれません。特に、Annie Lennoxがフィーチャーされた曲なんかは、「Eurhythmicsの曲」のようにも聴こえるかもしれませんね。でも、逆を言えば、それだけのポピュラリティーを持った曲でもある訳で、それだけの理由で捨てるのは勿体無いと思います。なので、ゴリゴリのDAFのファンには余りお勧めしませんが、強めのエレ・ポップ好きな方は一度聴いてみてはどうでしょう?ハマるかもよー。 [YouTubeに上がっていたのは以下の曲のみでした] A1 “Playtime” (3:54) https://youtu.be/DzvXFK5UlK4?si=2bfvTJJLxCsKCRUR B2 “Love In Mind”(4:45) https://youtu.be/A6x5SNs7ucA?si=OQLt9Gom8mgkKB0P B3 “Darling Don't Leave Me” (3:39) https://youtu.be/M95Dws35cKQ?si=Yn9LeYAcmAAxAtZf #RobertGörl #NightFullOfTension #MuteRecords #FirstSoloAlbum #Electro #SynthPop #ElectroPop #Popularity #Sophisticated #DAF #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Guest #AnnieLennox #DarlingDon’tLeaveMe #Playtime #CharieCat
Electro / EBM (Neue Deutsche Welle / German New Wave) Mute Records €16.00Dr K2
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Gudrun Gut “Moment”
独NDWの生き証人、Gudrun Gutについては、今更説明することもない程、有名なアーティストです。古くは、Einstürzende NeubautenやMania D.の創設メンバーでもあり、Malaria!でカッコ良い女傑であった彼女ですが、やがて、Matadorを結成、また並行して、ベルリンの女性ミュージシャンやプロデューサーのコラボ集団Monika Werkstattを組織し、運営しており、1997年からはMonika Enterpriseと言うレーベル運営も始め、ソロアルバムやコラボ作品、更には映像作品やTomas Fehlmannとのラジオ番組OceanclubのDJ等、八面六臂の活動を今でも続けています。そんな彼女の5枚目のソロアルバム”Moment”を今回は紹介します。楽器やVoは全て彼女が担っていますが、最近は、FaustのAntye Greie (AGF)とHans-Joachim Irmlerともコラボをやっていたり、Âmeとのコラボ・ライブをRoyal Albert Hallで行っているとのことで、その影響はあるかもしれません。また、A6 “Boys Keep Swinging”は、David Bowieのカバーであり、そこら辺にもこのアルバムを理解するヒントがあるのかもしれません。それでは、各曲について、ご紹介していきましょう。 ★A1 “Startup Loch” (5:57)は、静かなイントロから、強力な電子リズム隊とハスキーなGutの呟くようなVoが乗る曲で、後半ではバックに女性コーラスが薄ら入ってきて、オープニングに相応しいです。 ★A2 “Musik” (3:38)は、多層化したマシンドラムに、Gutの声が耳元で”Musik”と何度も聴こえてきます。何だか催眠術を受けているような気分になりますね。 ★A3 “Shuttle Service” (1:12)は、一見ランダムなシーケンスとマシンドラムのビートから成る小曲です。 ★A4 “Seltene Erde” (0:44)は、唸る電子音が大蛇のようにのたうち回るかのような小曲です。 ★A5 “Baby, I Can Drive My Car” (3:27)では、四つ打ちキックに簡素な電子音とGutのVoが最小限の音量でミックスされており、呪文のように聴こえます。最後に可愛い女性Voで終わります。 ★A6 “Boys Keep Swinging” (3:16)は、力強い四つ打ちキックと複数の女性Voと共に、GutのVoと滑るようなSynth-Bから成る曲になっており、随分原曲と雰囲気が違います。 ★A7 “Seven FMP” (2:02)では、怪しげな電子音の反復から始まり、生に近いドラムが入ってきますが、曲自体は結構ランダムな構成です。 ★A8 “Schienenersatzverkehr” (1:23)は、反復する電子音に合わせて、SE的電子音が絡みついてくる小曲になっています。 ★B1 “Lover” (5:17)は、直線的ベースラインとビートを中心に時に挿入されるSE的電子音や呻くようなGutのVoが強迫的に発せられる曲です。英詞ですが、終わり方がカッコ良い! ★B2 “Glieder” (3:40)は、独詩の朗読から始まり、軽い感じのポップな曲調となります。この曲では、Gutの声の魅力とアレンジ力が爆発しています。最後のノイズも良い! ★B3 “Biste Schon Weg” (4:13)は、フランジャーを掛けたドラムと多層化したドラムの組合せに、Gutの呟くようなVoが乗り、ダブルBっぽい低音が映える渋い曲になっています。 ★B4 “Are You Hungry?” (2:21)は、単調なリズム隊に、簡素な電子音とGut独特の呟くようなVoから成る曲ですが、後半は多重録音されたVoで終わっていきます。 ★B5 “Sein” (3:45)は、ランダムな電子音と四つ打ちキックに、割とハッキリしたGutのVoが聴こえる曲ですが、Voのテンポなのか?洗脳されている感じがします。 ★B6 “Backup” (3:39)は、今までとは全く異なる電子音によるランダムなノイズ的楽曲で、何故か、この曲が本作品を象徴しているか?あるいは次作へのヒントを提示しているように感じます。 思っていたよりも、かなり渋い作品で、ある種のエレクトロニカのようにも思えました。特に、GutのVoは、歳相応なのかもしれませんが、やや掠れ気味で、良い味だなあと感心してしまい、また、曲も、それまでの外方への向きから内省的な方向も感じられて、新鮮でした。1980年代のNDWが電子音楽とパンク/ポストパンクとの邂逅から生まれた私生児だとすると、2020年代には、当然、このようなエレクトロニカになるのかな?とも思いました。破茶滅茶さはありませんが、じっくり聴くことも出来る良作だと思います! B1 “Lover” (5:17) https://youtu.be/6FE5NpO9kao?si=PVDAc1AIGiHl-JQE [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lkqK112XALxdSeE_VPf30rSfj5zRqVWCk&si=W8vRsrLquqQPUQ39 #GudrunGut #Moment #MonikaEnterprise #SoloAlbum #5thAlbum #SynthPop #Electro #Experimental #AllInstruments #Self-Produced #EinstürzendeNeubauten #ManiaD. #Malaria! #Matador #MonikaWerkstatt #MonikaEnterprise #Oceanclub #Berlin
Experimental / Synth Pop Monika Enterprise 1400円Dr K2
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Der Deutsche Adel “s/t”
私は、このDer Deutsche Adelって全然知らなかったのですが、ヤフオクを眺めていて、ジャケで「これだ!」と思って思わず、ポチりました。Discogsで見ても、その素性は良く分かりませんでしたが、少し、調べてみました。先ず、Der Deutsche Adelと言うのは「独逸の貴族」と言う意味らしいです。それで、バンドの方は、1980年代に結成されて、独Düsseldorfで録音し、ミックスして、1984年に仏レーベルDivineよりリリースされたらしいのですが、今までCD再発などは全くされていないとのこと。メンバーは、Douglas Taylor (Vo), Milan Pistek (G, Back-Vo), Bruno Kieven (Kbd), Leon Kieven (B, Back-Vo, Perc), Jiri Douda (Drs, Perc)で、全員独逸人と思われていましたが、Pistekは、チェコ人で、Doudaは、恐らくハンガリー人らしいです。彼等の音楽は、Cold WaveとかGothic New Waveとか言われていたようですが、まぁそれは感じ方が人それぞれなので、重要ではないです。それで、本作品についてですが、ジャケ写は、オーストリアの俳優Erich von Stroheim (エンリッヒ・フォン・ストロハイム)の写真で、Jean Renoir監督の映画”La Grande Illusion”(第一次世界大戦の時の物語りだとか)から取られています。