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Bangles “Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”
何で?Bangles? とまあまあ、落ち着いて。これでも多少の思い入れがあって買ったんですよ。でももう、35年位聴いてないですけどね。久々に聴き直してみました。それで、先ず、Banglesのバイオグラフィーについて簡単に書いておきます。Banglesは、1981年に米国CAのL.A.で結成されたガールズ・バンドで、1980年代にヒット曲を飛ばし、有名になりました。もう少し詳しく書きますね。結成時のメンバーは、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Michael Steele (B, Vo)です。元々、HoffsとVicki & Debbi姉妹は、1980年12月にL.A.でバンドを始めようとして、HoffsがThe Recycle紙にメンバー募集をかけ、Annette ZilinskasとPeterson姉妹のハウスメイトでThose GirlsをやっていたLynn Elkindが反応し、色々話しを聞いたりして、最終的に、Annette Zilinskas (B)が加入することになり、そのラインナップで、1981年にThe Coloursとしと言うバンドになります。その後直ぐに、バンド名をThe Bangsと替え、L.A.のペイズリー・アンダーグラウンド界で活動し、1981年に、自身のレーベルDownKiddie Recordsからシングル”Getting Out Of Hand" c/w "Call On Me"を出しています。その後、Faulty Productsと契約し、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Annette Zilinskas (B, Vo)で、1982年にEP"The Real World"をリリース、これがハリウッドのクラブで掛かり、大いに受けますが、同名のバンドがいたことから、バンド名をBanglesにします。それで、最初のEPをBangles名義にして、1983年にリリースし直し、更にリミックス12㌅EPも出しています。このレーベルは、I.R.S. Recordsが配給するようになりますが、Zilinskasは自身のバンドBlood On The Saddleに集中する為、バンドを脱退します。その代わりに、The Runawaysなどに在籍していたMichael Steele (B)が加入します。そうして、1984年に、Banglesのデビュー・アルバム”All Over The Place”がColumbia Recordsよりリリースされ、そのパワー・ポップな音楽が受けます。シングルカットされた"Hero Takes A Fall"や"Going Down To Liverpool"はThe Beatlesっぽくもあって売れます。その時、MVを作製している過程で、HoffsとLeonard Nimoy (スタートレックのスポック役の俳優)は意気投合しています。そして、Banglesはシンディー・ローパのFun Tourのオープニング・アクトも務めています。これを気に入ったプリンスが、元々自身のグループApollonia 6の為に書いた曲"Manic Monday"をBanglesに提供しており、この曲は米・英・独で第2位のヒットを記録しています。そうして、1986年に、彼女らは、本作品でもあるセカンド・アルバム”Different Light”リリースします。より洗練されたアルバムで、Liam Sternbergによって書かれた曲"Walk Like an Egyptian"はナンバー1のヒットとなり、ビルボード200でも2位となり、一気にメインストリームに躍り出ることになります。その後も、1987年には、Simon & Garfunkelの"A Hazy Shade Of Winter"のカバーを出したり、1988年にも、アルバム”Everything”を出したりして活躍しています。しかしながら、誰がメイン・ヴォーカルを取るか?誰が曲を書くか?で揉めてしまい、Banglesは、1989年に解散してしまいます。その後、1998年に、Banglesは、再結成し、映画”Austin Powers: The Spy Who Shagged Me”のサントラを手掛けていますが、これは、監督がHoffsの旦那だったと言うこともあるようです。2003年にはアルバム”Doll Revolution”を出し、現在も活動中のようです。 と言うのが、Banglesの流れになります。それでは、セカンド・アルバムである本作品を紹介していきます。内容は両面6曲ずつで、メンバーは先述の通りです。 A1 “Manic Monday”は、キッチュなHoffsのVoとキャッチーなメロディで、コーラス・ワークも完璧な曲です。 