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山梨県北杜市白州町白須 鞍掛鉱山(駒ヶ岳) 両錐水晶
全体的にエッジの利いた、剥離痕まで再結晶した透明水晶です。前掲の水晶と比べると、透明度の違いがよく分かります。また、照りツヤも際立っています。 松茸水晶とエレスチャル水晶を混ぜたような見た目。甲武信鉱山の松茸水晶に似たようなものが見られましたね。 東京ミネラルショー2019で、前掲の水晶ともう一つ濁った不完全な水晶の、3つセットで安く購入した記憶。あれから鞍掛鉱山の水晶の販売はネットで見かけた程度です。
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京都府亀岡市畑野町広野 やや紫な煙水晶
広野の濃い紫煙水晶は希少価値が高く、ミネラルショーで出回ることもほぼなくなりました。 僅かに、破片や煙水晶であればオークションなどで入手ができます。 これは2021年に落札したものですが、ガサついて不完全気味な煙水晶の形態でありながら、実は薄い紫煙水晶というものです。一部分が紫になっているわけではなく、全体がうっすら紫水晶です。肉眼では写真より紫に見えます。 オールドストックの供給を望むしかない現在、このレベルでもレア物になっています。
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鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦 宮之浦鉱山 苦土電気石入り水晶
6.7cmでずんぐりした、大きめな単結晶。一度、単結晶が折れた部分に苦土電気石が付着し、その上から両錐の単結晶が生えている不思議な形状をしています。 両錐部分はハイクリア。虹もきれいに見られます。 購入時、沖縄県の水晶と言われましたが、離島の産、販売者が直接採取したこと、その時期、その特徴、その他のことから勘案して、これは屋久島の水晶で間違いなさそうです。知り合いの方に見せ、それで間違いないとの話もいただきました。 15cm超えの水晶も採られるという屋久島。一度は採取に訪れたいですが、現在採取禁止とのことです。
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長野県南佐久郡佐久穂町 チタン入り水晶
2023年から賑わい出してきた佐久穂町の水晶ですが、こちらはそのずっと前に、とある愛好家様によって発見された水晶。 4枚目に見られるように、横の帯状の間隙に内包されている赤いものはルチルとも、チタンとも言われています。流石に海外のルチル感はありませんが、水晶峠のチタン入り水晶に雰囲気は似ています。 全体的にレモン色をしており、両錐水晶の連なった形状をしています。佐久穂町の水晶は地味に両錐水晶が多い気がしますね。
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愛知県北設楽郡設楽町延坂 クリアな水晶単結晶
延坂の水晶は極めて透明なものも多く、パワーストーン界隈では「ハーキマーダイヤモンド風」だなんて表現がされいます。 よく見ればそれだけクリアなのですが…形状は普通の単結晶。柱面も立派に伸びています。どちらかといえばハーキマーではなく乙女風でしょうか? 極稀にX面が見られるので、小粒を観察しているとドフィーネ式双晶の一つくらい見つかりそうではありますが、手持ちは300本近くあるため、見返すのは目にダメージが大きいです。 それぞれ2cm程度で、このサイズが透明な水晶の限界。大きいとそれだけ濁ってしまい、3cm以上だとほぼ白になります。
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山梨県山梨市牧丘町柳平 乙女鉱山 黄鉄鉱内包日本式双晶
乙女鉱山の双晶として初めて手に入れたものはこちら。金額は当時の最高額に迫るもので、かなり奮発して落札しました。 高さは3.1cm、幅2.9cm、厚みは6mmで、乙女鉱山のものにしてはやや薄いか。それでも美しく84.33°に交わるハート型は、鉱物趣味の心をくすぐります。大きい片翼には黄鉄鉱が筋状に入り、ややファントム気味になっています。 残念なことに、欠けや剥離跡が目立っています。そのため放出されたものでしょう。元はタケダ鉱物標本での入手品だったようです。手持ちのもう一つの乙女鉱山の日本式双晶もタケダ鉱物標本様より入手しています。
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大分県豊後大野市緒方町 尾平鉱山 晶洞坑 かき揚げ水晶
桜組織と呼ばれる、特異な形状が見られる水晶のクラスターになります。細い水晶の塊なので、俗に「かき揚げ」と呼ばれています。桜の形をしている部分は断面なため、スライスされて販売されるものもあるようです。 桜組織と一口に言っても分かりにくいですが、トラピッチェ構造を想像すれば分かりやすいかも知れません。水晶のトラピッチェはブラジル式双晶が合わさってできた歯車の形状で、ボリビア産のアメトリンによく見られます。いずれも断面に見られるもので、桜組織は断面のスライスが桜の形をしていると言うわけです。 流石に通常状態では桜部分が見られません。折れた部分をよく見れば、桜の花びらがかろうじて見えますが、撮影してもほぼ視認不可。左側の2片部分が見えるでしょうか? 全体的に白く、それでいて照りツヤがありキラキラと光るので、国産の中でも人気な水晶です。極稀に日本式双晶も現れ、コレクターが高値で取引をしています。
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宮崎県西臼杵郡日之影町見立 乙ケ淵鉱山(音ケ淵鉱山) 苦土フォイト電気石付き錫石入りファントム水晶
緑色の鉱物がフォイト電気石、内包されている褐色の鉱物が苦土フォイト電気石、さらにファントム状になっている内包部分は錫石?による黒褐色。 大分の錫石内包の水晶にそっくりなファントムをしていますが、こちらはより細身です。 上八重の水晶とともに、この水晶も売られていました。ついでに採取されていたのでしょうか。 古い文献では鉱山名が「音」ヶ淵となっていますが、最近の流通分は「乙」ヶ淵が一般的なようです。