バンドの歌詞も、Stroheimの役の人物のセリフからの影響があるようです。端的に言うと、戦争が起こると、男は戦場に行くため、恋人と別れることになると言う心象風景を歌っているようです。この位しかDer Deutsche Adelについては分かりませんでしたが、実は、本作品を出した翌年1985年に、彼等は、 Le Printemps de Bourgesと言う仏のフェスで演奏しています。その後、Leon Kieven (B)とJiri Douda(Drs)は、Montanablueと言うバンドに加入、Milan Pistek (G)は、Sanov 1と言うバンドに加入して、アルバム”Konec Sveta”も作製しているとのことです。 と言う訳で、本作品について紹介していきましょう。と言うか、Der Deutsche Adelの作品はこれしか無いんです。しかも、結成とかに関する情報もありません。まぁそれはそれとして、各曲についてご紹介していきますね。 ★A1 “Unfurled Flags” (3:10)は、シーケンサーとシンセの絡みがやや仰々しいですが、劇的な展開を見せるニューウェーブな曲で、それぞれのスキルの高さがよく分かります。 ★A2 “Build Those Fires” (4:15)は、ミドルテンポの曲で、割とGのリフとDrsのパタンで曲が進行する感じで、ちょこっとだけ中近東風のリフが聴けます。サビではBが唸りますね。 ★A3 “Dive” (2:35)は、鈴の音で始まり、唸りまくるBが曲を引っ張っていく感じで進行しますが、サビの静かな所でのシンセも良い塩梅です。Voにもう少し個性があったら、素晴らしいと思います。 ★B1 “Sometimes” (3:55)は、切羽詰まった感じのする緊張感溢れる曲で、Gのリフやコーラスも含めて、結構キャッチーだと思います。間奏で静まる構成はメジャーっぽいですね。 ★B2 “Sally Oh Sally” (4:35)では、柔らかいシンセにGのリフが被って始まりますが、Voは一曲全部コーラスワークで進行します。何となくメジャー臭がするアレンジですねぇ。 ★B3 “Guess Works” (3:35)は、硬い音色のDrsとリリカルなピアノを中心にVoが悲し気に歌う曲ですが、メロディには希望が含まれており、救われます。 このバンドは、時期的にはNDWなんでしょうが、どうもその本質は、メジャー予備軍のようなニューウェーブ・バンドではないかと思います。それが良いか悪いかは別として、この一作で消えたのが惜しいかなとも思います。個人的には、もっとシンセとかをバンバン使って欲しかったですね。あと、Voにももう少し個性が欲しかったですね。そうしたら、もう少し人気も出たかも? https://youtu.be/qBIuM_GHRAM?si=J-yZb7PMTD-eWZ-F #DerDeutscheAdel #Divine #Mini-Album #FirstAlbum #1984年 #NewWave #GermanNewWave #DouglasTaylor #MilanPistek #BrunoKieven #LeonKieven #JiriDouda
New Wave / NeueDeutscheWelle / German New Wave Divine 2090円Dr K2
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Einstürzende Neubauten “Rampen (APM; Alien Pop Music)”
Einstürzende Neubautenの新譜が出た(2024年4月現在)! これは思わず買ってしまいますよね?って私だけ? と言う訳で、約40年以上も、独NDW(正確には”Festival Genialer Dilletanten)から独自の道を歩み、メタル・パーカッションなる「楽器」を定着させ、更に自作ノイズ装置を楽器として使いながらも、ポップソングのように歌う、しかも通常のドラムもドラムマシンも無しだ。こんなバンド、他に無いだろう。しかも、パトロン制やサポーター制で独自の配給も行っています。ノイズ・ミュージックが世間に馴染んできたからこそ、その特異性が際立つと言うものだと思うんですよ。そんな訳で、丁度今、NDWにハマっている私には朗報でした。まあ、彼等のバイオグラフィーは今まで散々書いてきましたので、ここでは、省略させて頂きますが、現在のメンバーだけ紹介しておきます。Blixa Bargeld (Vo, Piano, others), Alexander Hacke (B, others), N.U. Unruh (Meral, Noise), Jochen Arbeit (G, others), Rudolph Moser (Per, Metal, others), Felix Gebhard (Synth, others)となっています。更に、ライナーを読むと、2022年のツアーの頃から録り始めていた即興演奏の部分から23個のピースを集めて、そこから、ベルリンのスタジオ内で再度作り込んでみて、何度も編集やオーバーダブをして、15曲分のベストテイクを選んだらしいです。それについては、Blixaは、「The Beatlesと同じ作り方だろ?」とコメントしています。如何にもBlixaらしいですね。と言う訳で、各曲についてご紹介ししていきましょう。 ◼️LP1 ★A1 “Wie Lange Noch?” (5:17)は、プラ・パイプとメタパーでのリズムに、BとBlixaの抑圧的な歌が乗る曲で、サビに向かって盛り上がりますが、突如ブレイクが入ります。 ★A2 “Ist Ist” (3:49)では、ゴリゴリのBが曲を引っ張り、そこにメタパーやノイズが乗りますが、Blixaは自然体で色んな唱法を試しており、それらを多層化しています。 ★A3 “Pestalozzi” (5:10)は、微かなドローンにBlixaの歌で始まり、バックでメタパーやキックが聴こえます。また、コーラスワークともバッチリですが、この曲は英詞なんですね。 ★A4 “Es Könnte Sein” (3:20)は、微かな呟くようなVoとアコギのアルペジオで始まりますが、鐘の音やコーラスの後にいきなり盛り上がり、ちょっとぐちゃぐちゃになりますが、最後に向かって、反復し続けます。 ★B1 “Before I Go” (4:19)も、微かなリズム音と呟くようなVoで始まり、やがて様々な音が混じってきます。この曲も英詞ですね。途中で山場があり、その後は可愛らしいピアノや弦楽器のサンプリング音も聴取できます。 ★B2 “Isso Isso” (4:54)は、キック音で始まり、呪文のようなVoと共に、やがてBも入って来ると、独特のグルーヴが生まれます。表題は”That’s Right”と言う意味です。Blixaの引き攣るような唱法も聴けます。 ★B3 “Besser Isses” (4:48)の始めは、微かなシンセ音に殆どBlixaの独唱なのですが、Bが入ってくると、俄然曲っぽくなってきます。ここら辺の盛り上げ方は本当に上手いですね。 ★B4 “Everything Will Be Fine” (4:48)も、ガサゴソした音をバックに呟くように語るVoが暫し続きますが、オルガン?が入って来ると、そこでBlixaも盛り上がり、メタパーやコーラスも入ってきます。この曲は独英詞ですが、違和感は無いです。 ◼️LP2 ★C1 “The Pit Of Language” (4:31)では、静寂から始まり、Bのリフと共にVoも入ってきます。その後もシンセやマリンバも加わります。なお、これも英詞です。 ★C2 “Planet Umbra” (8:44)では、Bとオルガンの反復で始まり、やがてキックと共にVoが入ってきます。これも英詞なんですが、Blixaにしては珍しくちょっとSFチックな内容ですね。メタパーも遠くで聴こえますが、得体の知れない音が時々挿入されます。 ★C3 “Tar & Feathers” (5:15)は、ずっと続くコーラス?のバックに何かの楽器によるリフが微かに聴こえる曲で、やがてその空気を捻じ曲げるように、BlixaのVoが入ってきます。この曲も英詞ですが、短い歌詞で、曲も直ぐに終わります。 ★D1 “Aus Den Zeiten” (5:13)では、比較的直線的なBラインに、演劇的な語り口なVoとキックが入ってきて、更にホワイトノイズのスネアが入って来ると、曲は沸点を迎え、一度クールダウンしますが、再び盛り上がってきます。 ★D2 “Ick Wees Nich (Noch Nich)” (3:13)では、何とも怪しい音の中、Voや変調したメタパーのリズムやBのリフ等が折り重なり、高揚していきますが、最後は諦念でしょうか? ★D3 “Trilobiten” (6:16)では、アコギのアルペジオをバックにBlixaが1人語りのように歌いますが、ここでは珍しくハキハキと歌っています。やがて、キックとBも入ってきて、曲は盛り上がります。 ★D4 “Gesundbrunnen” (5:15)では、プラ・パイプのリズムとBのリフのバック遠くで、Blixaの声が聴こえますが、直ぐに前面に出てきます。それに混じって、色々な音が聴こえてきます。Blixa独特の唱法の後、一旦、曲は静まり返りますが、やがて立ち上がり、そのまま終わります。 もう、ここまで来ると、大御所としての「E. Neubauten節」と言うか、「Blixa節」を堪能させてもらった感がありますね。