ショパン:映画の中のプレリュード めぐり逢い

初版 2024/05/04 11:02

 ヨーロッパからの船旅の途中船上で知り合った主人公画家のニッキーと歌手テリーは、旅の途中で立ち寄ったの母親の住む港町の丘の上の家でひとときを過ごす。
年老いた母親は、彼が偶然連れてきた に息子が思いを傾けているのを知り、彼の恋人を娘のように優しく接する。
やがて楽しいひとときは終わり、船出を知らせる旅客船の汽笛が響く。
彼は母親の元を去るのだが、船出を知らせる旅客船の汽笛の音に


「汽笛は嫌いよ」と呟く母の情感が胸を打つ。この役者いいね。
ドライビング・ミスデイジーのジェシカ・タンディのように知的で純粋な可愛い老女の役をできる人は素敵だね。

この人もそんなイメージ。
で、その老いた母がピアノに向かって弾くのがショパンの前奏曲第4番でした。
せつない情感がこもった短い曲が非常に効果的に使われていました。
この曲は短いけれど出会いとか別れとか演じる者の感情表現の不安定な状態をよく表現します。

映画は確かハッピーエンド。とてもいい終わり方でした。

楽曲全体が醸す悲しみの歌にはベートーヴェンのラルゴの世界が大きな存在感を持っていますが、とりわけ一音符の放つ音色の「悲しみ」が胸にしみるのはこの曲です。

映画は最後の最後でハッピーエンドで終わります。

再会の時と場所を約束し別れたテリーは約束の場所で待ちぼうける。ようやく彼女を捜し出したクリスマスの日、自宅のカウチに横になったままの主人公のうらぎりを責めたテリーでしたが、ニッキーは約束の場所に行かなかったのではなく、いけなかったことに気づくんですね。

ハリウッド映画はこの時代ハッピーエンドが当たり前でした。

イージーライダーという映画でハリウッドが初めて映画のラストシーンにアン・ハッピーエンドを持ち込むまで、ボク達は悲恋ものをどこか心の隅で安心したまま見ることができたのでした。
この懐かしの映画はトム・ハンクスとメグ・ライアンの主演で「めぐり逢えたら」という邦題でリメイクされましたね。
この映画のモティーフをうまく使い回していましたが、ショパンまではやらなかったようですね。

この第4番の前奏曲は様々な映画で使われていますが、曲そのものが弾かれるシーンで使用されるもので印象に残っているのがもう一つ

バイロン・ハスキン監督のチャールストンヘストン主演映画「黒い絨毯」というのがありました。

マラブンタと呼ばれる軍隊アリがアフリカの開拓地を襲い、ヘストン紛する農場主がこれと壮絶な戦いをする映画でしたが、当時、結婚を顔も見ないで決め、船上の花嫁としてやって来たエリノア・パーカーが農場主の邸宅で主人公の暴君ぶりを目にしつつ、ピアノを弾けるかといわれて、ピアノに向かい、弾いた曲がやはりこの曲でした。

壮絶なありとの戦いの後、映画はやっぱりハッピーエンドで終わります。

古生物を中心に動物(想像上のもの)を含め、現代動物までを描くイラストレーターです。
露出度が少ない世界なので、自作の展示と趣味として行っている地元中心の石ころの展示を中心に始めようかと思っています。
海と川が身近にある生活なので気分転換の散歩コースには自然が豊富です。その分地震があれば根こそぎ持っていかれそうなので自分の作品だけは残そうかとAdobe stockを利用し、実益も図りつつ、引退後の生活を送っております。
追加ですが、
古いものつながりで、音楽についてもLabを交えてCD音源の部屋をつくっています。娘の聴いてるような音楽にも惹かれるものがありますが、ここではクラッシックから近代。現代音楽に散漫なコレクションを雑多に並べていきながら整理していこうかと思っております。走り出してから考える方なので、整理するのに一苦労です。

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