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山梨県山梨市牧丘町柳平 乙女鉱山 透明水晶クラスター
濁った水晶クラスターのみ長らく載せていたので、東京ミネラルショー2023の戦利品であるこちらを掲載してみます。 既に2023年には乙女鉱山の水晶を50個は持っていましたが、スモールキャビネットサイズの標本は3つだけ。しかも見栄えはさほどよろしくない(透明で綺麗ではある)ので公開を控えていました。ただ、年末にこれは、というものを見つけ、必要度は低いながらも奮発して購入しました。 極めて透明な結晶群、最大結晶はX面が大きく見える左水晶。乙女の水晶はまさにこれ、というクリア感が素晴らしい標本です。
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奈良県吉野郡天川村洞川 五代松鉱山 レモン色オベリスク松茸水晶
その威容はまるでグスタフ砲。 長く黄色い単結晶3本が、ひとつの大砲のように伸びています。しかもその先端は別の単結晶が付き、アンバランスなえのき茸風な松茸水晶になっています。 レモン水晶の色味で、角閃石の内包による発色が鮮やか。白が混ざりクリーム色になった単結晶は、透け感がないレモンクリーム。 そもそものオベリスク水晶は川迫鉱山の水晶で、細く伸びた単結晶を指します。オベリスクはローマ時代のモニュメントで、長い四角柱。それ風の長い水晶という意味合いですね。ただし、こちらは五代松鉱山の産なので、厳密にはオベリスクではありません。形状で言えば同じではありますが。 レモン水晶の産出で賑わった頃に少量出てきたものの一つでしょうか。通常オベリスク水晶もそれほど見かけなくなりましたが、こちらの黄色オベリスクは購入時が初見でした。
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富山県中新川郡上市町稲村荒引 放射状水晶
これぞフラワー水晶、という広がり方をしているこちら。母岩に薄く張り付いた水晶は、360°、扇子のように伸びています。 薄い水晶で、1mmもないため、剥がれ落ちた部分の母岩が露出しています。一部、通常の単結晶が放射の起点部分に付いています。大きければ、さながら花弁の真ん中にある雌しべ。 当地では紫水晶が見られ、この真ん中の単結晶部分が紫水晶になるようです。
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栃木県日光市猪倉 大成鉱山 バイカラー蛍石付き水晶クラスター
さいたまミネラルマルシェ2024にて大量に出品されていた大成鉱山の蛍石付き水晶。魅力的な水晶が100点を超えるほど、数店舗に渡って沢山並んでいましたが、その中で注目したものは、水晶ではなく蛍石。 バイカラー、つまり緑と紫の蛍石があり、かつ水晶が見られるものを選ぶことにして、30分ほど店を往復しました。バイカラーにこだわらなければ、もっと綺麗なもの、安いものもありましたが、あえて8000円のこちらをチョイスしたのでした。 蛍石の八面体結晶は7mmで、僅かながらも目視で紫のゾーニングが確認ができます。私にとっては水晶がメインではないものを選ぶのは珍しいのですが、バランスが悪い訳でもないのでたまには。 水晶はより小粒かつ細身。その分透明度の高さは良いものです。
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愛知県北設楽郡設楽町延坂 両錐水晶
延坂の水晶は小さいものであれば、多くの単結晶を産出していたようです。石仲間よりいただいた単結晶の多くはクラスターから剥離したもので、極めて透明なもの、真っ白ながら端正な結晶のものなど、様々でした。 その中で僅かに、両錐の水晶がありました。その中で一番大きいものがこちら。4.1cmあり、通常の単結晶を含めても手持ちで最大サイズ。 メインの両錐水晶に細結晶がつく子持ち水晶と言われるタイプで、小さい結晶がついた部分には薄い黄緑色の内包が見られます。一般的な延坂の水晶クラスターが成長する母岩の、チャートの成分の色味でしょうか? 全体は透明、濁りと分かれており、一度結晶化する際に成長が弱まった時期があったのか、サシが縞になっている部分が見られます。子持ちの部分に両錐水晶が複数付いていますが、そちらの小さいものは濁り気味。全体の成長のあとに細かいものが成長したのでしょう。
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三重県北牟婁郡紀北町相賀 木組林道 根元紫水晶
産地としては、尾鷲市から繋がっている木組林道の紀北町側になります。とはいえ採取されるものは似たような水晶らしいです。 こちらは柱面が白く濁り、錐面も擦りガラス状になっているため、反射する部分がないマットな太短い単結晶なのですが、根元の中心部のみ僅かに紫水晶となっているもの。透かしてみると本当に根元の一部分のみの紫水晶。 色味はスモーキー掛かっている、少しくすんだ紫をしています。 この太さで全体が紫水晶となると、とんでもなく美しいものになりそうです。
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三重県北牟婁郡紀北町船津 往古川 エレスチャル松茸水晶
往古川では非常にクリアな松茸水晶が採れることで、2010年代前期頃に知られていました。最近では採取の話を聞かなくなりましたが、私の場合は擦りガラス状の水晶が採れた話を2020年に聞いたのが最後。 ちょうどその頃にいただいたものが、このエレスチャル松茸水晶。ほぼエレスチャルの水晶に単結晶が刺さっているという感じで、松茸の笠が大きいためきのこに見えません。表面のガマ粘土がそのままですが、この下に見える水晶自体はクリアです。 エレスチャルらしく、動かないものの負晶や気泡も確認できます。
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