C2でのBlixaの新境地の歌詞もちょっとビックリしましたが、それよりも何よりも、あんなガラクタだらけの「楽器」で何故、こんなに繊細な音楽が演奏できるのか?そちらの方の「成熟度」に興味が移ってしまいました。これって、最早、彼等にしか出来ない伝統芸能なのかもしれませんね。完璧なアンサンブルです❗️まぁ大御所なので、曲の展開なんかは、初めから分かってしまうのですが、分かってしまっても、最早、そこが良いとも思ってしまいます。若い時の彼等も知っているので、その変遷具合にビックリしてしまいますが、彼等が奏でる静かな音楽も、私は良いと思いますよぉー! [live “Rampe” in Vienna, 2022] https://youtu.be/brQsak_8Cd8?si=7U1DTzzkHnpPkcix [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lbiOjP2TZSvaa5IK1JwwxwosRY5iMtcBo&si=qeOqGmrfZf_0_FKu #EinstürzendeNeubauten #Rampen #APM;AlienPopMusic #Potomak #2LPsAlbums #GermanRock #ExperimentalRock #Improvisation-Based #Rework #Edit #BlixaBargeld #AlexanderHacke #N.U.Unruh #JochenArbeit #RudolphMoser #FelixGebhard
Experimental Rock Potomak 5940円Dr K2
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V.A. “Swiss Wave The Album”
Neue Deutsche Welleが独で流行り出した頃、当然、隣国のスイス(特に独逸語圏)でも、そのような音楽が注目されてきた訳ですが、それをいち早く察知して作られたのが、このコンピレーション・アルバム”Swiss Wave The Album”です。その頃には、既にGrauzone (グラウツォーネ)やLiliputはある程度人気がありましたが、他のバンドはまだ良く知られていませんでしたので、ここで、紹介していきたいと思います。先ずは簡単にバンドのメンバーとかを書いて、その後に各曲を紹介していくことにします。 ◉A1, A2; Grauzoneは、1980年にBernで結成されたスイスのNDW/ポストパンク・バンドで、1981年にリリースしたシングル"Eisbär(北極熊)”が独で12位、オーストリアで6位とヒットしています。メンバーは、Martin Eicher (Vo, G, Synth), G.T. (B), Marco Repetto (Drs), Claudine Chirac (Sax)で、1982年頃には解散しています。 ◉A3; The Sickは、Marcello Pinna (Vo), Röfe Hobi (G), Wäle Demuth (B), Markus Tränkle (Drs)で、略歴は不明ですが、Tränkle (Drs)は後にBayer名義でMother’s Ruinに加入しています。 ◉A4, B3; Jack & The Rippersは、1978年前頃から活動を始めたパンクバンドで、メンバーは、John Seilern (Vo), Francis Seilern (G, Vo), Babine (B), Philip Turrian (Drs)で、1本のカセット・アルバムと1枚のシングルを出していましたが、後にセルフ・コンピも出ています。 ◉A5, A6; Liliputは、1978年にZürichで結成されたパンクバンドで、元々Kleenexと名乗っていましたが、企業名と同じなのが問題になって改名しています。メンバーは全員女性で、ここではChrigle Freund (Vo), Marlene MarderことMarlene Marti (G), Klau SchiffことKlaudia Schifferle (B), Lislot Ha. (Drs), Angie BarrackことAngela Schleitzer (Sax)です。メンバーチェンジもしましたが、スイスのThe Raincoatsとも呼ばれており、2枚のアルバムをRough Tradeから1982年と1983年に出しており、2000年代にはボックスセットやセルフ・コンピレーションも出ています。 ◉B1, B2; Rudolph Dietrich & KDFは、Dietrich (Vo, G)で、KDFことKraft Durch Freudeには、Heinlich Heinricht (B, Back-Vo)とTomy Wylder (Drs, Back-Vo)から成るパワーポップ・バンドで、1979年にミニアルバム”Wir Bleiben Kameraden”と1980年に1枚のシングルを出しています。 ◉B4; Ladyshaveは、Enzo Esposito (Vo, G), Phil Esposito (B, Back-Vo), Adolph B. Schlatter (Drs)から成るパンク・バンドで、1984年にカセット・シングルを出しています。 ◉B5, B6; Mother’s Ruinは、1978年3月に結成されたニューウェーブ・バンドで、メンバーは、Sylvia Holenstein (Vo), Markus Engelberger (G), Reto Ressegatti (G), GulyことAndrej Gulewicz (B), BayerことMarkus Tränkle (Drs)で、3枚のシングル以外に、1979年にミニアルバム”Godzilla”と1981年にフルアルバム”Want More”を出しています。 それでは、各曲の紹介です。 ★A1 Grauzone “Eisbär” (4:45)は、当時のヒット曲でもあり、寒々したSEからポップソングが始まり、Voは元気一杯で、サビでのシンセとGとその後のSaxが効果的で、カッコ良いです! ★A2 Grauzone “Raum” (4:00)では、出だしも凝っており、その後には簡素なポップソングが続きます。間奏のSaxも優しい音色です。目覚まし時計がポイントかな? ★A3 The Sick “World War Three” (3:15)は、音質も曲調もかなり荒い性急なパンクロックで、元気一杯ですね。間奏のGもカッコ良いです。 ★A4 Jack & The Rippers “I Think It's Over” (2:45)は、やや雰囲気のあるポストパンクな曲で、ちょっとスカスカな所がまた魅力です。 ★A5 Liliput “Hitch-Hike” (2:35)も、ややスカスカしたいたポストパンクな曲で、Saxが隠し味になっています。普通なんですが、何か分からない魅力があります。 ★A6 Liliput “DC-10” (3:25)は、ロータムを使った土俗的リズムで始まりますが、UKのSax入りロックよりも独のそれに近い感覚の曲です。 ★B1 Rudolph Dietrich & KDF “Lies” (2:20)は、Gのリフを上手く使ったパンクロックで、コーラスワークが良いですね。歌詞はやっぱり英語なのかな? ★B2 Rudolph Dietrich & KDF “Do What You Want” (3:10)は、硬質な感触のパンクロックと言うかロックンロールで、やはりコーラスワークが効いています。 ★B3 Jack & The Rippers “Down” (1:55)は、元気一杯のポストパンクな曲で、こちらもコーラスワークが良く効いてます。 ★B4 Ladyshave “Tonight” (3:50)では、エフェクターを掛けたGと通常のGの2本立てで、ポップソングを演奏しています。ちょっと泣けるキャッチーな曲です。 ★B5 Mother's Ruin “Heartbreak” (2:55)は、やや焦燥感のある雰囲気の曲で、それを後押しするVoの歌唱力やバックの演奏も素晴らしいです。 ★B6 Mother's Ruin “With Us” (4:35)も、アコギとGを使ってのポップソングで、こちらは一種の爽やかさを感じますね。最後のGソロも派手すぎず良いですね。 全体として思ったのは、独のNDWが、割と独逸語に拘っていたのに対して、スイスのNDWは、初めから英語での表現になっているのが、興味深かったです。また、モロにパンクなバンドもいますが、多くはポストパンクで、かつスカスカのバンド・サウンドの曲が多く、それも特徴かな?って思いました。Grauzoneは、以前にボックスセットを紹介していましたので、何だかまた聴きたくなってきました!皆さんも、スイスを侮るなかれ! B4 Ladyshave “Tonight” (3:50) https://youtu.be/-RNqkiYEdEI?si=gVefw-MiBrXkcSpX [full album excerpt B4] https://youtube.com/playlist?list=PLYVDPCHD0uYPvUsO9HfgAxcbawUhl31gk&si=TzrINEc9GLOi_6tD #VariousArtists #SwissWaveTheAlbum #Babylon #OffCourseRecords #CompilationAlbum #1980年 #PunkRock #NewWave #SynthPop #Switzerland #Grauzone #TheSick #Jack&TheRippers #Liliput #RudolphDietrich&KDF #Ladyshave #Mother’sRuin