A2 “In A Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”は、やや激しい曲で、これぞパワーポップと言う感じで、メインVoはVickiが担当しています。 A3 “Walking Down Your Street”は、美しいコーラスで始まり、舌足らずなHoffsのVoが可愛らしいです。途中ブレイクのギターがカッコ良い! A4 “Walk Like An Egyptian (エジプシャン)”もヒット曲で、軽妙なリズムとメロディが心地良いです。Voは、Vicki, Steele, Hoffsがとってます。 A5 “Standing In The Hallway (ホールウェイに立ちすくみ)”は、飛び跳ねるようなリズムがファンキーな曲で、オルガンが効いてます。VoはDebbiですが、コーラスワークが素晴らしいです。 A6 “Return Post”の出だしは、スパイ映画っぽいですが、その後のVickiのVoは可愛らしくて、如何にもアメリカンな曲調です。 B1 “If She Knew What She Wants”は、軽妙なVoが掛け合いが心地良い軽い曲で、メインVoはHoffsです。この曲はシンディー・ローバとの共作も行っているJules Shearによるものです。 B2 “Let It Go”は、アコギも弾きまくりで、素晴らしいコーラスワークを楽しめるテンポがやや早い曲です。 B3 “September Gurls (9月の少女)”は、Alex Chiltonのカバー曲ですが、すっかりBangles風にアレンジされています。VoはSteele。 B4 “Angels Don't Fall In Love (恋に堕ちた天使)”も、ハイテンポの曲で、VickiがVoですが、何処となくカントリー調ですね。最後の木琴が良い! B5 “Following”はアコギをメインにしたカントリー調の弾き語りで、VoはSteele。でも、染みるなぁ。 B6 “Not Like You”では、一転、跳ねるように明るい曲調となり、VoはDebbiが担当していますが、コーラスが素晴らしい! と言う訳で、聴き直しましたが、何だか、青臭い感じがして、ちょっと気恥ずかしいですね。しかしながら、如何にも「アメリカン」な曲やアレンジは流石にセンスを感じますね❗️こう言う「表」のアメリカンから「裏」に行くと、めちゃくちゃ、個人的には好きなポイントなんですが、偶には、「表」のアメリカン・ポップも良いですね! A4 “Walk Like An Egyptian”[live version] https://youtu.be/JA0VfqtIK_A?si=vFH5Ws7nZl73fWju [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lmP1iUgE5IC8hyq-M3vNP4TlEwJ9JakWU&si=WFyHbP1wOGDotSXA #Bangles #DifferentLights #シルバー・スクリーンの妖精 #CBS/Sony #US #AllFemaleBand #PowerPop #Rock #SecondAlbum #Hit #Prince #ManicMonday #WalkLikeAnEgyptian #SusannaHoffs #VickiPeterson #DebbiPeterson #MichaelSteele #AnnetteZilinskas
Rock / Power Pop CBS/Sony 2800円Dr K2
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James Blood Ulmer “Black Rock”
ちょっと意外なモノも投下。何で買ったか?よく覚えていないJames Blood Ulmerの日本盤で、彼の4枚目のアルバム”Black Rock”を紹介してみます。「みます。」と言うのも、私自身はブラックなものはてんで駄目なんで、これを聴き直して、さて、どうしたもんか?と思う可能性もありますので、そのような表現になってしまいました。なので、これも買ってから、40年位聴いていないんですよ。それなので、先ずは簡単に彼のバイオグラフィーを紹介したいと思います。James Blood Ulmer、本名Damu Mustafa Abdul Musawwir。米国サウス・カロライナ出身のブルース、ジャズ、フリー・ファンクのギタリストでありヴォーカリストです。彼のキャリアは、1959年〜1964年にビッツパークでのソウル・ジャズ・アンサンブルで始まり、1964年〜1967年はOhio州Columbusに移り、1964年にオルガン奏者Hank Martとの録音を行い、その後、1971年にNYCでArt Blakey’s Jazz Messengersに加入しています。1970年代には、UlmerはOrnette Colemanと一緒に演奏するようになり、Colemanにとって、初めてのエレキ奏者となり、フュージョン志向だったColemanの信頼を勝ち取っています。