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宇宙船ビーグル号 / A・E・ヴァン・ヴォークト著 浅倉 久志訳
1950年刊行 原題:The Voyage of the Space Beagle ハヤカワは1978年、東京創元社は1964年が初版です。 巨大宇宙船ビーグル号は科学者と軍人1000人を乗せ、無窮の宇宙の探索に出発した。だが行く手には、人類の想像を超えた恐るべき怪物たちが待ち構えていた。荒廃した惑星を彷徨する凶暴で狡知にたけた猫型生命ケアル、幻影で精神攻撃してくるリーム人、宇宙空間で棲息可能なイクストル。彼らを相手に人類は科学の粋を集めて死闘を展開する。オールタイム・ベスト級の傑作宇宙SF。 アスタウンディングに掲載された中編4本に加筆して長編にまとめたもの。スペオペの原型、かつSFらしいSF作品です。
ハヤカワ文庫 SF SF A・E・ヴァン・ヴォークト 浅倉 久志ace
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いさましいちびのトースター / トーマス・M・ディッシュ著 浅倉久志訳
原題:The Brave Little Toaster 1986年刊行 ハヤカワの初版は、海外SFノヴェルズが1987年、ハヤカワ文庫SFが1996年です。 ローカス賞、英国SF協会賞を受賞。日本で星雲賞の海外短篇部門を受賞。 「だんなさまは、いったいどうしたんだろう?」 森の小さな夏別荘では、主人に置き去りにされた電気器具たちが不安な日々を送っておりました。ある時ついにちびのトースターが宣言します。 「みんなでだんなさまを探しに行こう!」 かくしてトースターのもとに電気毛布、掃除機、卓上スタンド、ラジオなどが集結し、波乱に満ちた冒険の旅に出たのだが… 作者のディッシュは、フィリップ・K・ディックの友人だったそうです。また、自らゲイを公表していました。残念ながら、うつ病が悪化し2008年に拳銃自殺してしまいました。
ハヤカワ文庫 SF SF トーマス・M・ディッシュ 浅倉 久志ace
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いさましいちびのトースター 火星へ行く / トーマス・M・ディッシュ著 浅倉久志訳
原題:The Brave Little Toaster Goes to Mars ハヤカワの初版は、海外SFノヴェルズが1989年、ハヤカワ文庫SFが2000年です。 補聴器、電卓、電子レンジ、天井扇風機の新たな仲間がくわわり、彼らが目指すのはなんと火星!でっかい冷蔵庫が支配する火星の電気器具国家の野望をくじくため、いま宇宙へと旅立つ!かわいい電気器具たちのけなげな冒険を描くSFメルヘン第2弾!
ハヤカワ文庫 SF SF トーマス・M・ディッシュ 浅倉 久志ace
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パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志訳
1964年刊行。ハヤカワの初版は1984年。 人口増加に伴い他惑星へ棄民された人々は、過酷な生活から逃避するためにパーキー・パットの日々に浸る。現実と幻想の境目が融解する世界を巧く描いています。 自分が自分である事を、何が示し何が決めるのか。
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 浅倉 久志ace
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アンドロイドは電気羊の夢を見るか? / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志訳
1968年刊行。ハヤカワの初版は1978年。 原題:Do androids dream of electric sheep 「ブレードランナー」の原作。記憶を操作されたアンドロイド。それを知ったとき、自分が人間なのかアンドロイドなのか証明するものは...。作中では感情移入できるかどうかが人間とアンドロイドの最大の違いと定義づけています。 アイデンティティという、わかっていてそうで漠然とした概念に対してあらためて考えさせられる作品。 「レプリカント」は、映画化に際してリドリー・スコットが考えた名称です。そんなリドリー監督をキューブリック化させていくきっかけになった作品だと思います。
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 浅倉 久志ace
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永久戦争 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志訳
日本オリジナル編集の短編集。1993年初版 1953年から1956年に書かれた短編の中から、戦争に纏わる作品をあつめて収録したものです。カバー絵はH.R.ギーガー。 ・The Defenders「地球防衛軍」1953年 ・The Chromium Fence「傍観者」1955年 ・War Veteran「歴戦の勇士」1955年 ・To Serve The Master「奉仕するもの」1956年 ・Jon's World「ジョンの世界」1954年 ・The Variable Man「変数人間」1953年
新潮文庫 SF フィリップ・K・ディック 浅倉 久志ace
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模造記憶 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志訳