Punk, Synth Pop, New Wave Babylon / Off Course Records €10.00Dr K2
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Neonbabies “1983”
また、Neonbabiesですが、今回は、サード・アルバムにして、最後のアルバムとなった”1983”を紹介します。前回、書きましたように、ギターがToni Kambizに代わっていますが、1曲だけ、前任のNikolaus Polakがシタールで参加しています。それで、メンバーは、Inga Humpe (Vo, Kbd), Reinhard Meermann (Vo, Sax), Kambiz (Vo, G), Conny Cool (Vo, B), Toni Nissl (Drs, Perc)で、ゲストとしてNikolaus Polak (Sitar [A3])も参加しています。また因みに、プロデュースはGareth Jonesが担当しています。内容的には、A面5曲/B面4曲が収録されています。それでは、各曲をご紹介していきましよう。 ★A1 “Blondinen” (4:17)では、ピアノとDrsの怪しい雰囲気で始まり、サビでは跳ねるようなリズムで盛り上がります。まるでサスペンス映画のサントラ風の曲です。 ★A2 “Junge Männer” (4:17)は、上下するBラインとIngaの堂々とした歌声がよく通る曲で、Gとかオルガンのかの細かいアレンジが良くイキています。最後の間奏でのフリーキーなSaxとかもいい感じです。 ★A3 “Horizont Ohne Ende” (5:15)は、ミドルテンポの曲ですが、所々にシタールが入ってきてオリエンタルな雰囲気ですが、サビではIngaのメインVoとコーラスワークの絡みも効果的です。 ★A4 “Matrosen” (4:37)は、ゆったりしたポップソングで、Voは男性、朗々と歌っています。コーラスも男性で、中々良い味を出しています。途中、Drsが少し暴れて盛り上げます。後半のストリングスは良いですね。 ★A5 “Regina” (4:41)も、男性Voのポップソングで、割とDrsが活躍していますが、バックにはKbdやSaxも聴取できます。 ★B1 “Hallo Fremder” (3:36)は、多重録音されたIngaのVoで始まるミドルテンポのポップソングで、Bサビでの男性コーラスも活かしています。エレピの音もグー! ★B2 “Engel” (3:58)は、Saxで始まる元気な曲で、Gのリフもカッコ良いです。VoはIngaですね。本アルバムでは珍しくSaxとストリングスがよく効いてますね。 ★B3 “Herzversagen” (4:54)は、またもや男性Voがメインのスパイ映画調の曲で、チョコっと入ってくるSaxが、また良い塩梅です。サビのKbdも雰囲気バッチリです。 ★B4 “Fata Morgana” (5:59)は、やや重めのスローなDrsをバックに、呟くようで力強く歌うIngaとGの音が良くマッチした曲で、サビでIngaが歌い上げるのは良いですね。盛り上がったまま、フェイドアウトしていきます。 Gareth Jonesのプロデュースのせいなのか、歌とDrsに音の焦点が当てられており、GやB、Saxは余り前面に出てきていません。個人的には、割と好きなミックスなので、セカンドの”Harmlos”よりポップで、気に入りました。でも、恐らく、バンド内部は何らかの問題を抱いていたと想像されるので、諸手を挙げて喜べませんが、本作品は彼等のポップネスを感じるのに良いアルバムだと思いますよ!もし入手できたら、聴いてみて下さい! *アルバム単位ではYouTubeに上がっていませんでしたので、アップされていた曲だけ貼っておきます。 A1 “Blondinen” (4:17) https://youtu.be/_eoLRQNQcTc?si=JoagGj4703cDerAZ A3 “Horizont Ohne Ende” (5:15) https://youtu.be/J7qsAlKLb0g?si=Bdte2MDG9WE8dw8P B1 “Hallo Fremder” (3:36) https://youtu.be/SD0lOzpTVp8?si=sutpm48dyUG1CBdj B2 “Engel” (3:58) https://youtu.be/yMX82sVsoh8?si=wTBGYPKGAlkK06K0 B3 “Herzversagen” (4:54) https://youtu.be/Ex3C8GZRRF8?si=jpyoSSw0imh6JT1S B4 “Fata Morgana” (5:59) https://youtu.be/8qxtELvBhc4?si=2aDQqz2416AAglcg #Neonbabies #1983 #Ariola #ThirdAlbum #FinalAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PopRock #Sax #Keyboards #IngaHumpe #ReinhardMeermann #ToniKambiz #ConnyCool #ToniNissl #Guest #NikolausPolak #Produce #GarethJones
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Rock Ariola €12.00Dr K2
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Neonbabies “Harmlos”
久々のNeonbabiesです。今回はセカンド・アルバム”Harmlos (ハールムロス)”を紹介します。その前に、久々なので、Neonbabiesの略歴を簡単に纏めておきます。Neonbabiesは、1979年にベルリンで結成されています。その時の結成メンバーには、Inga DiLemmaことInga HumpeとAnnette Spinettiこと実姉Annette Humpeがいました。1979年に、Neonbabiesは、Havelのゲストハウスでライブデビューしており、その後、Nikolaus Polak (G; ニコラウス・ポラック), Conny Homeyer (B; コニー・ハーメイヤー), Toni Nissl (Drs; トニ・ニシル)及びReinhard Meermann (Sax; ラインハルト・メアーマン)のメンツで、初めてビートスタジオで録音を行い、この時に制作されたEPが1980年初めにリリースされています。このEPには、AnnetteのバンドIdealのヒット曲”Blaue Augen(ブラウエ・アウゲン)”の元曲が含まれています。1980年秋には、彼等のセカンドEP”Die Krönung (ディ・クレヌンク)”がリリースされ、1000部リリースされましたが、僅か数日で完売しており、ベルリンを代表するバンドになっています。ちょっと話しが前後しますが、1980年初頭、Annetteは自身のバンドIdealを移り、代わりにMikoことPetra Mikolajczuk (ペトラ・ミコワイチュク)が加入しますが、ファースト・アルバムを制作後、脱退しています。このファースト・アルバムは、インディーズレーベルGood Noise Recordsからリリースされましたが、20000部が売れ、大ヒットしています。1982年に、Dave Hutchinsは、Conny Plankのスタジオで、本作品でもあるセカンド・アルバム”Harmlos”を録音し、Ariolaからリリースしています。その年の夏に、彼等は国内ツアーを行い、蘭でのベルリン・アムステルダム・フェスティバルでも演奏しており、初のTV生出演もしています。彼等は、同年8月に、ベルリンのWaldbühne(ヴァルドビューネ)でコンサートを行い、その模様は、ARD第3番組で放送されています。その後、Nikolaus Polak (G)が脱退し、Toni Kambiz (G; トニ・カムビツ)が加入し、1982年秋にDrafi Deutscher(ドラフィ・ドイッチァ)のプロデュースでシングル”Ich Bin Ein Mann”をリリースしましたが、商業的には売り上げは大きく下回りました。1983年には、Gareth Jonesのプロデュースで、ベルリンのHansa Studioにてサードアルバム”1983”を録音し、Ariolaからリリースしめしたが、バンドはまもなく解散しています。最後のシングル”Eiskalte Engel”が、同年10月にリリースされていますが、これはアルバム”1983”の中の曲”Engel”のリミックスであり、Inga Humpeのファンへの別れの贈り物と考えられています。この解散の時、Inga & Annette Humpe姉妹は、Prokopetz, Manfred O. “Fredi” Rauchenは、Deutsch-Österreichisches Feingefühl (DÖF; ドイッチュ・エステライハッシェ・ファインゲフューレ; German-Austrian Sensitivityの意)と言うNDW関連のプロジェクトに加入していますが、これはバンドと言うよりもキャバレー・プロジェクトみたいな存在です。 