Ulmerは、また、Arthur Blytheの2枚のアルバム、1979年作”Lenox Avenue Breakdown”と1980年作”Illusions”に参加、同時にColumbiaレコードと契約を結びます。その勢いで、彼は、3枚のアルバム”Free Lancing”, “Black Rock”, “Odyssey”をOdyssey The BandのドラマーWarren Benbowとヴァイオリン奏者Charles Burnhamと共に作り上げます。このトリオは評論家に"avant-gutbucket"と呼ばれ、「Skip JamesとAlbert AylerがMississippi Deltaでジャム・セッションをしているようだ」と評されています。また、1980年代になると、彼は、David Murrayと共にUlmer formed Music Revelation Ensembleを結成し、このアンサンブルは、後にはArthur Blythe, Sam Rivers, Pharoah Sanders, John Zornを加えて、1990年代まで続きます。また1980年代には、Ulmerは、Sax奏者George AdamsとPhalanxカルテットも結成し、よりブルース志向のアルバム”Memphis Blood”, “No Escape from the Blues”, “Bad Blood in the City”, “Birthright”をリリースしています。Ulmerは、2005年に、ある雑誌のインタビューで、「ギター・テクニックはJimi Hendrixの死後、発展していない」と発言し、更に、「もしかしたら、ピアノのようにギターも終わりかもしれない」とも発言しています。その後、2009年に、Ulmerは、レーベルAmerican Revolutionを設立。そして、2011年春には、James Carterのオルガン・トリオにゲスト出演し、Blue Note New Yorkで6晩連続で演奏しています。大体の彼の流れはこんな感じですが、私には今一ピーンとはきませんでした。 それで、本作品を聴いてみて、紹介していきたいと思います。内容はA面4曲/B面5曲で、Damu Mustafa Abdul Musawwir & James Blood Ulmer (G, Vo)の他、Amin Ali (B), Ronald Drayton (Rhythm G [A1-A4, B2, B3]), Grant Calvin Weston (Drs), Cornell Rochester (2nd Drs [A1, A3, B1-B3]), Sam Sanders (Sax [A3, B3]), Irene Datcher (Vo [A4, B2])と言う布陣で録音をしています。 A1 “Open House”は、ゴリゴリしたベースと複雑かつノリの良いビートを叩き出すドラムが自由自在に演奏され、その間を、Ulmerのフリーキーなギターが駆け巡る熱いインスト曲です。 A2 “Black Rock”では、複雑かつバネのある演奏に黒人独特のソウルフルなヴォーカルも聴くことが出来ます。結構、ギターが即興的に弾きまくられてますね。 A3 “Moon Beam”も、スラップ奏法も交えたファンキーなベースとドラムの強力なリズム隊と要所要所を押さえたギターに加え、フルートやサックスも入ってくるインスト曲です。 A4 “Family Affair”では、しっとりと始まり、女性ヴォーカルとUlmerのデュエット/掛け合いで、結構、落ち着き気味ですがソウルフルに仕上がっています。しかしながら、盛り上がる所は盛り上がる緩急のついた曲です。 B1 “More Blood”は、トリオによる完全即興演奏で始まりますが、その内、グルーヴが生まれていくのてすが、あくまでもフリーな演奏に始終する、カッコ良いインスト曲です。こう言うのは好きですよ、私も! B2 “Love Have Two Faces”は、今までと一転して、落ち着いたブルース調の曲で、Ulmerのヴォーカルも沁みますね。しかしながら、サビではニューウェーブみたいな曲調に変わり、彼のキャパの広さを感じます。 B3 “Overnight”では、再び、トリオにサックスを交えた強力なバネのあるフリーキーなファンク・サウンドをぶちかましてくれます。途中のドラムソロもカッコ良し!なお、これもインスト曲です。 B4 “Fun House”は、怪し気で完全フリーな即興演奏から始まりますが、アイコンタクトなのか、ブレイクが決まるので、垂れ流しにならないです。また、この曲はヴォーカルも入っているのですが、ソフトな印象で、それ程「黒く」はないです。因みにヴォーカルはベースのAliみたいです。因みにThe Stoogesの曲とは同名異曲です。 B5 “We Bop”は、やはり、基本に戻って、ファンクな曲なんですが、単に踊らせるだけではなく、複雑なリズム構造や流れを持っており、正しくフリー・ファンクとも言うべきインスト曲になっています。 