日本オリジナル編集の短編集。1989年初版。 アメリカで刊行された全5巻からなるディックの短編全集「The Collected Stories of Philip K. Dick」から、日本未訳作品を12編収録しています。 「追憶売ります」は、映画「トータル・リコール」の原作となった作品です。 カバー絵はH.R.ギーガー ・Recall Mechanism「想起装置」1959年 友枝康子訳 ・The Indefatigable Frog「不屈の蛙」1953年 ・The Eyes Have It「あんな目はごめんだ」1953年 ・Upon The Dull Earth「この卑しい地上に」1954年 ・Orpheus With Clay Feet「ぶざまなオルフェウス」1964年 ・Captive Market「囚われのマーケット」1955年 山田和子訳 ・Cadbury, The Beaver Who Lacked「欠陥ビーバー」1987年 ・The Day Mr. Computer Fell Out Of Its Tree「ミスター・コンピューターが木から落ちた日」1987年 ・Retreat Syndrome「逃避シンドローム」1965年 友枝康子訳 ・Your Appointment Will Be Yesterday「逆まわりの世界」1966年 小尾芙佐訳 ・We Can Remember It For You Wholesale「追憶売ります」1966年 深町眞理子訳 ・Strange Memories Of Death「不思議な死の記憶」1984年 深町眞理子訳
新潮文庫 SF フィリップ・K・ディック 浅倉 久志ace
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悪夢機械 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志 編訳
日本オリジナル編集の短編集。1987年初版。 アメリカで刊行された全5巻からなるディックの短編全集「The Collected Stories of Philip K. Dick」をもとに、日本未訳作品を収録したものです。 ・Planet For Transients「訪問者」1953年 ・Adjustment Team「調整班」1954年 ・Shell Game「スパイはだれだ」1954年 ・A World Of Talent「超能力世界」1954年 ・Progeny「新世代」1954年 ・The Turning Wheel「輪廻の車」1954年 ・The Minority Report「少数報告」1956年 ・Pay For The Printer「くずれてしまえ」1956年 ・The Exit Door Leads In「出口はどこかへの入口」1979年 ・Frozen Journey「凍った旅」1980年 長編のベースアイディアが見え隠れして面白いですね。ディックは短編を多くのこしており、手軽に「後味の悪い世界」に行き来できます。 カバー絵はH.R.ギーガー
新潮文庫 SF フィリップ・K・ディック 浅倉 久志ace
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まだ人間じゃない / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志 他訳
ディック短編集④ 原題:The Golden Man 1980年刊行の短編集「The Golden Man」を分冊したもの(ハヤカワからは1992年初版)。サンリオSF文庫から「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディックIV 」マーク・ハースト編 として1985年に出版されました。 表題作の「まだ人間じゃない」は、タイトルどおりの強烈な作品です。こんな強烈は世界を打ち出しておきながら、エンタメ作品にしないところがこの作家の巧さだと思います。 ディックの「あとがき」と「作品メモ」を収録しています。 ・The War With The Fools「フヌールとの戦い」1964年 友枝康子訳 ・The Last Of The Masters「最後の支配者」1954年 浅倉久志訳 ・Meddler「干渉する者」1954年 大瀧啓裕訳 (ちくま文庫「人間狩り」収録の「干渉者」仁賀克雄訳と同じ) ・A Game Of Unchancy「運のないゲーム」1964年 浅倉久志訳 ・Sales Pitch「CM地獄」1954年 浅倉久志訳 ・Precious Artifact「かけがえのない人造物」1964年 小川隆訳 ・Small Town「小さな町」1954年 小川隆訳 ・The Pre-Persons「まだ人間じゃない」1974年 友枝康子訳
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 友枝 康子ace
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ゴールデン・マン / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志 他訳
ディック短編集③ 原題:The Golden Man 1980年刊行の短編集「The Golden Man」を分冊したもの(ハヤカワからは1992年初版)。 編集したマーク・ハーストが書いた「はじめに」と、ディックが書いた「まえがき」と「作品メモ」を収録。 サンリオSF文庫から「ザ・ベスト・オブ・P・K・ディックⅢ 」マーク・ハースト編 として出版されていました。 表題作の「ゴールデン・マン」はニコラス・ケイジ主演の映画「ネクスト」の原作となっています。しかし"少し先の未来が予知できる"という部分のみピックアップされて中身は別物です。 ・The Golden Man ゴールデン・マン 1954 友枝康子訳 (ちくま文庫「人間狩り」収録の「ゴールデン・マン」仁賀克雄訳と同じ) ・Return Match リターン・マッチ 1967 友枝康子・訳 ・The King Of The Elves 妖精の王 1953 浅倉久志・訳 ・The Mold Of Yancy ヤンシーにならえ 1955 小川隆・訳 ・Not By Its Cover ふとした表紙に 1968 小川隆・訳 ・The Little Black Box 小さな黒い箱 1964 浅倉久志・訳 ・The Unconstructed M 融通のきかない機械 1957 友枝康子・訳