と言うのが、Neonbabiesの略歴となります。先述のように、メンバーは、Inga Humpe (Vo, Kbd), Reinhard Meermann (Sax, Kbd), Nikolaus Polak (G), Conny Cool (B), Toni Shanghai-Nissl (Drs)の5人で、プロデュースは、Dave HutchinsとNeonbabiesとの共同でやっています。割と、バンドもノリに乗っていた頃のアルバムですが、他のNDWのバンドと違って、バックの演奏も結構上手くて、改めて聴いてビックリしました。まぁ、それは置いておいて、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Alibi” (3:05)は、結構、BやGがブリブリ効いた曲で、Saxも効果的な曲で、IngaのVoも力強い。 ★A2 “Reise” (4:15)は、不穏と言うか落ち着いた曲で、Drsもドコドコしており、レゲエ調だったりで複雑なアレンジです。Saxのオリエンタルな響きも中々よい。 ★A3 “Angelogen” (1:28)は、アップテンポの勢いの良い曲ですが、間奏のSaxも吹きまくってますね。Ingaも緩急付けて歌ってます。 ★A4 “Ausser Sich” (2:44)は、ちょっと不思議なメロディ・ラインなのですが、IngaのVoとカシオも良い味です。とにかくSaxは吹きまくってますね。 ★A5 “Carosello” (3:54)は、変則4拍子のDrsにBが絡んできて、Ingaが切なく歌っています。サビでの疾走感は良い感じですし、Ingaも声を張り上げています。 ★B1 “Moderne Liebe” (3:34)は、スカっぽいリズムでダンサブルな曲で、Bが凄テクですが、中々のパーティーソングに仕上がっています。Saxも良い味付けです。 ★B2 “Triebtäter” (5:44)は、シグナル音で始まり、やがてカシオの可愛らしいメロディとIngaの囁くようなVoのダンサブルな曲になります。相変わらずSaxは吹きまくってます。 ★B3 “Roboter” (3:22)は、カシオの不協和音を上手く用いたポップソングで、IngaのVoも力強いです。途中からのカシオのコード弾きも良い味です。 ★B4 “Gemini” (3:16)は、細かいGのカッティングから始まるスパイ映画のような曲ですが、Ingaは囁くように歌いますが、サビでは声を張り上げます。また多層化したSaxも雰囲気抜群です。 ★B5 “Aiaiaiaiai” (2:11)は、ドコドコしたDrsにスライド奏法のGが加わり、更に伸びやかなSaxが乗る曲で、カシオ低音やIngaの掛け声が入ったと思ったら、急に終わります。 何か久しぶりにNeonbabiesを聴いたこともあってか、もっとKbdとかを多めに使って、如何にも「ニューウェーブ」な音を期待していたのですが、今回、聴いた感じは、Kbdは少な目で、代わりにSaxとかが大活躍しており、ちょっと戸惑ってしまいました。しかしながら、ポップソングとしては、凝ったアレンジが効いていて、中々聴き応えのある曲が並んでいますので、結構、楽しめました。そんなNeonbabiesのセカンド・アルバム、聴いてみますか? https://youtu.be/gnBiYJD82-M?si=fxeyAGXnfdgOIM8G #Neonbabies #Harmlos #Ariola #2ndAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PopRock #Sax #Casio #IngaHumpe #ReinhardMeermann #NikolausPolak #ConnyCool #ToniShanghai-Nissl
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Rock Ariola €6.00Dr K2
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Malaria! “New York Passage”
Malaria!については、以前にも取り上げましたが、元々、全員女性バンドであったMania D.から発展したバンドで、こちらも全員女性バンドになっています。以前にも紹介していますので、あらましについては、前回のバイオグラフィーをご参照下さい。それで、Malaria!は、1981年、西ベルリンで、Gudrun Gut (Drs, B)とBettina Köster (Vo, Sax)によって結成されており、同年、セルフタイトルの12インチ・マキシ・シングルを出しています。その中に収録されている曲B1 “I Will Be Your Only One”が、今回は5人のメンバーで、かつニューヨーク録音によって、A面”Your Turn To Run”に生まれ変わったんです。他の3人と言うのは、Susanne Kuhnke (Synth, Kbd), Manon Duursma (G), Christine Hahn (B, Drs)です。テンポも上がって、バックの音も厚くなり、Voも多重録音することで、かなり垢抜けた印象になりました。B面もポストパンク的なアレンジが為されており、随分と雰囲気が変わっています。実際、このシングルが最も売れたアイテム(USでもヨーロッパでもインディーズ・チャートでトップ10に入っています)で、これがキッカケで、The Birthday Party, John Cale, Nina Hagenとツアーも出来るようになりました。また、本シングルの”Your Turn To Run”及び他2曲(“You You”と”Gold/ Money”)は、米国人監督Anne Carlisleによる、独逸のドキュメンタリー映像”Super 80”にもMVが使われています。あと、彼女等は、英詞で歌っていることも多く、割と早いうちから、英語圏への進出を考えていたのかなとも思います。でも、私が好きな曲は独逸語歌詞の曲なんですよね。と言う訳で、Malaria!で最も有名なシングルを紹介していきます。A面はEnglish Sideとして、先述の曲1曲で、B面はDeutsch Seiteとして2曲、収録されています。それでは、それぞれの曲をご紹介していきます。 ◼️English Side ★A “Your Turn To Run (I Will Be Your Only One)” (4:11)は、太いSynth-BとドコドコしたDrsのリズム隊に、ポストパンクっぽいGと朗々としたVoや囁くようなVo (ひょっとしたら別人?)が自在に絡む、正にMalaria!らしい名曲ですね。間奏のSaxもグーだし、終わり方も秀逸です。元曲”I will Be Your Only One”よりもずっと垢抜けています。 ◼️Deutsche Seite ★B1 “Zarah” (3:20)は、虫の音みたいなシンセで始まり、やはり都市民族的リズム隊が入ってきて、それに合わせておどろおどろしいようなVoが入ってくる曲で、GよりシンセやVoに重心を置いているところがMalaria!っぽいです。 ★B2 “Duschen” (4:14)では、ややフリーっぽいDrsとBをバックに、Voが入ってきたと思ったら、いきなりアップテンポで走り始めていき、サビで一旦落ち着くのですが、また走り回ります。間奏のSaxやChoirも良いアクセントになっています。 個人的には、Deutsche Seiteの方が好みなのですが、まぁ、それは人それぞれと言うことで。それにしても、A面は相当、垢抜けていると思われます。それと、裏ジャケの彼女等の写真がカッコ良いこと! 皆さんもこれを聴いて、独逸産都市部族的音楽を堪能してみて下さい! https://youtu.be/hQCDbguGeT0?si=r_wEwmfGV39pEjGo [オマケ: A面元曲”I Will Be Your Only One”] https://youtu.be/rC1aOSfjmqA?si=gUuyG_N2RD8jb8dk #Malaria! #NewYorkPassage #JungleRecords #DasBüro #12inchMaxi-Single #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #AllFemaleBand #EnglishSide #YourTurnToRun #IWillBeYourOnlyOne #Re-Recording #DeutscheSeite #Zarah #Duschen #GudrunGut #BettinaKöster #SusanneKuhnke #ManonDuursma #ChristineHahn
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop Jungle Records / Das Büro 3300円Dr K2
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Palais Schaumburg “Parlez-Vous Schaumburg ?”