それで、40年振りに聴いてみたのですが、単にファンクとかソウルと言う訳ではなく、かなりフリー・インプロヴイゼーションの要素が強く、それがあって、このアルバムを買ったのだなと一人納得しました。ただ、如何にもソウルフルなヴォーカル曲はやはり苦手ですね。インスト曲は単純に強力な演奏に感服しました❗️また、これからは「黒い」音楽も聴いていこうとおもいました。 A1 “Open House” A2 “Black Rock” A3 “Moon Beam” A4 “Family Affair” B1 “More Blood” B2 “Love Have Two Faces” B3 “Overnight” B4 “Fun House” B5 “We Bop” https://youtu.be/OKUrb0Rw-4Q?si=qbNfss8HgGga3Ssx #JamesBloodUlmer #BlackRock #CBS/Sony #4ThAlbum #FreeFunk #Soul #Blues #Improvisation #DamuMustafaAbdulMusawwir #GrantCalvinWeston #CornellRochester #AminAli #RonaldDrayton #SamSanders
Free Funk / Soul CBS/Sony 2500円?Dr K2
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ZELDA “C-Rock Work”
私、何でか自分でも分からないのですが、ZELDAは聴いてないんですよね。そりゃ、バンドが出てきた時に、Voが10代だとか、Bが元Boys Boysでインディー系ミニコミChange 2000に関わっていたとかは当時は知ってはいたんですが、聴いてないんですよなぇ。なので、完全後追いで買ったのが、この”C-Rock Work”なんです(これ、始め「シー・ロック・ワーク」と呼んでましたが、「ク・ロック・ワーク」のアナグラムですね)。ZELDAは1979年に結成、は1980年に”ASH-LAH”でインディーレーベルJunk Connectionより発表し、デビューして、やがて大手レコード会社(日本フォノグラム)と契約し、1996年”虹色のあわ”が最後のアルバムなって、無期限活動停止になっています。バンド名の由来は米国小説家Francis Scott Key Fitzgeraldの妻Zelda Fitzgeraldの名前に由来し、最も長く続いた女性ロックバンドとしてギネス認定されています(トリビアですね)。メンバーは時期によって多少違うのですが、高橋佐代子 (Vo, Clarinet), 小嶋さちほ (B)がずっと在籍していたメンバーで、彼女らに加えて、このアルバムでは石原富紀江 (G)と小澤亜子 (Drs, Kbd)と言う布陣です。石原さんは元々ハードロックから来ており、また小澤さんはプログレ出身だったそうです。久しぶりに聴いたんですが、疾走感があって、カッコいいですね。また時に出てくる中近東風のメロディ(これはフキエさんのかな?)も良い感じですね。それにしても、アコさんのドラム、タイトで凄いわぁー! チホさんのBもドライブしているし。それにも増して、サヨコさんの歌詞とVoのコンビネーションが凄い!日本語をナチュラルに歌うのって難しいんだよね。それをサラッとやってみせるサヨコさんの才能ですね。皆さんも、こんな凄い日本のロックを体験してみてくださいね。 A1 “夜の時計は12時” (4:08) A2 “Electric Sweetie” (4:08) A3 “風の景 - Mind Sketch -“ (3:44) A4 “時計仕掛けのせつな” (4:20) A5 “ファンタジウム” (3:53) B1 “Endless Line” (3:54) B2 “Emotional Beach, Communication Party” (3:55) B3 “Question-1” (3:35) B4 “Moo/六月はいつも魔の月” (3:35) B5 “浴ビル情” (4:29) A2 “Electric Sweetie” (live track) https://youtu.be/EQmpKhFvQa4?si=IEMqGMdAPn7PLzSx [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLJKA2C_1LpNujRnyyueZAQ-MD17D3uwGN&si=Dx9MHJCJWcYpvplc #C-RockWork #Zelda #CBS #4ThAlbum #GirlsBand #PostPunk #Japanese #SayokoTakahashi #SachihoKojima #FukieIshihara #AkoOzawa #高橋佐代子 #小嶋さちほ #石原富紀江 #小澤亜子
Post Punk CBS/Sony 不明。Dr K2