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 友枝 康子ace
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時間飛行士へのささやかな贈物 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志 他訳
ディック傑作集② 原題:The Best of Phillip K. Dick 1977年に、イギリスのSF作家ジョン・ブラナーが編集して刊行された短編集の第2巻(ハヤカワからは1991年初版)。以前は1983年にサンリオSF文庫から「ベスト・オブ・フィリップ・K・ディック」として出版されていました(現在は絶版)。表題作の「時間飛行士へのささやかな贈物」はオススメの作品です。 ・The Father-thing「父さんに似たもの」1954年 大森望訳 (ちくま文庫「人間狩り」収録の「パパそっくり」仁賀克雄訳と同じ) ・Service Call「アフター・サーヴィス」1955年 大瀧啓裕訳 (ちくま文庫「人間狩り」収録の「サーヴィス・コール」仁賀克雄訳と同じ) ・Autofac「自動工場」1955年 大瀧啓裕訳 ・Human Is「人間らしさ」1955年 友枝康子訳 ・If There Were No Benny Cemoli「ベニー・セモリがいなかったら」1963年 大瀧啓裕訳 ・Oh, To Be A Blobel!「おお!ブローベルとなりて」1964年 浅倉久志訳 ・Faith Of Our Fathers「父祖の信仰」1967年 浅倉久志訳 ・The Electric Ant「電気蟻」1969年 浅倉久志訳 ・Little Something For Us Tempnauts「時間飛行士へのささやかな贈物」 1974年 浅倉久志訳
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 友枝 康子ace
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パーキー・パットの日々 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志 他訳
ディック傑作集① 原題:The Best of Phillip K. Dick 1977年に、イギリスのSF作家ジョン・ブラナーが編集して刊行された短編集の第1巻(ハヤカワからは1991年初版)。以前は1983年にサンリオSF文庫から「ベスト・オブ・フィリップ・K・ディック」として出版されていました(現在は絶版)。 ・Beyond Lies The Wub「ウーブ身重く横たわる」1952年 大森望訳 ・Roog「ルーグ」1953年 大森望訳 ・Second Variety「変種第二号」1953年 友枝康子訳 ・Paycheck「報酬」1953年 浅倉久志訳 ・Imposter「にせもの」1953年 大森望訳 ・Colony「植民地」1953年 大瀧啓裕訳 ・Expendable「消耗員」1953年 浅倉久志訳 ・The Days Of Perky Pat「パーキー・パットの日々」1963年 浅倉久志訳 ・Breakfast At Twilight「たそがれの朝食」1954年 浅倉久志訳 ・Foster, You're Dead「フォスター、おまえ、死んでるところだぞ」1955年 友枝康子訳 表題作の「パーキー・パットの日々」は、長編「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」のベース作品です。火星での過酷な生活を紛らわすためにドラッグを使用しパーキー・パット人形で遊ぶ姿は、SNSやVRに没頭している現代人にダブって見えます。 「ウーブ身重く横たわる」は「イナゴ身重く横たわる」に関係あるように思えますが別物です。
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 友枝 康子ace
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高い城の男 / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志訳
1962年刊行、ハヤカワからは1984年初版。 原題:The Man in the High Castle 第二次世界大戦で日本とドイツが勝利したパラレル・ワールドを描く作品。「もし、連合国が第二次世界大戦に勝利していたら」という仮想小説、"イナゴ身重く横たわる"の作者「高い城の男」とは何者か。 ディック、傑作の一つ。2015年にAmazonビデオでドラマ化されました。
ハヤカワ文庫 SF SF 歴史改変 フィリップ・K・ディックace
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ユービック / フィリップ・K・ディック著 浅倉 久志訳
1969年刊行、ハヤカワからは1978年初版です。 原題:Ubik 超能力者VS超能力の不活性者の戦い。そして月での爆破工作を機に始まる時間退行現象。今見えているのは現実か幻か。 とてもエンターテイメントしていて好きな作品です。
ハヤカワ文庫 SF SF フィリップ・K・ディック 浅倉 久志ace
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世界の中心で愛を叫んだけもの / ハーラン・エリスン著 浅倉久志、伊藤典夫訳
1969年刊行 原題 : The Beast that Shouted Love at The Heart of The World 日本では1979年にハヤカワから出版されました。1969年にこの短編集がヒューゴー賞短編小説部門で、これに含まれる「少年と犬」がネビュラ賞中長編部門でそれぞれ受賞しています。 静かに、そして痛烈に社会を批判しています。叫んでるけものはエリスン自身かもしれません。この叫びは50年近く経った今でも響きます。しかし読後には暖かさと爽やかさが残ります。
ハヤカワ文庫 SF SF ハーラン・エリスン 伊藤 典夫ace