とうとう、Parais Schaumburg (パレ・シャンブルク)のサード・アルバム“Parlez-Vous Schaumburg ?”を入手しましたが、何でこれを欲しかったと言うと、石野卓球氏が紹介していたことと、それだけ音が変わったのなら、じゃあ聴いてみようとなったことだと思ったからです。また、セカンド・アルバムではVoだったWalter Thielschが脱退してしまい、この時のメンツは、Thomas Fehlmann (Synth, Trumpet; 後にAmbient ProjectであるThe Orbを結成), Moritz von Oswald (Drs &Perc; 1990年初頭には、Minimal / Dub Technoを始め、レーベルBasic Channel & Chain Reactionを運営), Ralf Hertwig (Drsで入ってVoへ; その後、2MBや3MB名義でDub Technoを始める)の3人で、ゲストシンガーにInga Humpe (元Neonbabiesで、後にDeutsch-Österreichisches Feingefühl[以下DÖFと表記]を結成)も加わっています。つまり、Palais Schaumburgはアルバムを出す度に、Voが代わっています。そして、バックに演奏をしていたメンバーはダブ・テクノの活動をすることになっています。そんな出入りの激しいグループですが、1984年には、Palais Schaumburgは解散しています。恐らく、このメンバーでは、1年程しか活動していないようです。ただ音的には、Holger Hillerのいたファースト・アルバムの時とは大きく異なり、それこそDepesche Modeのようなエレ・ポップな内容になったようです。本作品はサード・アルバムにして、最後のアルバムになり、内容的には、両面4曲ずつ収録されています。それでは、各曲について、ご紹介していきましよう。 ★A1 “Easy Go” (4:15)は、シングルカットされた曲で、キャッチーなエレ・ポップですね。しかも、耽美的でダンサブルです。ホーンやコーラスワークもバッチリです。 ★A2 “Spy Versus Spy” (3:36)は、ガムラン様のパーカッションとDrsに合わせて、シンセや跳ねるようなBが乗り、耳元で囁くようなVoとホーン類が何とも雰囲気を醸し出しています。 ★A3 “The Tart” (3:33)は、ちょっと不思議なスケールのリズム隊(Synth-B)に、甘いシンセとVoが乗る曲で、サビでは盛り上がりますね。リズムはドラムマシンですね。 ★A4 “3 Young Men”(4:05)は、何ともゴージャスなシンセのイントロで、少しだけ日本のゲルニカっぽい展開で、クラシック歌謡のような複雑な曲の進行となっています。リズムはそれ程強調されておらず、アンサンブルに重きを置いています。終わり方が良いですねー。 ★B1 “Quiet Village” (4:10)は、ちょっとびっくりするイントロですが、その後は、ダンサブルなエレ・ポップと言うかファンカラティーナになります。Voやコースワークもぴったしですが、歌詞は英語なのかな? ★B2 “Name The Cats” (4:30)では、B1と連続して始まり、怪しげなベースラインが中心にドラムマシンやシンセとなりますが、Voや女性コーラスも中々聴かせてくれます。Gも入っていて、ちょっと凝った曲ですね。 ★B3 “Beat Of 2” (5:00)も、シングルカットされた曲で、キラキラした陽性のエレ・ポップで、サンプラー音(ホーン類の音等)も使っているようで、当時としてはハイ・テックな機材での曲ですね。 ★B4 “What's The Time” (5:00)は、ゆったりとしたスローな曲で、「ジャングル大帝」とゲルニカの混合物を想起することような威風堂々たる雰囲気ですね。なので、そんなにビート感はありません。 まあ、Voが変わるだけで、こんなにも音楽が変わるんだとビックリしてしまいました。初代VoがHolger Hillerで骨折ファンクを、2代VoがWalter Thielschでラテン系エレ・ファンクを、そして3代VoがRalf Hertwigで、Depeche Modeのようなゴージャスなエレ・ポップを演奏しており、最早、Neue Deutsche Welleではなくなっていますね。歌詞も英語だし。まあ、これがキッカケとなったかどうかは分からないですが、各人がそれぞれ、ダブ・テクノの道へやThe Orbへと進んでいくのが、何とも独逸人らしいと言うか何と言うか。しかしながら、本作品での曲作りは一流ですので、プレ・テクノのエレ・ポップに興味のある方にはお勧めしますよ! https://youtu.be/Q_LsWfGqgO0?si=mRIHKWEMQ02O9LJp #PalaisSchaumburg #Parlez-VousSchaumburg? #Phonogram #ThirdAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ElectroPop #SynthWave #Synthesizers #ThomasFehlmann #MoritzVonOswald #RalfHertwig #Guest #IngaHumpe
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Pop Song Palais Schaumburg / Phonogram 3950円Dr K2
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Sprung Aus Den Wolken “Pas Attendre/Que Pa”
久しぶりに出ました!独のSprung Aus Den Wolken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン;以下SADWと表記)の12㌅マキシ・シングル“Pas Attendre”/“Que Pa“です。SADWは、元々ベルリン在住のKiddy Citnyのソロプロジェクトとして、1981年に活動を開始しており、メンバーの変遷を経て、現在は、CitnyとRenault Schubertのデュオになっているようです。詳細については、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、Wim Wenders監督の映画”Der Himmel über Berlin (ベルリン・天使の詩)”のサントラに使われた曲で、Kiddy Citnyの他、後にEinstürzende Neubautenに入るAlexander HackeとJohann Arbeitの他、Peter PrimaとThierry Noirも参加しています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Pas Attendre” (4:34)は、淡々と続く単調なリズムに、不釣り合いな程、感傷的なアコギのカッティングと悲しげに歌い上げるVoが堪らない曲になっています。また、バックのノイズや最後のフリーキーなGソロも聴かせてくれます。 ★A2 “Pas Attendre (Minimal)” (1:48)は、A1の別ヴァージョンで、アコギの弾き語りから始まり、後からDrum Machineが入ってきます。 ★B1 “Que Pa” (3:41)も、エレ・アコの弾き語りで始まりますが、Voが渋い男性低音の語りなので、グッときます。後から入ってくるGソロやアコーディオンやシンセも結構、通好みですね。 ★B2 “Que Pa (Minimal)” (2:56)は、重低音のキックとBに合わせて、語り口なVoが入ってきますが、バックにメタル・パーカッションらしき音やノイズも入ってきて、とてもB1と同じ曲とは思えないですね。 A1やB1は、素直に、心にグッとくる曲で、SADWでもこう言う音楽、ちゃんと出来るんだと感心しますが、問題は、B2のヴァージョンで、これは明らかにAlexander Hackeとかの影響だろうなと思う位、破壊的なミックスがしてあります。特に、バックにメタル・パーカッションなんかを入れる所なんかは「モロ」ですね。いゃ〜凄い振り幅のあるシングルでした。もし、映画も観ている方は、是非、こちらのマキシ・シングルもチェックしてみて下さい! A1 “Pas Attendre” (4:34) https://youtu.be/N_YMhA-yISs?si=LNNoRgDYl5DYGilO B1 “Que Pa” (3:41) https://youtu.be/ebBtUro5z-E?si=hfpGRUc8--BSnhpF #SprungAusDenWolken #PasAttendre #QuePa #LesDisquesDuSoleilEtDeLAcier #MaxiSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Rhythm #KiddyCitny #AlexanderHacke #JohannArbeit #PeterPrima #ThierryNoir #WimWenders #DerHimmelüberBerlin #ベルリン・天使の詩 #Soundtrack
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Les Disques Du Soleil Et De L'Acier 1000円Dr K2
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Andreas Dorau “Das Wesentliche”
またまた、Andreas Dorauのアルバムです!2019年の新録アルバムです(最新作と思っていたら、2024年にアルバム”Im Gebüsch“が出てました)。彼のバイオグラフィーについては以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、Das Wesentliche (ダス・ヴェゼントリッヒェ「核心」)と題されていますが、その真意は?と勘繰ってしまいます。まぁ、彼のことですので、Dorauとしての「核心」に立ち返った作品なのでは?と予想しています。なお、本来なら特別版の2枚組を買うところを、通常版の1枚だけのモノを買ってしまいました。ちょっと残念ですが、堪忍して下さい。内容的には、A面7曲/B面8曲が収録されています。殆どの曲は、DorauがVo/Synth/Gで、今回、プロデュースもやっているマルチ奏者Zwanie Jonson (ツヴァニー・ジョンソン)やギタリストのGunther Buskies (ギュンター・バスキーズ)、Kbd奏者Carsten Erobique Meyer (カーステン・エロビーク・メイヤー)及びEric Falconnier (エリック・ファルコニアー)がバックをしっかりと固めています。それでは、各曲について、紹介していきましょう。 ★A1 “Nein!” (1:59)は、Dorauしては珍しく、アコギとピアノを使った軽妙なポップ・ミュージックの小曲で、肩の力も抜けてます。新境地ですね。 ★A2 “Unsichtbare Tänzer” (3:34)は、唸るBとタイトなDrsに合わせて、軽めのシンセやSE的電子音に、優しいDorauのVoが聴ける曲で、聴きやすいです。 ★A3 “Identität” (2:07)は、跳ねるようなハッピーなリズムと手拍子に、Dorauが「可愛らしく」歌ってます。ピアノも良い具合ですねぇ。 ★A4 “Menschen Tragen Graue Hüte” (1:50)も、ハッピーソングで、やはり跳ねるようなリズムと何と!Gも入ってきます。小曲なんですが、元気が出ます! ★A5 “Wieso” (2:00)では、女性コーラスと軽快なバックに、Dorauが力まず、自然体で歌ってます。 ★A6 “Dinge Können Sich Ändern” (1:15)は、優しいシンセの音とポップなバックに、Dorauが柔らかく歌っていて、何だかほっこりします。 ★A7 “Gebrauchtes Herz” (2:52)も、アコギの弾き語りで始まる軽いポップソングです。最早、シティポップ? Dorauも自然体で歌っています。 ★B1 “Du Bist Eine Insel” (2:58)は、大歓声(ライブでは無くSEとして使っている)で始まる極めて王道ポップな曲で、シンセ以外にもアコギとかも使っていますね。間奏のシンセソロもグー! ★B2 “Naiv” (3:20)は、本作品では、ちょっと趣向が違って、打ち込みリズムに、ホーン風なシンセやエレピの演奏と絡んで、DorauのVoを聴くことができます。 ★B3 “Vielleicht” (1:05)も、エスプリの効いたラテンっぽい小曲です。Dorauは、タイトルをただただ反復して歌っています。 ★B4 “Hey Tonight” (2:22)も、打ち込みSynth-Bのリズム隊にGと言う簡素なバックで、可愛らしくDorauが歌っています。間奏のシンセソロも良き。 ★B5 “Fallen” (1:31)は、結構、細かい打ち込みを主体としたリズム隊とシンセをバックにDorauらしくしっかりと歌っています。 ★B6 “Instant Magic” (1:24)では、大胆なシンセと生ドラムをバックにDorauがタイトルを反復して歌っています。なお、シンセ度も高い曲です。 ★B7 “Schwierigkeiten” (2:41)も、シンセ度高い曲で、バックは打ち込みで、特にキックが効いています。コーラスワークが良いのと、後半のアコギもグーです! ★B8 “Was Immer Du Auch Vorhast” (2:22)は、日曜の朝のような穏やかな曲で、Gとピアノがバックの主体なんですが、Drsやコーラスも入ってきて、エンドロールとして良い感じです、 本作品は、今までと違って、割とアコースティックな要素が多いのと、短い曲が多いのですが、日本の「シティポップ(昔のニューミュージックですね)」のような軽妙で毒の無いポップソングが主体を占めています。まぁ、シティポップは言い過ぎかもしれませんが、とにかく、軽めで、肩の力を抜いた感じが、初めて聴いた時の第一印象です。まぁ、Andreas Dorauももういい歳のおじさんになったと言うことでしようか。また、歌詞に関しては、タイトルを呟くように繰り返すのも特徴ですね(彼って作詞は苦手なのかな?)。それでいて、一発で、Dorauと分かる「歌心」が、彼の持ち味でしょう。そんなDorauの歌も聴いてみませんか? それから、曲は短いものが多いのですが、アレンジは凝っていて、そんなことを考えさせずに、すんなりと聴かせてくれるのも、DorauのDorauたる所以でしょう! B2 “Naiv” (3:20) https://youtu.be/E6hh15I9M3Q?si=ZtzOIbUdOzsax5PP [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mpecD3C1IV6F2E8h2NTo3QTmPFsxAqQKk&si=iT5pBLTpbDSKVbna #AndreasDorau #DasWesentliche #TapeteRecords #SoloAlbum #HeavyGauge #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PopMusic #CityPop #AcousticGuitar #Synthesizers #Choir #Drums
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Tapete Records €20.00Dr K2
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Andreas Dorau “Ärger Mit Der Unsterblichkeit”
またまた、Andreas Dorauで申し訳ない! 今回は、 Dorauとしての全経歴中4作目のアルバムになります。しかしながら、今回のDorauは、どうもミュンヘンのクラブで知ったらしいアシッド・ハウスに着想を得ての作品らしく、全編、サンプラーを用いた曲で、今までの打ち込みシンセ中心の彼の音楽とはかなり違っています。一言で言えば、Dorau流クラブ・ミュージックですね。確かに、VoはDorauなのですが、バックの演奏は、完全にサンプラーを多用しています。なお、私の購入したのは、再発盤ですので、B6-B7の2曲はボーナストラック(オリジナルではA1-B5が収録)となっており、A面6曲/B面7曲が収録されています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “Warten” (3:44)は、タイトな打ち込みリズム隊と四重奏のような弦楽器とピアノが組合せに乗って、Dorauが朗々と歌う曲です。 ★A2 “Es Dreht Sich Die Welt” (4:16)も、やはりタイトなリズム隊とSE的シンセに乗って、Dorauも歌っていますが、テンポがヒップホップ的で、Gも入っています。 ★A3 “Geträumt Von Dir” (4:18)は、リュートの流れるようなイントロと、女性コーラス等の色んな音のサンプリングから成る曲で、Dorauの語り口Voもありますが、今までとは違い、ダークな雰囲気です。勿論、リズムはあります。 ★A4 “Einsam” (4:59)では、群衆の騒ぎのような音とブレイク・ダンス曲調の打ち込みリズム隊に合わせて、Dorauが軽妙に歌っています。コーラスとの掛け合いもグー! ★A5 “Die Trottellumme” (3:19)は、スパイ映画の表題曲のようなシンセで始まり、やや跳ねるようなリズムの曲で、多分、サンプリングしたオルガン等の音で作っているのではないでしょうか。中々に怪しい感満載です。 ★A6 “Stoned Faces Don't Lie” (5:17)も、重めのリズム隊(B-Synthはやや抑え気味)に、Dorauの歌とサンプリングした声を上手く組合せています。サビの歌(表題の英詞)もサンプリングした声では? ★B1 “Die Schande Kommt” (3:36)では、軽めの打ち込みDrsと奥で流れるシンセ音及びサンプリングされた電子音に合わせて、Dorauが歌っています。 ★B2 “Tiere Im Regen” (2:59)では、民族音楽的な打楽器のリズムに合わせて、笛の音のようなメロディとオペラのテノールのサンプリングが乗り、そこにDorauのVoが入ります。 ★B3 “Menschenschicksale” (3:19)は、タイトなリズム隊とサンプリングされた音から成るダンス・チューンで、DorauのVoも含めて、ノリが良いです。 ★B4 “Das Ist Das Wirkliche Leben” (4:12)は、ゴムの口琴のようなイントロから始まるダンサブルな曲で、心待ちDorauのVoもラップ調で、シンセのリフも軽妙かつサンプリングされた音ですね。 ★B5 “Der Wasserfloh” (3:06)は、ややスローな電子バラードな曲で、単調なリズムに、語り口VoとSE的なシンセとピアノが乗ります。 ★B6 “Die Schande Kommt (Dub-Version)” (3:40)は、タイトル通り、B1のダブ曲なんですが、多少のスネアのディレイ掛けやリバーブ処理されたVoは聴取できますが、大きく崩している所は無いです。 ★B7 “Stoned Faces Don't Lie (Gitarrenversion)” (3:35)は、A6のギターヴァージョンなんですが、ドライなブレイクビーツに、Synth-Bとサンプリング音とDorauのVoと言う組合せは変わらず、Gは然程入っていないと思われますが、どうでしょう? と言う訳で、この作品をもって、Dorauは、ATA TAKを離れますが、そのくらい、Dorauの作品としては異質な感じを受けます。つまり、ヒップホップ・カルチャーの要素をかなり色濃く受容していますね。私は、そこら辺はちょっと疎いのですが、とにかく、全編、リズム隊の構成やテンポ等がダンス・ミュージック的であり、それにも増して、サンプリングがかなり使われているので、Voを抜いたら、「これ、ヒップホップでしょ?」と思う位、曲調が変わっています。しかしながら、先述のように、Dorauが耳にしたアシッド・ハウスをここまで、忠実に再現し、同時に、自分の曲として取り入れてしまうのは、やはり彼の音楽的才能なのでしよう!この作品の後の”Neu!”も同様の路線なので、ここら辺はDorauファンとしては押さえておきたい作品ですね! https://youtu.be/VhIQHZLCP-8?si=ex_75ChVL_YL-f_z [full album] https://youtube.com/playlist?list=PL22Aa1wSmDcXKhIhN-nP3lhfEV3uikr6D&si=sY1S88KFK_G5fmQS #AndreasDorau #ÄrgerMitDerUnsterblichkeit #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #HeavyGauge #ATATAK #EFA #1992年 #SoloAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #HipHop #Electro #Sampling #AcidHouse #Sampler
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Synth Pop Bureau B (ATA TAK / EFA) €20.00Dr K2
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Andreas Dorau Und Die Bruderschaft Der Kleinen Sorgen “Demokratie“
今回は、またまた、Andreas Dorau (アンドレアス・ドーラウ)関係を!Discogsで調べてて載ってないなあと思っていたら、後に続く、Die Bruderschaft Der Kleinen Sorgen (ディー・ブルーダァシャフト・デア・クライネン・ザールゲン; 「ちょっとした悩みのある親友」の意)も含めてのアーティスト名だったので、漸く分かりましたが、この名義では、本アルバムと表題曲のシングル1枚しか出ていません。なので、実質、Dorauのソロと考えても宜しいかと思います。それで、この作品の一つ前の作品は、所謂Die Andreas & Die Marinas名義で、かつメジャーから出ていたのですが、その時に、音楽産業のやり方にほとほと嫌気が刺して、一時期、映像作家への道も目指していました。しかしながら、再び、音楽の世界へ戻ってきて、暫く振りに制作されたのが、本作品となります。「クラウトロック大全」によると、英国で活動していた時に、Flying LizardsのDavid Cunninghamと知り合い、彼を通じて、Michael Nymanをアレンジャーに起用して制作されたとのことです。しかも、古巣のATA TAKからのリリースとなります。そして、本作品の参加者は、Andreas Dorau (Vo, Synth, Kbd, etc)とそれ以外に、Christian Kellersmann (Sax), Christoph Bunke (B), Moritz von Oswald (Drs)がいます。それで、A1-B7はオリジナルに収録されていますが、B8-B9は、再発盤でのボーナストラックとなっています(A面8曲/B面9曲収録)。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Immer Nur Warten” (2:06)は、可愛らしいKbdの響きとワルツのリズムに乗って、地声で歌うDorauが何とも瑞々しい。最後はマーチ調になってフェイドアウトします。 ★A2 “Sei Steif!” (2:50)は、タイトなリズムのノリの良い曲なんですが、ワザと不協和音を使ったりするところがニクいですね。弦楽四重奏やシンセの間奏も中々のアレンジです。 ★A3 “Demokratie” (4:02)は、表題曲で結構ロック調ですが、何とも可愛らしい声で「これが民主主義だ!」なんてサビで歌うのは変な違和感があって、聴いている方がくすぐったいです。声での管楽器のマネもおちょくってるみたいで、如何にもATA TAKっぽい。 ★A4 “Sucht Eure Tat” (2:58)で、もろバロック調の室内楽をバックに、掠れ声で歌うDorauは、何故か悲し気で、こちらまで泣ける。何故か、戸川純を思い出します。 ★A5 “Taxi Nach Shibuya” (3:18)も、弦楽器の爪弾きのイントロからクラヴィアと打ち込みBの清らかなメロディですけど、間奏の弦楽器が入っているところが、Dorauらしいインスト曲です。 ★A6 “Blume '86” (2:35) は、再び、タイトなリズム隊とDorauのKbdワークとVoが冴える1曲になっています。、 ★A7 “Tradition” (1:47)では、弦楽器のリズムにクラリネットのサブメロディをバックに、変調Voで対抗していますが、サビではDrsも入ってきて、力強く曲が進行します。 ★A8 “Frauenfüsse” (3:01)は、軽やかなリズム隊とKbd に、爽やかにDorauに歌ってますが、聴いてるこちらが気恥ずかしくなります。「ラララッ」って歌うのも、何だかDorauっぽくて良いですね。 ★B1 “Stehst Du An Der Himmelspforte” (3:41)は、カッコ良いビートに、DorauのVoとエレピが乗るポップ・ロック調の曲で、ちょっと異色です。最後のSaxとエレピの絡みもサイコー! ★B2 “Na, Du Alte Kuh” (2:38)も、タイトで強力なリズム隊にシンセでの刻みと、やや落ち着いたDorauのVoが乗り、間奏のシンセとSaxの絡みもカッコ良い! ★B3 “Ein Liebesraum” (2:14)は、一転、Logic Systemか⁈と思いましたが、スローで落ち着いた曲ですが、変調Voで「TOKIO〜」とか歌っていて、ちょっとクスって。曲自体は素晴らしいです。 ★B4 “Ein Fall Für Dr. D” (2:49)は、指パッチンとBとエレピのイントロから、Drsと共に女性のスキャットとコーラスが瑞々しいメロディを歌いあげており、これぞ!Dorauとも言うべき曲です。 ★B5 “Immer Noch Warten” (2:45)は、勇ましいマーチのリズムに、ナヨっとしたDorauのVoが「おい、大丈夫かぁ?」とツッコミを入れそうな勇壮な曲です。 ★B6 “Willi Im Busch” (2:28)は、ちょっと悲しげなワルツの打ち込みから成るインスト曲です。暫し、休息かな?でもメロディは最高で、泣けます。 ★B7 “Ein Tropfen Geht An Land” (1:02)は、ジェット機音のイントロから始まる、女性とのデュエットの小曲です。 ★B8 “Menschenschicksale (1. Version)”では、ループ音のイントロから、柔らかい女性Voが優雅なワルツのリズムに乗って流れていきますが、Dorauは歌っていません。最後は不協和音。 ★B9 “Ein Liebesraum (Remix)”は、打ち込みのリズム隊に、ゆったりしたシンセが流れ込んできて、没入してしまい、甘い気分になります。そこに「TOKIO〜」と一回だけ入ります。 全体としては、Die Marinasを引き連れていた頃よりも、格段に大人びた曲調になっており、彼の成長/本来の音楽的指向が伺えます。それにしても、彼の曲と言うのは、多分ブラインドで聴いても、Dorauでしょ?と分かるくらい、個性的だと思います。それで、思ったんですが、日本で言うと戸川純が一番近いかなぁと。当然、男女の違いはありますが、中々、「大人」になれないけど、本人は頑張っているところの立ち位置なんかは似てると思えます。まぁ、そんなこと言うのは、私だけかもしれませんが。本作品では、バックの演奏もタイトで、しっかりしていので、また、今までの童謡調ポップ・ミュージックとは異なり、その分、音楽的にも楽しめます。多分、Michael Nymanのアレンジ力も後押ししているのだと思います。それで、解説書を読んだら、「Dorauは、Frank Zappaか?Morzartか?」と言う見出しが付いていましたが、「変だって?いや、彼はMozartだから。」と締めてありました!分かるわぁぁ❗️ https://youtu.be/8d_vx7JiBlw?si=f7YKgO5qcc6jesRp #AndreasDorau #DieBruderschaftDerKleinenSorgen #Demokratie #BureauB #2012年 #Reissue #Remastering #ATATAK #1988年 #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Synthesizers #ChristianKellersmann #ChristophBunke #MoritzVonOswald #Co-Producer #FrankFenstermacher #Arranger #MichaelNyman
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